ビロードシダ
奈良公園にあったビロードシダです。石灰岩地帯などに多いシダですが、奈良公園ではクスノキの幹に生えていました。 常緑で根の浅い乾燥に弱いシダですから、きっとこの場所は常緑樹が多く1年中空中湿度が保たれているのでしょう。
ビロードシダの姿は、ノキシノブの仲間に似てはいますが、その名のとおり、葉の裏(1枚目の写真)も表(上の写真)も毛が多く、ビロード状です。
上の写真はマメヅタ(これもシダです)に混じって生えているので少し分かりにくいですが、丸いのがマメヅタの栄養葉、細長く斜め上に伸び、葉の裏に胞子のうをつけているのがマメヅタの胞子葉、長く垂れ下がっているのがビロードシダです。 ビロードシダは円い胞子のう群が葉の裏に2列に付くのですが、時期が悪いのか、生長が不十分なのか、胞子のう群は見られませんでした。
上の写真を見るとクスノキの幹にくっついて、ビロードシダの茎が長く横走しています。 マメヅタの横走する茎も写っていますが、太く赤褐色の鱗片が密についているのがビロードシダの茎です。
下はビロードシダの葉を横から拡大して撮ったものですが、毛は星状毛であることが分かります。
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コメント
ビロードシダの向こうに写ってるモンがいかにも奈良公園の・・・とカンジますが、ひょっとして灯篭?
え~っと、マメヅタの葉っぱについてですが
栄養葉と胞子葉ってありますが、役割を分担しているのでしょうか?
投稿: わんちゃん | 2011年11月 6日 (日) 20時51分
灯篭は意図的に撮ぅろうとしました。徒労に終らなくてよかったです。
栄養葉と胞子葉に分かれているシダはたくさんあります。シダの種類によって程度の差はありますが、栄養葉は光合成を担当し、胞子葉は主に胞子を散布することを担当します。
投稿: そよかぜ | 2011年11月 6日 (日) 23時36分