クマワラビ
シダは胞子で増えますが、その胞子(を入れた胞子のう)をどこにどういうふうにつけるかは、いろいろですが、大別すると、光合成をする葉(=栄養葉)と胞子をつける葉(=胞子葉)が別の葉である種類と、両者を兼ねている、つまりみんな同様の葉である種類とに分けられます。
クマワラビは1枚の葉で光合成もしますし、胞子もつけるのですが、胞子をつける場所は、葉身の先の1/3ほどの場所に限られます。 そして、クマワラビ自体は常緑なのですが、胞子をつけている部分だけは、胞子を飛散させた後は、もう役割を終えたとばかりに枯れてしまいます。 そして今がちょうど、その枯れてしまう時期です。
上の写真は、クマワラビの胞子をつけている部分が黄色くなり、枯れていく様子を、葉の表から見たものです。 そして下は、胞子をつける部分とつけない部分の境を写したものです。
下は胞子のう群を拡大したものです。 胞子のう群は最初は円形の包膜で覆われて保護されているのですが、この時期では包膜は縮れて胞子のう群の中央にわずかに残っているだけです。
ところで、クマワラビによく似たシダにオクマワラビがあります。 オクマワラビの場合も胞子をつける場所が限られていて、葉身の中央付近から先にかけてです。 両者のこの胞子のつき方の違いについては、「くまさん(1/3)、おくまはん(半分)」という、よく知られている覚え方があります。
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コメント
>ブツブツがいっぱいの気持ち悪さにも慣れてしまえばおもしろいものでしょう。
それで、シダに出合うと取りあえず、裏をひっくり返して見てみます、けど・・・
ブツブツには慣れましたが、そのブツブツの付き具合がいろいろやなぁ・・・と。
投稿: わんちゃん | 2011年11月25日 (金) 22時02分
シダも種類は多いし、環境などによる変異がありますし、時期によって様子が変りますから、難しいですね。
投稿: そよかぜ | 2011年11月25日 (金) 23時47分