冬尺のメスを求めて
寒さで天敵の活動しにくい冬を狙って出現する冬尺という蛾がいます。 冬尺という蛾は1種類ではなく、フユシャク亜科の14種、ナミシャク亜科の6種、エダシャク亜科の15種の合計35種が知られていますが、いずれもメスの翅が退化しています。 寒い時期に飛び回るには、まず体温を上げなければなりませんが、そのエネルギーを産卵に回そうとしているようにも思えますし、表面積の大きな翅を退化させることで体温の消失を少なくしようとしているのかもしれません。
冬尺のオスはよく見ます。 私の家はニュータウンにあるのですが、自宅の近くでも冬尺のオスはこれまでに何度か見ています( → シロオビフユシャク、クロオビフユナミシャク)。 羽の退化した、蛾らしくない姿のメスも見たいものと、メスを探しにも行きました( → コナミフユナミシャク、クロスジフユエダシャク)。 また、たくさん飛んでいるクロスジフユエダシャクのオスを長時間追いかけ、オスにメスを探してもらおうとしたこともありました。(こちら) たくさんのオスがいるということはメスもいるはずなのですが、交尾は主に夜の闇の中で行われますし、飛び回らないメスはなかなか見ることができませんでした。
見たいと思って見ることができないと、ますます見たさが募ります。 東大阪市にある枚岡公園にも冬尺が多いと聞き、行ってきました。 さすがにたくさんの冬尺がいました。 下の写真で黒く見えているものは全て冬尺のオスで、写真の周囲にも、まだまだたくさんいます。 もちろん1種類ではありません。
ところが、飛び回っているのは1頭もいません。 オスが飛び回らないのは、まだメスが落ち葉の下などに隠れていて、行動する時間帯ではないのでしょう。 しかし、これだけのオスがいるのですから、メスもどこかにいるに違いありません。 時間をかけて探し、やっと1頭のメスを見つけることができました。
上記のメスについてはこちらに載せていますが、今日は、この日に枚岡公園で見たオスのうち、今までこのブログに登場していなかったオスを、何種類か載せておきます。
| 固定リンク
「昆虫04 ガ」カテゴリの記事
- ウスイロカザリバのダンス(2014.07.02)
- アヤシラフクチバ(2014.06.20)
- カレハガ(2014.06.18)
- キアシドクガ(2014.05.28)
- ナミテンアツバ(2014.05.11)
コメント
おはようございます
寒い時期にも活動してるガがこんなにたくさん!
粘り強くないと探せませんね
そよかぜさん寒さに負けてませんねすごいなぁ~
投稿: エフ | 2012年1月14日 (土) 11時02分
冬でも活動している虫たちや、成虫で越冬する虫たちもたくさんいます。
虫たちはあの小さな体でこの寒い中にいるのですから、いくらでも着込める人間が寒さに負けるわけにはいきません、なんて精神論を論じるつもりはありませんが、冬は寒さで虫たちの動きが鈍くなっていますので、撮影にはいい時期です
投稿: そよかぜ | 2012年1月14日 (土) 21時02分