クロガネモチ
昔、金属のことを「かね」と呼んでいました。 「黒いかね」は鉄の古称です。 クロガネモチの「クロガネ」は、紫色になることが多い若い枝の色からでしょう。 そして「モチ」は、モチノキ同様、この木の樹皮から「とりもち」を作ることができるからです。
「とりもち」といっても、若い人には分からないかもしれませんね。 粘着性物質で、「もち」はネバネバを意味しているのでしょう。 このとりもちを枝に塗っておき、そこにとまってくっついた小鳥をつかまえるのですが、今は小鳥を保護する観点から、もちろん許されていません。 私の子供の頃は、長いさおの先にとりもちをつけて、セミもこれでくっつけて取ったものです。
クロガネモチに話を戻します。 クロガネモチは雌雄異株で、本州の茨城・福井以西と、四国・九州・琉球列島に分布していますが、乾燥に強く、明るい場所を好む性質から、庭木や街路樹などにもよく使われています。
クロガネモチはモチノキと同じ属で、どちらも庭木に使われますが、少なくとも私の近くでは庭木としてはクロガネモチの方が好まれていて、ややこしいのは植木屋さんが「もちのき」と言っているのは、たいていクロガネモチだということです。 しかしクロガネモチの名前を意識して使っているところもあり、そこではクロガネモチの名前を「金持ち」に結びつけたり、さらには「苦労がねー(苦労が無い)金持ち」などと言われたりします。
私の家の庭には鳥の糞から生えたクロガネモチがあります。 まだ30cmほどですが、この木が大きくなる頃には苦労しないで金持ちになっているのでしょうか。
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