スミレモ
上の写真の橙色のものは、地衣類などに混じって木の幹に付着して育つスミレモです。 木の幹以外にも、よくコンクリートブロックなどについているのを見かけます。
スミレモは陸上に生える藻の一種です。 空気中に生える藻ですので、「気生藻」と呼ばれています。
湿度の高い所を好むとはいえ、水中ではなく空気中で藻類が育つというだけでも意外ですが、スミレモは分類学的には緑藻だと言われると、どこが緑だ! と言いたくもなります。 しかし観葉植物などでも、緑色ではない葉で光合成をちゃんとやっている植物もたくさんあるわけで、光合成を行っている植物はみんな葉緑素を持っているのですから、要は葉緑素も存在するが、他の色素の色が緑に勝っているというだけのことでしょう。
拡大してみると、所々枝分かれした糸状の体をしています(下の写真)。 顕微鏡で観察すると、細胞が一列に並んでいるようです。
ところで、スミレモの名前ですが、色がスミレの花の色、ではありません。 じつはスミレモを標本にするために紙に包んで(=乾燥させて)保存しておき、何ヶ月かしてから紙を開けると、かすかにスミレの香りがします。
なお、スミレモは1種ではありません。 ここで書いた内容も、正確には「スミレモの仲間」とすべきものです。
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