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2011年12月22日 (木)

ソヨゴ

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 1週間ほど前にクロガネモチについて記事にしましたが、ソヨゴもモチノキ科モチノキ属の常緑樹で、クロガネモチ同様、雌雄異株です。 雌株はこの時期、長い柄の先に赤い果実をぶら下げています(上の写真)。
 ソヨゴは関東地方・新潟県以西に分布し、乾燥気味の尾根筋などによく見られるなど、乾燥に強い木です。 本来高木になることができるようですが、私の見る多くのソヨゴは林冠に達することなく、林内で育っています。

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 上の写真でも幹が斜めに写っていますが、太いソヨゴはよく傾いています。 ソヨゴの根は直根を持たず、ほとんどの根が地表に近いところを横に走っているようです。 そのため、下が岩で土壌が浅いような所(=乾燥しやすい所)でも、降った雨をいち早く吸収できる反面、地上部を支持する力が弱く、風などで倒れやすく、そのために風当たりの強くない林内に納まっているようです。 なお、幹が傾くと、根際から萌芽が生じ、新しく上に伸びる幹を再生していきます。
 ソヨゴの葉は、触ると滑らかで柔らかいのですが、乾燥に耐えるしくみのひとつとして、葉の表皮は硬く丈夫で、葉の内部の水分を逃がさないようにしているようです。 そのため、風で葉がこすれあうとカサカサと音がし、これが他の木の葉より際立っていることから、「そよぐ」に由来して「ソヨゴ」の名前がつけられたと言われています。
 丈夫な表皮を持つ葉を熱するとどうなるか。 葉肉間にある気体が膨張しても水が気化しても逃げ出せないわけですから、それが限界に達すると、パチッと音がして、葉が爆ぜます。 下は葉の表から熱して、爆ぜた裏側を撮ったものです。 やはり海綿状組織の方が細胞間の隙間が多く、葉の裏側の方が爆ぜやすいようです。

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 ところで、上の写真で、葉の熱した部分の周囲が褐色になっています。 もう少し時間を置くと、もっと褐色が濃くなります。 これは焦げたものでもありませんし、反対側を熱しているわけですから、もちろん煤(すす)ではありません。 では、これは何か、明日はこのことについて書くつもりです。

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