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2011年12月29日 (木)

ホシダ・イヌケホシダ

Hosida091229_1

 ホシダは、福島・新潟以西から九州にかけての人為的な撹乱の多いところによく生えるごく普通の常緑性のシダです。 名前は長い頂羽片を「穂」と見たものです。 ただし、環境などによっても形態的には差異が生じるのは植物の常ですが、ホシダはその変異の幅が比較的大きなシダです。 またこれに似て細かい毛がビロード状に生えているケホシダもあります。 さらに、最近では南方系のイヌケホシダが冬でも暖かさが保たれている市街地でどんどん増えてきています。
 上の写真と下の写真は、どちらも胞子をつけているのですが、雰囲気的にはかなり違います。 上はホシダで、下はイヌケホシダだと思います。

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 イヌケホシダの葉を手で触ると、ザラザラした印象があります。 下は葉の表の一部を拡大したもので、左が葉の先端です。 羽片の基部の上向きの裂片は他の裂片より少し大きくなっています。 各裂片の中軸に最も近い側脈は互いに結合しています。 裂片の側脈は単条で先端は葉縁に達しています。

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Hasigosida111213_4

 下は葉の裏です。 胞子のう群は辺縁近くにつき、包膜は円腎形ですが、写真では時期的に苞膜は縮れてしまっていて、形の確認はできません。 胞子のう群は比較的大きいので、成熟した時には、写真のように互いにくっついて一列に見えることが多くあります。
 葉の中軸や 葉の裏の羽軸にはたくさんの毛があります。

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コメント

そよかぜさん、おはようございます
ハシゴシダもまだこれかな?というくらいで断定できないシダの一つでした。ハシゴシダを見分けるポイントを聞いて、よ~し、次はハシゴシダ!って思いました。

今年もたくさんのことを教えていただきありがとうございました。気がひけて、なかなかコメントを残すことができなかったのですが、また来る年もどうぞよろしくお願いします。

投稿: panda | 2011年12月30日 (金) 07時36分

今年もいろいろコメントをいただき、ありがとうございました。
ご覧になってのとおり、種子植物、シダ、コケ、虫、鳥と、目についたものは何でも記事にしていくという、アマチュアのブログです。思い込みで大きな間違いをしているかもしれません。「気がひけて」などとおっしゃらずに、たくさんのコメントをお願いします。

投稿: そよかぜ | 2011年12月31日 (土) 00時35分

というコメントを書いて、さっそく大きな間違いをしてしまいました。
自分で間違いを発見したのがせめてもの救いかな・・・

投稿: そよかぜ | 2012年1月 9日 (月) 21時02分

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