冬のネジキ
幹がねじれているからネジキ、分かりやすい名前です。 しかし樹皮だけでなく材もねじれていますから、加工し難く利用しにくい木です。
ネジキは日当たりのいい乾燥気味の所でよく見られます。 アカマツ林などにもよく生えていたのですが、アカマツ林そのものが森林の遷移と共に減少しています。
日のよく当たる所のネジキの昨年伸びた枝は、冬に美しい赤い色になります(下の写真)。 この赤い枝は生け花などに用いられます。
赤い枝についている芽に注目しましょう。 これまで何度か、芽には頂芽と側芽(=腋芽)があることを書いてきました。 頂芽は枝の先端にあり、伸びてきた枝が冬になって伸びることを休んでいる状態です。 側芽は葉の腋に作られた芽です。 例えばトチノキの冬芽の所でも書いたように、どんどん伸びて高くなろうとする木は頂芽を発達させます。 枝にたくさんついている側芽が伸びると、枝は四方に広がり繁りますが、伸びる勢いが分散され、高くなりにくくなります。
ネジキはそんなに高くなる木ではありません。 上の枝の写真の右上に、長芽のつくあたりの拡大を入れておきました。 よく見ると枝の先端が取れてしまっています。 たまたまこの枝の先が折れたのではありません。 これを「枝痕」と呼んでいます。 頂芽のような顔をしているのは、枝の先端に最も近い所にある側芽で、葉痕の上にあります。 このような芽を「仮頂芽」と呼んでいます。 仮頂芽は枝痕を伴うことで頂芽と区別されます。
※ ネジキの花や紅葉の様子はこちらに載せています。
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