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2012年4月13日 (金)

ジャゴケの雌器托

 コケ植物は、蘚類(せんるい)と苔類(たいるい)、それに少数派のツノゴケ類の3種類に大別できます。
 ジャゴケはゼニゴケに似た平たい葉状体をもつ苔類です。 葉状体の表面は鱗を並べたような模様がはっきりしていて、その模様をヘビの体表に見立てて名付けられています。
 ジャゴケは雌雄異株です。 雄株は、夏から秋に、葉状体の先端に、精子を入れる小判形の雄器托を作ります。 雌株は秋に葉状体の先端に、小さな芽のような雌器托を作ります。 秋、精子は雌器托の中の卵細胞めざして泳ぎ、受精卵を作ります。
 受精卵は細胞分裂を繰り返して胞子体となり、この胞子体の中で胞子が作られるのですが、ジャゴケでは早春に胞子体を抱えた雌器托の柄が急激に伸び、下の写真のような姿になります。

Jagoke100404_1

 下は長く伸びた雌器托を斜め下から撮ったものですが隙間から黒い楕円体が顔を覗かせています。 これが胞子体です。 多くの蘚類では、胞子体は長い柄で雌株から立ち上がっていますが、ジャゴケの胞子体の柄は雌器托の傘の中に短いものがあるだけです。

Jagoke100404_2

 下は胞子体が破け、胞子が出ている状態です。 褐色の糸くずのようなものがたくさん見えますが、これは「弾糸」と呼ばれているもので、胞子の散布に役立っていると考えられます。

Jagoke120408_1

 ちなみに弾糸は、苔類以外には、シダ植物のトクサ属や真正粘菌類でも見られますが、これらの起源は全て異なっていて、たまたま似た働きをするものを同じ名前で呼んでいるだけです。

※ おちゃたてむしさんの所では、土筆(=トクサ属のスギナの胞子茎)の胞子が弾糸の乾湿運動で移動する様子が動画で紹介されています。

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