イッスンムカデ
ケヤキの樹皮の下にいたイッスンムカデです。 体節は15で、脚も15対、触角は20個の節からなります。 体は光沢が強く、全体的に暗い赤褐色をしています。
「一寸」の名のように、ムカデの仲間にしては体節が少なく幅のわりには短い体をしています。 オオムカデ目(下の分類を参照してください)のトビズムカデと並んで、よく人目につくムカデです。
分類学的にはイシムカデ目イッスンムカデ科に分類されます、と書いてもピンとこないので、足の多い仲間(多足類)のことを、下に少し整理しておきます。
多足類は、私たちの日常的な分けかたからすると、ムカデ、ヤスデ、ゲジ(通称ゲジゲジ)に分けられます。 ムカデは体節に脚が1対ずつ付き、ヤスデは体節に脚が2対ずつ、ゲジは脚が長く、速い動きを見せてくれます。
これを分類学的にもう少し丁寧に整理すると、次のようになります。
節足動物門 多足亜門
ムカデ上綱
ムカデ綱(唇脚綱)
ムカデ亜綱(整形亜綱:雌雄同形で自由生活ステージでは変態しない)
ジムカデ目 Geophilomorpha
体は細く、脚は短くて27対以上、種類によっては181対を超える
オオムカデ目 Scolopendromorpha
オオムカデ科
大型、脚は21対
メナシムカデ科
小型で眼は退化、脚は21対または23対
ゲジ亜綱(改形亜綱:増節変態をする)
ナガズイシムカデ目
(日本未産)
イシムカデ目
孵化した幼体の脚は7対、脱皮毎に増え15対になる
イッスンムカデ科
イシムカデ科
トゲイシムカデ科
ゲジ目
ヤスデ上綱
コムカデ綱(結合綱)
エダヒゲムシ綱(少脚綱)
ヤスデ綱(倍脚綱)
ムカデは「百足」などと書かれますが、ほんとうに百足あるのはジムカデの仲間だけです。 咬まれて怖いのはトビズムカデなどのオオムカデの仲間で、写真のイッスンムカデの分類上の位置は、このオオムカデよりも、むしろゲジに近い仲間と言えます。
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