ヒメカギバアオシャク
ヨモギの葉の上に、ヒメカギバアオシャクがいました。 派手さはありませんが、落ち着いた色合いの、とても美しい蛾です。 よく目立つ葉の上にいたのですが、鳥たちの眼にはどのように見えているのでしょうか。
幼虫は、アラカシ、コナラ、クリなどのブナ科の葉や、ツノハシバミなどの皮も食べるそうです。
カメラを近づけても逃げる気配は全くありませんので、翅の裏も撮ろうと思い、大胆にも葉を引き下げると、少なくとも顔は緑の葉の上にあるようにチョコチョコと横に移動しました。 何度繰り返しても同じことで、下の写真が限度です。
とにかく、翅の裏は、黄色と橙色の中間のような、わりあい派手な色でした。 江戸時代、老中松平定信の寛政の改革で出された倹約令(奢侈禁止令)に対し、元禄の贅沢に慣れた庶民は、目立たない裏地に絹を使った着物を着たそうですが、そんな話を思い出しました。
蛾は種類によって、すぐ逃げてなかなか近づけないものも、簡単に近づけるものもいます。 これらの行動の違いは、それぞれの蛾の生態的な位置づけとどのように関係するのか、以前から気になっています。
ヒメカギバアオシャクのなかなか飛んで逃げようとしない上記の様子について、最初は、緑の葉の上が保護色になることを本能的に知っていて、緑の葉の上に“執着している”のだと思いました。 しかしネットでヒメカギバアオシャクの写真を見ると、白い壁や褐色の板にとまっているものもいます。 また、おとなしい蛾である旨が書かれているブログもあり、私の見たヒメカギバアオシャクが、たまたま弱っていたということでも無さそうです。
ヒメカギバアオシャクは単に顔を隠して眼を守っているだけなのか、他のHPなどに載せられている緑以外の所にとまっているのが“仕方なく”なのか、また派手な翅の裏の色は別の目的に使い、普段はその翅の裏を隠すのに熱心なのでしょうか。 手始めに、昼間に葉以外の所にとまっているヒメカギバアオシャクを触って、すぐ逃げるのかどうか、反応を見たいものです。
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