マツバスゲ
マツバスゲは湿地に生える小さなスゲです。 湿地といっても、小さなものほど“小回り”がきくわけで、写真のマツバスゲも、山道の脇の窪みと言って良いような溝の脇に生えていたものです。
上は4月7日に撮ったマツバスゲで、ちょうど花の時期でした。 細い葉は短く、目立つのはほとんどが花茎です。
花茎の先には小穂が1つ。 この小穂は雄雌性で、先端部に雄花部があり、基部側に雌花部があります。 下はこの小穂を拡大したものですが、先端部から伸びだしているのはオシベで、基部に見られる白いものはメシベの柱頭です。
下は5月12日に同じ撮った同じ株の小穂です。 基部側の雌花部には果胞ができています。 果実はこの果胞の中で育ちます。
スゲもいろいろです。 雌花と雄花の位置関係を見ても、ヒメカンスゲのように1つの花茎に雄小穂と雌小穂をつけるものや、コウボウムギのように雌株と雄株が独立しているもの、そして今回のマツバスゲのように1つの小穂に雄花部と雌花部があるものなど、様々なパターンがあります。
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