チャ
あちこちでチャ(チャノキ)の花を見かける季節となりました。 と同時に、昨年の花の実も裂けて種子をこぼし始めています。
日本茶は、もちろんこの木の葉で作るのですが、紅茶やウーロン茶などの木も、種としては同じです。 日本にあるチャの木も、確かなことは分かりませんが、中国南部の原産だと考えられています。
茶の原料となる葉は、硬い触感で、縁には細かい鋸歯があります。 葉面は葉脈に沿ってくぼみ、その間の面は盛り上がり、少し凸凹しています。
チャはツバキ属( Camellia属 )の常緑樹で、花も実もツバキに似ています。 花は10~11月頃に咲き、たくさんのオシベがあり、そのオシベを抱え込むように白い花弁があります。
たくさんのオシベでメシベが分かりにくいので、一部を残し、花弁とオシベを取り去り、メシベをはっきりさせました(下の写真)。 柱頭は3裂しています。
柱頭の3裂と関連して、子房も3室からなり、1室に1種子が入りますから、3個(以下)の種子ができることになり、果実も種子の数だけ膨らむことになります。 ちなみに、地図の茶畑の記号( ∴ )は、この果実の形を図案化したものです。
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コメント
おはようございます
佐賀嬉野に大きな茶樹があるのでてっきり
中国か韓国から入ってきたのだと思ってました
はっきりしてるわけではないのですね
地図の記号、そうだったのか~
これでしっかり頭に入りました
投稿: エフ | 2011年11月18日 (金) 08時26分
こんにちは。
チャの花は良く見ていましたが、実のほうは見逃していました。いつもひっそりと咲いているので、花も見逃してしまうことが多い樹です。今度、実のほうも探してみます。地図の記号は勉強になりました。
投稿: 多摩NTの住人 | 2011年11月18日 (金) 09時17分
エフさん、多摩NTの住人さん、コメントありがとうございます。
お二人とも地図の記号に関心を持っていただいたようですね。
参考までに、この記号は、史跡・名勝・天然記念物の記号ととてもよく似ていて、3つの点の大きさが少し違うだけです。史跡・名勝・天然記念物の記号の方は、記号の由来は不明だそうです。
投稿: そよかぜ | 2011年11月18日 (金) 22時22分
そよかぜさんのblogでいつもハッとしますことが多いです。
チャの木はウチから歩いて200歩ほどの畑にボウボウになって居ます
「そやそや」と思って見に行きました
パカッと割れた茶色の実は中身が落ちた後でした、3室になっているのは確かに・・・
この実は昨年のですか?一昨年のですか?
BBSに貼らせていただきました。
ちなみに茶畑のチャの木にはお花は見かけませんです。いつもキレイに刈りこんであります。
投稿: わんちゃん | 2011年11月25日 (金) 19時28分
実物を見ないとよく分かりませんが、BBSの実は今年種子を落としたばかりではないでしょうか。
茶畑のチャは葉を摘むのが目的ですから、どんどん葉が伸びるような管理をしています。生長の盛んな木は、そんなに花をつけないものなんです。自身の生長が十分にできないと、生命を子孫に託そうと花を咲かせて種子生産に向かうわけです。
枝の先には芽があり、芽には花芽と葉芽がありますが、茶摘をする側からすれば、花芽ができるとその枝はそこで成長が止まってしまいますし、木の養分が花と種子生産に取られてしまうので、決して好ましいことではありません。
投稿: そよかぜ | 2011年11月25日 (金) 23時39分