ヤブニッケイシロカイガラムシ
ヤブニッケイの葉の裏にいたヤブニッケイシロカイガラムシです。 分類学的にはカメムシ目ヨコバイ亜目(同翅亜目)カイガラムシ上科マルカイガラムシ科シロカイガラムシ族に分類されています。
この虫もなかなか正体が分からなかったのですが、おちゃたてむしさんの記事にezo-aphidさんがコメントされていますので、そこに若干の私の想像を加えて整理してみましたが、想像を加えたことで間違いがあるかもしれません。
写真の中央の円いのがメスの成虫です。 メスは2齢幼虫を経て成虫になりますが、マルカイガラムシ科の虫体は、体表の腺から分泌される物質で、体の上を屋根のように覆い、その下で生活しています。 この被覆物は「介殻」と呼ばれています。 写真で、メスの体の下方にあるのが1・2齢幼虫の脱皮殻なのでしょう。
雄は3齢幼虫を経て成虫になります。 成虫は翅も脚もありますが、交尾のためだけに羽化するようなもので、寿命は数時間から数日程度ということですので、写真には写っていないようです。
雄の介殻は小型で細長く、背面に3本の縦稜があります。 白いロウ物質も、この稜に沿って分泌されているようです。 なお、オスの3齢幼虫は擬蛹と呼ばれています。 これは完全変態昆虫の蛹に該当しますが、体内構造は完全変態昆虫の蛹とは大幅に異なっているとのことです。
このように、ヤブニッケイシロカイガラムシの幼虫は雌雄異型を示しますが、これがはシロカイガラムシ族においては一般的なことだということです。
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