イヌガシのトゲキジラミ(?)
前にトゲキジラミについて書き、トゲキジラミがいた植物としては、ブログ上では圧倒的にシロダモが多く、そこでは卵から成虫までの各ステージが見られることを書きました。 ただ、宮武頼夫氏が1970年に「大阪市立自然史博物館研究報告」に書かれたものには、トゲキジラミが育つ植物としてカナクギノキ、ヤマコウバシとホソバタブが挙げられており、シロダモは成虫が吸汁するが幼虫は見つかっていないと書かれています。 似た種がいるのか、まだまだフィールド観察が必要ということなのか、とにかく、関係する植物はクスノキ科です。
そこで、同じクスノキ科のシロダモ属( Neolitsea )で、奈良公園にはたくさんあるイヌガシではトゲキジラミは育っているのか、3月にいちど調べてみたいと思っていました。 3月に、というのは、イヌガシの花も見たいということ以外に、ブログ上では2月や4月のトゲキジラミの報告例はたくさんあるのですが、どういうわけか3月は、トゲキジラミがあまり観察されていません。
3月24日に奈良公園のイヌガシを見に行くと、あちこちの葉の裏に、トゲキジラミが作った白いロウ物質が見られました(下の写真)(^-^)v
上の写真でもよく見るとオレンジ色の小さな点がたくさん見えますが、これを拡大すると下のようになります。
よく見ると、成虫は見当たらないものの、卵も幼虫の各ステージも揃っているようです。 下は上の写真の一部を切り取ったものに、幼虫の齢が異なると思われるそれぞれの段階に番号をつけてみたものです。 なお、0は卵です。 5の番号を付けたものが5齢幼虫で、これから成虫が羽化するものと考えています。
※ 写真の幼虫はトゲキジラミの幼虫だと思うのですが、成虫が撮れていませんし、似た種がいるかもしれないということで、とりあえずタイトルには(?)を付けています。
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