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2012年2月25日 (土)

ヤマギシモリノキモグリバエ

Yamagisimorinokimoguribae120224_1

 24日の昼、近くの公園のアラカシに写真のような小さなハエがいました。 近くの数枚の葉に分散し、1枚の葉の(裏ではなく)表面に2~4頭、この日は暖かかったせいもあるのか、カメラを近づけただけで飛び立ち、すぐ近くの葉にとまる個体も多く、結局何頭いたのか分からなくなってしまいましたが、15頭前後だったと思います。
 昔に一度、1枚の葉にびっしりと並ぶ大きな集団を見たことがあるのですが、その時は不注意に顔を近づけて葉を揺らしてしまい、クモの子を散らすように逃げられてしまった経験がありますが、たぶんその時と同じ種類だと思います。

※ BABAさんがすばらしい集団の写真を載せておられます(こちら)。

 また、これと同種または近縁種と思われるものが樹皮の下にいるのを観察したことがあります(こちら)。

Yamagisimorinokimoguribae120224_2

 体長は翅端までが3mmほど、小盾板(しょうじゅんばん)に剛毛が2本あります(上の写真)。 翅脈の様子(下の写真)や脚の色、眼の色などから、キモグリバエ科 Rhodesiella属のヤマギシモリノキモグリバエだと思われます。 ただし、キモグリバエ科は九州大学の目録で150種、Rhodesiella属だけでも8種記録されていて、まだ増える可能性もあり、断定はできませんが・・・。

Yamagisimorinokimoguribae120224_3

 キモグリバエは「木に潜るハエ」の意味で、たしかに幼虫が木の皮を食べる種類もいるようですが、それはほんの一部で、単子葉植物の茎などや、キノコ、腐食質、動物食(虫の卵や腐肉など)もいて、キモグリバエ科全体とすれば食性は多様です。

※ ヤマギシモリノキモグリバエ( Rhodesiella yamagishii )に関する記載のある文献:
 上宮 健吉:赤坂御用地のキモグリバエ科(双翅目)
    国立科学博物館専報 39, 337-345, 2005

◎ ヤマギシモリノキモグリバエらしきハエはこちらにも載せています。

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