ヒメカンスゲ
今頃山道を歩いていると、よくこのヒメカンスゲに出会います。 スゲの分類は難しいのですが、常緑でこんなに細い葉を持った、そして小さいわりにはよく花の目立つスゲは他にありません。 まだ果実ができていない花の時期に種名が分かるのは、このスゲくらいではないでしょうか。
1本の茎には3~4個の小穂をつけています。 上の写真では頂の小穂だけがよく目立っていますが、これが雄小穂で、その下にある2~3の小穂が雌小穂です(下の写真)。
下は雄小穂です。 雄小穂には雄花が集まっています。 下の写真ではオシベがたくさん見えます。 たくさんすぎてよく分かりませんが、1つの雄花は1枚の鱗片の内側にオシベが3本あるだけで、花弁もガクもありません。
下は雌小穂です。 雌小穂には雌花が集まっています。 下の写真をよく見ると、鱗片に保護されて緑の楕円体のものがあり、その先端から白いメシベが出ていて、柱頭は3裂しています。 この緑の楕円体は果胞と呼ばれていて、子房はこの中にあります。 このようにメシベが果胞に守られていて、果実がこの中で生長するのは、スゲ属の特徴です。
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