マツゲゴケ
マツゲゴケは低地~低山地でよく見る葉状の地衣類で、ウメノキゴケの仲間です。 地衣類というのは、アカミゴケやツメゴケのところでも書きましたが、菌類(カビ・キノコの仲間)と藻類が深い共生関係になり、あたかも1種類の生物のように暮らしているものです。
上で、マツゲゴケは普通に見られると書きましたが、大気汚染には弱く、都市部では見ることができません。 このため、他のウメノキゴケ属の地衣類と同様、大気汚染の指標になります。 写真は枚岡公園で、ソメイヨシノの幹に着生しているマツゲゴケを撮ったものです。
マツゲゴケの名は、深裂した裂片の縁から、まつ毛のような黒い毛のようなもの(これをシリアと呼んでいます)が伸びだしているのが見えるからです(下の写真)。 また、裂片の先端部のあちこちには、ソラリアまたは粉芽塊と呼ばれる、菌糸と藻類が絡まったものが粉末状に集まったものが見られます。 よく見ると、微細な網目状の模様も観察できます。
マツゲゴケの裏(腹面)は黒色ですが、ソラリアがついている部分は白くなっています。 シリアは黒い部分に生え、ソラリアのついている裂片には生えていません。
マツゲゴケに近縁のものに、オオマツゲゴケやニセマツゲゴケがあります。 オオマツゲゴケの腹面はソラリアのついている部分も黒く、ニセマツゲゴケでは、ソラリアのついている裂片にもシリアが生えます。
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