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2011年11月29日 (火)

クリオオアブラムシ

 11月22日の記事で、クリオオアブラムシのいるクリの木に来ていた虫たちを紹介しましたが、クリオオアブラムシについては何も書いていませんでしたので、ここで書いておきます。
 じつは11月26日に再度クリの木を見に行ってきたのですが、前回にはいなかった有翅型も見られ、越冬用の卵も産み付けられていました。
 下の写真で、有翅型は右上にいます。 また、写真下の暗赤褐色のものが卵です。

Kuriooaburamusi111126_1

 クリオオアブラムシの生活環は次のようになります。 まず、越冬形態は卵です。 4月上旬頃に孵化するのは無翅型のメスで、単為生殖を行います。
 5月頃には有翅型のメスも出現し、移動分散し、新たな場所でも単為生殖で個体数を増やしていきます。 そして、秋になると有翅型のオスが現れます。 このオスはメスと交尾し、メスは越冬用の卵を産卵します。 卵は最初は暗赤褐色ですが、次第に黒色となっていきます。

 上の写真では有翅型が分かりにくいので、単独でいる有翅型の写真を載せておきます。 有翅型の翅は黒色で、白い斑紋があります。 腹部が膨らんでおらず、オスでしょう。

Kuriooaburamusi111126_2

Kuriooaburamusi111126_3

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2011年11月28日 (月)

キクキンウワバ

Kikukin_uwaba111117_1

 クリの木の葉と葉の隙間に何やらキラリと光るもの。 葉をそっとずらしてみると、いたのはキクキンウワバでした。 前翅には光に当たると金色に輝く紋があり、上のように反射光をまともにカメラに入れると、光り過ぎて色が出ません。 カメラの角度を工夫して紋の反射光が入らないようにして写したのが下の写真です。

Kikukin_uwaba111117_2

 キクキンウワバは4月頃から10月頃に出現する蛾ですが、この写真を撮ったのは秋も深まった11月17日。 そのせいでしょうか、動きは緩慢で、つついても飛び立とうとはしませんでした。
 幼虫の食餌植物は、菊やゴボウなどのキク科以外に、ニンジンなどのセリ科や、イラクサなども食べるようです。 ですから、クリとは無関係で、これもクリオオアブラムシの甘露を目的に来ていたのかもしれません。
 キクキンウワバはヤガ科のキンウワバ科に分類されていますが、このキンウワバ科は熱帯地方に反映するグループで、翅の紋は太陽の光を強く反射することで体温の上昇を防ぐのか、強い太陽光の下でいろんなものがキラキラと反射する環境で、保護色になっているのかもしれません。 胸背や腹背に発達した毛塊を持つのも、このグループの特徴です。

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2011年11月27日 (日)

ヌルデ

 昨日、一昨日と、互いによく似たヤマウルシとヤマハゼを取り上げました。 これらとヌルデは、区別は容易ですが、奇数羽状複葉であるなど、似てなくも無いので、取り上げておくことにします。
 ヤマウルシやヤマハゼなどとの明確な違いは、複葉の葉軸に翼があることです。 写真の葉は小葉がきちんと揃っていませんが・・・。

Nurude111117_1

 果実の表面は短毛を密生しています。 下の写真で、果実の表面の所々で白い物質が分泌されています。 これはリンゴ酸カルシウムで、秋口の一時期、この分泌がたいへん盛んになる時期があります。 このリンゴ酸カルシウムを分泌する意義は、少し調べてみましたが、よく分からないようです。

Nurude111126_1

 リンゴ酸カルシウムは吸収されやすいカルシウムで、舐めると塩味がします。 人が舐めてもおいしく、鳥が好むのも確かなようですが、果実を食べてもらうために表面にリンゴ酸カルシウムを分泌するにしては、リンゴ酸カルシウムの最もよく分泌される時期は、種子の完成からすると、早すぎるようです。

 ヌルデの名前は、幹を傷つけると白い汁が出て、これを塗料に使ったことに由来するようです。 また、私はそんなに太いヌルデの木を見たことは無いのですが、材は白く、材質は柔らかく、木彫の材料などに使われるようで、聖徳太子が物部守屋の戦いに際し、ヌルデの木で仏像を作り戦勝を祈願したとの伝承があります。
 もうひとつ、ヌルデが生活に利用されてきたものに五倍子(ごばいし)があります。 これは下の写真のような、ヌルデシロアブラムシが作る虫えい(虫こぶ)ですが、この虫えいにはタンニンが豊富に含まれていて、黒色染料の原料としてや皮なめし等に使われた他、昔の女性のお歯黒もこれを材料にしていたようです。

Nurude030923_1

 いろいろ書いてきましたが、ヌルデも人によってはかぶれることがありますので、ご注意を。

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2011年11月26日 (土)

ヤマハゼ

 昨日はヤマハゼとヤマウルシの見分け方を中心に、ヤマウルシについて書きました。 今日はもう片方のヤマハゼについてです。
 ヤマウルシと別種にウルシがあったように、ヤマハゼについてもハゼノキがあります。 さらに面倒なのは、ウルシはほとんど栽培されているものばかりであったのに対し、ハゼノキは、元は主にロウソクの原料を採るために栽培されていましたが、丘陵帯に広く野生化しています。 つまり、ヤマハゼはヤマウルシともハゼノキとも区別しなければならないということになります。
 まず、ヤマハゼとヤマウルシとの違いについてですが、これは昨日書きましたが、再度箇条書きにしておきます。 昨日のヤマウルシの写真と今日の写真を比較してみてください。 なお、分布はヤマハゼの方がヤマウルシよりも暖かい場所を好み、分布は関東以西になります。

Yamahaze111117_1

  •  複葉の小葉はヤマハゼの小葉の方が幅が狭い傾向にある。
  •  小葉の主脈から側脈が分岐する角度が、ヤマハゼの方が直角に近くなる傾向がある。
  •  ヤマハゼの果実の表面にはほとんど毛が無く、光沢がある。 ただし、ヤマハゼも雌雄異株で、雄株には果実はつかない。

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 次に、ハゼノキとヤマハゼとの違いです。 これはほんとうによく似ていて、果実の様子も似ていますし、分布域もほぼ同じです。
 比較的見分けやすい区別点は次の2点でしょう。

  •  ハゼノキはヤマハゼに比較すると、葉の毛がかなり少ない。
  •  葉を裏から見て、小葉の側脈がハゼノキではそんなに隆起しないが、ヤマハゼの側脈は強く隆起する。

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2011年11月25日 (金)

ヤマウルシ

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 漆塗りの漆を採るウルシとヤマウルシは別種です。 山に生えているウルシをヤマウルシと言うのではありません。 ウルシは中国・ヒマラヤが原産で、栽培されていて、このあたりの野山で見るのはヤマウルシです。 といっても両者は近縁で、どちらもかぶれることは同じです。
 ヤマウルシとよく似ていて、ヤマウルシ同様よく見かける木にヤマハゼがあり、どちらも美しく紅葉します。
 両者を見分けるには、果実を見るのが最も簡単です。 下は最初の写真の果実の部分を拡大したものですが、ちょうど果皮が取れかかっていて、果実と種子の両方が見えています。 写真のように、果実には荒い毛が密生していて、秋に淡褐色になった果皮が割れると、種子が現れます。 種子は白色で、縦縞があるのですが、写真が少し小さかったですね(距離があったもので・・・)。

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 これに対してヤマハゼの果実の表面にはほとんど毛が無く、光沢があり、扁球形です。 ヤマハゼは明日の記事にする予定です。
 しかし、ヤマウルシは雌雄異株で、雄株には果実はついていません。 また雌株でも若い時には果実をつけません。 そんな時にヤマウルシとヤマハゼを見分けるには、どこを見ればいいのでしょうか。
 例えば複葉の小葉がヤマウルシの方が幅広い傾向があり、ヤマウルシの方が小葉の数が少ない傾向があり、若い株ではヤマウルシの方が小葉にきょ歯の出る傾向が強いなど、細かく見ればいろんな違いがあります。 私がもう少し区別しやすいかなと思っているのは、小葉の主脈から側脈が分岐する角度(下の写真の赤い線)です。 この角度がヤマウルシの方が鋭角になる傾向があります。 明日のヤマハゼと比較してみてください。

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 ただしこれも両種の中間的な角度のものもあり、他の特徴も併せて見ておくことが必要なんでしょうね。

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2011年11月24日 (木)

アメリカミズアブ

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 アメリカミズアブは第二次大戦後にアメリカから入ってきた外来種です。 それから急速に広まったようで、私が子供の頃にはこの虫を何度か見かけています。 図鑑で名前を調べようとしたのですが、新しくても古いままの内容を載せている図鑑には当然載っていなくて、なぜこんな身近な虫が載っていないのかと不思議に思ったものでした。
 アメリカミズアブは有機物の多い所で発生します。 私の子供の頃は生ゴミは庭に掘った穴に捨て、便所も汲み取りでしたから、アメリカミズアブにとっては快適な環境だったのでしょう。 その後、衛生状態が良くなるにつれて、アメリカミズアブの姿は町の中ではあまり見なくなりました。
 写真はクリの木に来ていたアメリカミズアブです。 クリ畑の周囲は貸農園になっていて、収穫後に片付けられた作物が積まれていて、そこで発生したのだと思われます。 成虫は花の蜜を吸っていますので、蜜の代わりに甘露を吸いに来たのでしょう。 アブとしては長い触角を持っているのですが、片方の触角は途中から失われています。
 複眼の模様の美しさ(下の写真)は、子供の頃には気づかず、デジカメで写真を撮るようになってから知ったことです。

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2011年11月23日 (水)

ヘリヒラタアブ

 昨日載せたクリオオアブラムシのいるクリの木に来ていたヘリヒラタアブです。 甘露を舐めていました。

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 ほとんどのハナアブの仲間が黒と黄色の模様であるなかで、このブルーの模様は、とても印象的です。 ただしこのブルーは、死ぬと時間の経過と共に黄色くなっていきますので、古い標本では見ることができません。
 ところで、このヘリヒラタアブと同じ属( Didea属 )にマルヒラタアブというのがいて、上から見る限り、両者はそっくりです。 両者のいちばん大きな違いは腹部下面の紋の形で、マルヒラタアブの1番目の横帯状の紋と2番目の紋が離れているのに対し、ヘリヒラタアブのそれはくっついているのですが、それ以外の違いは微妙です。
 ヘリヒラタアブはけっこう活発に飛び回っていて、撮れた写真はこれ1枚で、もちろん腹部下面は撮れていません。
 ではなぜ今日のタイトルをヘリヒラタアブとすることができたのか。 じつは同じクリの木に幼虫(全く動かないので蛹かもしれませんが・・・)がいたからです(下の2枚の写真)。 マルヒラタアブの幼虫とサナギは、フッカーSさんのブログで見せていただきましたが、クリの木にいたものとは少し違うようです。

Herihirataabu111117_2

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 じつはヘリヒラタアブの幼虫は肉食で、アブラムシを餌としています。 もちろん、ヘリヒラタアブの幼虫の傍にマルヒラタアブの成虫がいることだって、無いとは言えないでしょう。 しかし常識的に考えて、幼虫がヘリヒラタアブなら成虫もヘリヒラタアブである確率は高いでしょう。 最初の写真の成虫も、このクリ畑(クリの木が7~8植えられています)で生まれたのかもしれません。

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2011年11月22日 (火)

クリの木の賑わい

 花の時期でもないのに、クリの木の周囲にいろんな昆虫が飛び回っていました。 何に惹かれて来ているのかと不思議に思ってよく見ると、原因は、たくさんのクリオオアブラムシでした。

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 アブラムシは口を枝に差し込んで樹液を吸います。 樹液には糖分はたくさん含まれているのですが、アミノ酸はそんなに多くありません。 アブラムシにはアミノ酸が必要ですから、たくさん樹液を吸わなければならないのですが、そうすれば糖分が余ってきますのて、お尻から余った糖分を排出します。 これは甘露と呼ばれています。 通常はアリがこれをもらって、代わりにアブラムシをガードするというのが、よく見られるシーンですが、この時はあまりアリは見られませんでした。
 結果として甘露は下に落ち、葉や枝を濡らします。 これを吸おうと多くの虫たちが来ているようです。 さらにはクリオオアブラムシを食べようとして集まった昆虫があり、このようにして集まった虫たちを食べようと集まる虫たちもいます。

Kitateha111117_1    口を伸ばして甘露を吸うキタテハ 葉の茶色の部分と重なり、いい保護色です。

Namitentou111117_1    ナミテントウ

Oohanaabuf111117_1    オオハナアブ(メス)

Hanaabu1_111117_1    ハナアブの仲間(種名が分かるようでしたら教えてください)

Harabirokamakiri111117_042    ハラビロカマキリ

 この他にもアメリカミズアブヘリヒラタアブなども来ていましたが、これらは別に項目立てをしています。

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2011年11月21日 (月)

11月に咲くジュウガツザクラ

 11月は関西文化の日、今年は11月19日(土)と20日(日)を中心に、各地の博物館や美術館などでイベントや、入場料を無料にするなどの取り組みが行われました。 この関西文化の日は、「関西の文化事業から日本を活性化していこう」と当時の文化庁長官の河合隼雄氏が中心になり、2003年に始まったものです。
 大阪市立自然史博物館でも、入場料が無料になり、「大阪自然史フェスティバル2011・リミテッド」が開催され、様々な団体がブース形式で参加したり、様々な講演が行われたりしました。
 私も行ってきたのですが、その内容はまた折に触れて紹介するとして、今日はその行き帰りに通った長居公園に咲いていたジュウガツザクラの紹介です。

Juugatsuzakura111120_1     (写真はクリックで拡大します)

 ジュウガツザクラはエドヒガンの系列の桜の園芸品種で、コヒガンの雑種とされています。 花は毎年、3月下旬~4月上旬頃と10月~12月頃の年2回開花します。
 花弁は十数枚、咲いたばかりの花では、ツボミの時の紅色があちこちに残ります。

Juugatsuzakura111120_2

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2011年11月20日 (日)

メドハギ

 メドハギに果実ができていました。

Medohagi111110_1

 メド「ハギ」は、ハギといっても、私たちがよく目にする落葉低木のハギとは、かなり印象が違います。 しかし、果実の様子を見ると、中に1種子しか入れず、裂けないまま散布する様子は、たしかに他のハギの仲間と共通です。 参考までに、マルバハギの果実を下に載せておきます。

Marubahagi111117_1   (参考)マルバハギの果実

 8~10月に咲く花の様子を見れば、もちろんマメ科ですし、他のハギの仲間の花ともよく似ています。 ただしメドハギは変異も多く、下の写真のように、花の色にもかなり濃淡があります。

Medohagi080913_1

Medohagi090913_1

 メドハギの茎は硬く木質化し、立ち上がります。 メドハギの名は「筮(めどぎ)ハギ」がなまったもので、この茎を占いに使うる筮竹(ぜいちく)の代用として使われたことによると言われています。 しかし茎が木質化しても翌年は地下から新しい茎が出てきます。 つまり、メドハギは多くの萩の仲間のような小低木ではなく、草(宿根草)だということになります。

 メドハギはマメ科で根に根粒菌を持つためにやせ地にも強い植物です。 そのために道路の法面に種子を吹き付けたりしますが、この種子は外国から輸入しているため、遺伝子の攪乱などが心配されています。

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2011年11月19日 (土)

スエヒロタケ

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 白い綿屑のようなもの、これが若いスエヒロタケです。 まだ成長しきっていないこともありますが、大きさはというと、じつは上の写真も、竹の井戸蓋に生えていたもので、小さなキノコです。

Suehirotake111109_2

 スエヒロタケの傘を裏から見ると、柄は無く、傘は半円形で、ひだは扇の骨が広がったようになっています(下の写真)。 スエヒロタケの名前はここから来ています。

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 ひだの様子を注意深く見ると、2つのひだが対称の1組になっているように見えます。 じつはこのひだは、いわゆる偽ひだで、本来のひだの稜線で縦に裂け、左右に分かれたものです。 スエヒロタケは世界中に分布するキノコですが、この様子から、英語圏では Split Gill と呼ばれています。 Gillが魚の「エラ」であることはよく知られていますが、キノコのひだも Gill なんですね。

 スエヒロタケは1年中見られるキノコで、木材などの植物の組織を分解する能力が高く、また、多糖類を生産する能力にもすぐれています。 これらの能力をさまざまな方面で活用しようと、スエヒロタケは現在注目を浴びているキノコだと言えます。 ただ、このスエヒロタケの生命力の強さが災いすることもあり、ごく稀にではありますが、抵抗力が落ちたヒトやイヌの肺でスエヒロタケの菌糸が伸びて、スエヒロタケ感染症を引き起こすことがあります。

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2011年11月18日 (金)

ニガクリタケ

Nigakuritake111109_2

 名前は「苦いクリタケ」という意味で、クリタケと似た場所に生える、外見も似たキノコです。 消化器系の症状が中心の毒キノコで、重症の場合は神経麻痺や肝障害なども引き起こし、死亡例もあります。
 ニガクリタケはほぼ1年中見ることができるのですが、もちろんクリタケの見られる秋にもあります。 生える場所も、クリタケ同様、木材や切り株です。 下は'11年11月17日の記事にしたクリタケと同日に撮った写真ですが、ハイキング道の階段の組み木にたくさん生えていました。 この日は他の場所でも、あちこちでニガクリタケを目にしました。

Nigakuritake111109_1

 クリタケと比較すると、色はやや薄く黄色みをおびているのですか、クリタケもニガクリタケも、時間の経過と共に色が濃くなってきますから、古いニガクリタケと新しいクリタケを比較すると難しくなります。
 傘のひだはひだはオリーブ色ですが、古くなると黒ずんできます。 下は少し古いニガクリタケです。

Nigakuritake111109_3

 ニガクリタケは名前のとおり、たいへん苦味の強いキノコです。 毒キノコですが、飲み込まなければ大丈夫ですので、味見をして印象に残しておくのも良いのではないでしょうか。
 ニガクリタケの苦味は、加熱すると消えるのですが、毒性はそのまま残ります。 最初に書いたニガクリタケによる中毒は、クリタケ(やナラタケなど)と思って採り、そのまま加熱してしまったためでしょう。

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2011年11月17日 (木)

クリタケ

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 クリタケの名前は、栗色のキノコだからなのか、栗の木に生えるからなのか、とにかく、クリタケは秋から晩秋にかけて、クリやコナラなどの広葉樹の切り株や倒木などに群生するキノコです。
 食菌として人工栽培もされ、炒め物や混ぜご飯などに使われていましたが、近年になって有毒成分が見つかりました。
 食用にされていたキノコで障害が発生した近年の例としては、'04年の秋にはスギヒラタケで脳障害が発生し、ニュースになりました。
 キノコは種子植物などとはかなり異なった物質を持っていて、だからこそ薬効も期待されているのですが、人体に及ぼす影響については、まだまだよく分かっていません。 それにキノコの発生条件によって、物質の濃度はかなり変化するようです。
 クリタケについては、おいしいキノコですし、過食を慎めば大丈夫だと思うのですが・・・。 それよりもクリタケに似たニガクリタケを誤食することの方が心配です。
 クリタケは、傘は茶褐色からレンガ色で、柄は、傘に近い部分は淡褐色、根元の部分はさび褐色から黒褐色です。 もちろん、これらの色はキノコの新鮮さによっても変化します。

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Kuritake111109_3  ひだは黄白色から、後には紫褐色に変化します。

Kuritake111109_4  柄は生長するとほぼ中空となり、折れやすくなります。

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2011年11月16日 (水)

コマユミ・ニシキギ

 「小さなマユミ(真弓)」という意味の名のコマユミと、紅葉が錦のように美しいというニシキギ、両者は同種の木です。
 コマユミは全国の丘陵帯から山地帯に自生している落葉低木で、ニシキギはよく庭などに植えられています。 対生の葉は早くから紅葉しはじめ、日当たりなど条件が良いと、たいへん美しい紅葉となります。
 学名からすると、コマユミはニシキギの品種ということになります。 本来なら広く自生しているコマユミを母種とし、ニシキギを品種とするのが妥当だという気がしますが、学名は先に記載されたものを母種としています。
 ニシキギはコマユミの茎にコルク質の翼が発達したものですが、その発達の程度には個体差があります。 園芸的には翼のよく発達しているものが好まれています。

Nisikigi061123_1    ニシキギ

Nisikigi061118_1    ニシキギ

Komayumi111029_1    コマユミ

 果実は2つに裂け、中から朱赤色の仮種皮をかぶった種子が1~2個出てきてぶら下がります。

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2011年11月15日 (火)

チャ

 あちこちでチャ(チャノキ)の花を見かける季節となりました。 と同時に、昨年の花の実も裂けて種子をこぼし始めています。

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 日本茶は、もちろんこの木の葉で作るのですが、紅茶やウーロン茶などの木も、種としては同じです。 日本にあるチャの木も、確かなことは分かりませんが、中国南部の原産だと考えられています。
 茶の原料となる葉は、硬い触感で、縁には細かい鋸歯があります。 葉面は葉脈に沿ってくぼみ、その間の面は盛り上がり、少し凸凹しています。

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 チャはツバキ属( Camellia属 )の常緑樹で、花も実もツバキに似ています。 花は10~11月頃に咲き、たくさんのオシベがあり、そのオシベを抱え込むように白い花弁があります。
 たくさんのオシベでメシベが分かりにくいので、一部を残し、花弁とオシベを取り去り、メシベをはっきりさせました(下の写真)。 柱頭は3裂しています。

Cha111108_2

 柱頭の3裂と関連して、子房も3室からなり、1室に1種子が入りますから、3個(以下)の種子ができることになり、果実も種子の数だけ膨らむことになります。 ちなみに、地図の茶畑の記号( ∴ )は、この果実の形を図案化したものです。

Cha111108_3

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2011年11月14日 (月)

クロシタアオイラガの幼虫

 写真は10月下旬に堺自然ふれあいの森で撮ったクロシタアオイラガの幼虫です。 幼虫は6~7月と8~9月に発生すると言われているのですが、まだいました。
 クロシタアオイラガの幼虫も含め、イラガ科の幼虫は全て、毒棘で刺されると、激しく痛みます。 でも、毒棘に自信があるのか、逃げようとしたり速く動くことはほとんど無いので、撮影は楽です。
 ところで、下の写真、どちらが頭でしょう。

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 イラガの仲間の幼虫は、棘に毒を持ち、警戒色で捕食者が近寄らないようにしているのですが、さらに頭を狙われないように、どちらが頭か分かりにくくしています。 そのうえ、危険を感じると、頭とは反対側を動かし、あたかもそちらが頭であるかのような行動を取ったりもします。
 上の写真は、左に頭部があります。 下はその部分の拡大ですが、イラガの幼虫は頭部を隠し、なかなか見せてはくれません。

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 でも、どうにかして頭部を撮りたいと思い、つついたりしていると、頭を出して歩きはじめてくれました(下の写真)。

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 下は、頭部がよく分かるように、斜め下前から撮ったものです。

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Kurositaaoiraga111029_2    頭部の拡大

Kurositaaoiraga111029_5    もっと下からの撮影

※ 成虫はこちらに載せています。

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2011年11月13日 (日)

カニクサ

 カニクサは本州中部以南に分布するツル性のシダ植物です。 名前の由来は、子供が蟹を釣るのに使ったとか。 このツルは丈夫で、駕篭を編む時の結び目などに使われます。
 ところで、下の写真には何枚の葉が写っているでしょうか。

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 じつは上の写真全体が、1枚の葉の一部です。 カニクサの茎は地下茎で、そこから出た葉がどんどん伸びたものです。 株が充実してくると、1枚の葉の長さは2mを超えます。
 以前記事にしたウラジロコシダは、1枚の葉が年ごとに伸びていきました。 カニクサの葉も原理的にはこれらと同じく、葉の先端が無限成長していくのですが、カニクサの場合は1年のうちにどんどん伸びます。
 ところで、前にクマワラビでは葉に胞子をつける部分とつけない部分があることを書きました。 カニクサも同じで、最初の写真の上の部分では胞子をつけていて、下の部分では胞子をつけていないのですが、1枚の葉が長いため、まるで胞子葉と栄養葉の2種類の葉があるように見えます。
 このことをもう少していねいに見ていくことにします。

Kanikusa111029_2

 上は胞子がついていない部分です。 説明のために、軸に沿って、線を引いておきました。 水色の部分は葉の主軸です。 この主軸にたくさんの羽片がつきます。 黄色が羽片の軸です。 各羽片は1対の小羽片をだします。 小羽片に分かれた中央には小さな芽がありますが、通常はこの芽は伸びることはなく、ここで羽片の生長は止まります。 つまり羽片は1対の小羽片のみからなるのですが、この小羽片は、さらにいくつかの裂片に分かれます。 小羽片の軸を赤い線で示しておきました。

 下は胞子のうをつけている部分です。 通常は上方の羽片に胞子のうがつきます。

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 下は胞子のうをつけている部分の拡大です。 胞子のう群は包膜に覆われています。 包膜の辺縁には不規則な凹凸があります。

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2011年11月12日 (土)

シロヨメナ

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 岩手県以南~九州の山地の林縁や林に生え、花期は8~11月です。 枝先に複数の頭花がまとまる傾向があります。 また、舌状花どうしの間隔は、隙間が広かったり無かったりと不揃いです。

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 白いヨメナという名ですが、むしろノコンギクに近く、冠毛の様子や葉のざらつき具合もよく似ています。

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2011年11月11日 (金)

アブラチャンの果実

 私たちが日常生活で「果実」というと、おいしい果汁たっぷりのいわゆる「くだもの」のことですが、生物学的にはこのような果実は「液果」とよばれ、果実のほんの一部です。
 生物学的な「果実」とは、花の子房が発達・変化したもので、種子が完成するまで子房壁は内部を保護し、種子ができあがると、子房壁は果皮となりますが、この果皮の機能は、果汁を蓄えて鳥に食べてもらおうとしたり、たくさんの種子を入れておく袋として機能したり、トゲを生やしてひっつき虫となるなど、植物の種類によって様々です。

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 アブラチャンの果実は種子が完成しても緑のままで、果皮は上や下の写真のように破れ、種子を地面に落とします。 種子は大きく、地面に落ちた種子は、たぶん野ネズミなどの貯蔵用の餌として運ばれ、食べ残された種子が運ばれた先で芽を出して分布を広げる、という戦略なのでしよう。
 アブラチャンはクスノキ科の落葉低木です。 クロモジダンコウバイなどはアブラチャンと同じ属( Lindera属 )なのですが、これらの果実が液果であるのに対し、アブラチャンの果皮は大きな種子の保護に徹しているようです。

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【アブラチャンに関するメモ】
 アブラチャンを漢字で書くと、「油瀝青」です。 「瀝青」はタールやピッチなどのことです。 アブラチャンは油分が多い木で、昔は樹皮や種子を絞り、灯油として利用していたようです。 また、油分が多いために生木でも燃えやすく、薪材として好まれました。

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2011年11月10日 (木)

ヨモギハシロケタマフシ

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 ヨモギの葉に、白く丸い虫こぶ(虫えい)ができていました。 この虫こぶはヨモギハシロケタマフシと呼ばれています。 漢字で書くと「蓬葉白毛玉附子」でしょう。

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 これまでこのブログでも何種類かの虫こぶを取り上げてきました。 虫こぶは、虫が植物に物質による刺激を与えることで、植物の組織を異常生長させて作った、幼虫の“食事つき住居”です。
 虫こぶを作らせる虫たちは様々です。 このブログでこれまでに取り上げたものでも、エノキの葉にエノキトガリタマフシを作らせたのはハエ(エノキトガリタマバエ)でしたし、クヌギの葉のクヌギハケツボタマフシはハチ(クヌギハケツボタマバチ)によるものでした。 また、イスノキの葉のイスノキハタマフシはアブラムシの1種によるものでした。
 虫こぶは、この他にもダニ類などによっても作られますし、線虫類や菌類、細菌によっても作られます。 こうなると「虫こぶ」と呼ぶのは不適当な場合もあり、まとめて「ゴール」と呼ばれたりします。

 ヨモギは、比較的虫こぶができやすい植物のようで、何種類もの虫こぶを発見することができます。 このヨモギハシロケタマフシは、ヨモギシロケフシタマバエによって作られます。 中を割ってみると、このタマバエの幼虫がいました(下の写真)。

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 虫こぶを作るタマバエの仲間には、成虫の口器が退化しているものが多く、成虫になってからの寿命は短いようです。

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2011年11月 9日 (水)

クマワラビ

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 シダは胞子で増えますが、その胞子(を入れた胞子のう)をどこにどういうふうにつけるかは、いろいろですが、大別すると、光合成をする葉(=栄養葉)と胞子をつける葉(=胞子葉)が別の葉である種類と、両者を兼ねている、つまりみんな同様の葉である種類とに分けられます。
 クマワラビは1枚の葉で光合成もしますし、胞子もつけるのですが、胞子をつける場所は、葉身の先の1/3ほどの場所に限られます。 そして、クマワラビ自体は常緑なのですが、胞子をつけている部分だけは、胞子を飛散させた後は、もう役割を終えたとばかりに枯れてしまいます。 そして今がちょうど、その枯れてしまう時期です。
 上の写真は、クマワラビの胞子をつけている部分が黄色くなり、枯れていく様子を、葉の表から見たものです。 そして下は、胞子をつける部分とつけない部分の境を写したものです。

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 下は胞子のう群を拡大したものです。 胞子のう群は最初は円形の包膜で覆われて保護されているのですが、この時期では包膜は縮れて胞子のう群の中央にわずかに残っているだけです。

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 ところで、クマワラビによく似たシダにオクマワラビがあります。 オクマワラビの場合も胞子をつける場所が限られていて、葉身の中央付近から先にかけてです。 両者のこの胞子のつき方の違いについては、「くまさん(1/3)、おくまはん(半分)」という、よく知られている覚え方があります。

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2011年11月 8日 (火)

ハチノスタケ

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 ハチノスタケは広葉樹の枯木に発生するキノコです。 傘は半円形~腎臓形で、傘の中央ではなく横にずれた位置に、短い柄をつけます。 傘の表面は淡~濃黄茶色で、偏平な細かい鱗片を帯びています。
 キノコは胞子を飛ばすために、つまり生殖のために作られたもので、菌類の体の本体は菌糸です。 ハチノスタケの菌糸は枯れ枝の中にあり、枯れ枝の成分をエネルギー源として生きています。 ハチノスタケが利用した後の材は白くなります(白色腐朽)。

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 ハチノスタケの傘の裏側をのぞいて見ると、ひだにはなっていません。 ハチノスタケの名前は、この傘の裏の様子を蜂の巣に見立てたところからです。 傘の裏側のこのような網目状や孔の様子を「管孔」と呼んでいます。 拡大してみると、ハチノスタケの管孔の縁(孔口壁)はギザギザしています。

 ハチノスタケは分類的にはサルノコシカケの仲間で、触ってみると弾力はあるのですが、肉質は強靭で、食用には適していません。 しかし、これをかじった虫がいたようで、下のようなハチノスタケがありました。 管孔の様子や、肉がクリーム色であることなどがよく分かります。

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2011年11月 7日 (月)

フクロツチガキ

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 多くのキノコは担子菌類に分類されます。 そのうちの真正担子菌類は、傘の裏に胞子をつける、いわゆる“普通の”キノコである帽菌類と、内部に胞子を作る腹菌類(こちらを参照してください)に分けられます。
 フクロツチガキなどのヒメツチグリの仲間( Geastrum属 )は、腹菌類のうちのホコリタケ目ヒメツチグリ科に分類されています。
 ヒメツチグリの仲間( Geastrum属 )は、たくさんの胞子を内皮で包み、その外側を厚い外皮が覆っています。 外皮はおもに2層の構造となっていて、水分を吸収すると内側の層が膨張し、外皮は破れて開きます。
 写真は外皮が破れて開き、その上に、たくさんの胞子を入れた球形の内皮が乗ったようになっている状態です。 内皮の頂には孔があり、この状態で雨粒などが内皮に当たると、内皮が押され、孔から胞子が噴出します。 もちろん内皮を指で押しても胞子が噴出します。 このあたりのしくみは、ツチグリ科のツチグリと基本的には同じです。
 ヒメツチグリの仲間には似たものが何種類かあり、写真のものは、奈良の春日山で撮ったのですが、少し古く、たぶんフクロツチガキだと思うのですが、よく分かりません。

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2011年11月 6日 (日)

オオモンシロナガカメムシ

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 奈良の春日山原始林にいたオオモンシロナガカメムシです。 ナガカメムシ科に分類されていて、おもに照葉樹林の林床で生活し、地表の地下茎や落下した果実の汁を吸っているようです。
 黒と白を主体とした体の模様は、似たものが、コブヒゲカスミカメケブカキベリナガカスミカメなど、カスミカメの仲間に何種類かいますが、大きさも違いますし、胸部の形態が異なります。

こちらにはオオモンシロナガカメムシの幼虫などを載せています。

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2011年11月 5日 (土)

シマカンギク

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 秋も深まり、野の花も少なくなる中で、黄色や白の菊の仲間が目立つようになってきました。 シマカンギクもそのうちの1種で、和名の「シマ」の意味は不明ですが、「カンギク」の名前のとおり、12月まで咲き続けます。
 シマカンギクにはアブラギクという別名があり、花を油につけて、火傷や切り傷の薬に使ったようです。 また、栽培されている小菊の中には、このシマカンギクから出たものもあるようです。
 と、書いてきましたが、じつはシマカンギクにたいへんよく似たキクタニギクがあります。 シマカンギクはキクタニギクに比較すると、葉は
  葉質がやや厚い
  切れ込みが浅い
  裂片の先があまり尖らない  という違いはあるのですが、いずれも相対的なものです。
 花もキクタニギクの花の径が1.5cmほどであるのに対し、シマカンギクの花は2~2.5cmとやや大きく、総苞外片はシマカンギクの方が幅広いのですが、これも両者を並べてみないことには、はっきりとは分かりません。
 保育社の『検索入門野草図鑑』には、関西以西の山野に自生する黄色のキクはほとんどがシマカンギクであり、中部地方以北で黄花をつける野生ギクは、まずキクタニギクであろうという旨のことが書かれています。 大阪付近では・・・
 さらに、外国産のキクタニギクが道路工事に伴って入ってきているようで、ますますややこしくなってきています。
 この記事の写真、たぶんシマカンギクと思うのですが、葉の切れ込みが少し深いようで・・・。

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2011年11月 4日 (金)

スカシヒロバカゲロウ

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 写真はアミメカゲロウ目ヒロバカゲロウ科のスカシヒロバカゲロウだと思います。 奈良の春日山に入る渓流沿いの道にいました。
 全身薄い毛に覆われていて(写真をクリックして拡大してみてください)、頭部はオレンジ色、翅には薄い帯状紋があります。 この帯状紋の色の濃さには、かなり個体差があるようです。

 アミメカゲロウ目(脈翅目)に分類されている昆虫で、今までにこのブログで取り上げたものには、キカマキリモドキラクダムシクサカゲロウウスバカゲロウなどがあります。 スカシヒロバカゲロウも“ほんとうの”カゲロウ(=カゲロウ目の昆虫)ではありません。

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2011年11月 3日 (木)

ウドカズラ

 写真は奈良公園にあったウドカズラです。

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 ウドカズラはブドウ科の落葉性ツル植物で、本州の紀伊半島以西と四国・九州に分布します。 葉は羽状複葉で、2~4対の側小葉を付け、そのうちの最下の羽片は3出です。 この様子を撮ろうとしたのですが、遠いうえに葉を横から撮ることになり、そのうえフジのツルも混じって、どうしてもうまく撮ることができませんでした。 下の写真も、右下と左上の葉はフジの葉です。

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 花は6~7月頃に咲き、果実は赤から黒に変化します。 保育社の『原色日本植物図鑑(木本編Ⅰ)』では、果実は赤く熟すとなっています。 たぶん黒く熟す前の標本に基づいて書かれているのでしょう。 高い所で実をつけるとはいえ、それほど標本も少ない珍しい植物だとも言えます。

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2011年11月 2日 (水)

ナギ

 ここで書くナギはマキ科の常緑高木です。 畑健二郎の漫画の三千院ナギのことではありません(googleの画像検索では三千院ナギばかり・・・)。
 奈良公園の春日大社周辺にはナギが多く、一部では純林を形成し、この純林は大正12年に国の天然記念物に指定されました。 しかしこのナギは自生ではなく、持ち込まれたもののようです。 日本の自生地は四国・九州と山口県で、紀伊半島や伊豆半島にも生育しているのですが、これも古い時代に持ち込まれたのではないかと言われています。
 春日大社でナギが純林を作った理由としては、ナギの林の中はたいへん暗くなり、いちど林になってしまうと、他の樹木が育ちにくいこと、ナギは他の植物の成長を抑制する化学物質を出す(アレロパシー)こと、鹿がナギを食べないこと、ナギの林がたいへん暗くなることと関係するのですが、ナギを神様の憑代(よりしろ)として大切に扱ってきたことなどが複合的に作用したものと考えられます。 春日大社では古くから、他の神社ではサカキを用いるところを、ナギを神事に用いてきました。

 最初に、ナギはマキ科に分類されていることを書きました。 つまり裸子植物です。 しかし、葉を見ても裸子植物らしくはありません(下の写真)。

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 でも、葉をよく見ると、やはり被子植物の葉とは違い、中央脈はなく、多数の平行脈があります。 この葉の繊維はたいへん強く、ひっぱってもなかなか切れません。 昔の人は嫁入り道具の鏡の裏にナギの葉を彫刻したり、鏡の底にナギの葉を入れ、夫婦の縁が切れないように願ったそうです。
 ナギは雌雄異株です。 小さな花は5月頃に開花し、10月頃には青白色の毬果が見られます(下の写真)。 裸子植物ですので、子房が変化してできる果実ではありません。

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2011年11月 1日 (火)

ビロードシダ

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 奈良公園にあったビロードシダです。石灰岩地帯などに多いシダですが、奈良公園ではクスノキの幹に生えていました。 常緑で根の浅い乾燥に弱いシダですから、きっとこの場所は常緑樹が多く1年中空中湿度が保たれているのでしょう。

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 ビロードシダの姿は、ノキシノブの仲間に似てはいますが、その名のとおり、葉の裏(1枚目の写真)も表(上の写真)も毛が多く、ビロード状です。
 上の写真はマメヅタ(これもシダです)に混じって生えているので少し分かりにくいですが、丸いのがマメヅタの栄養葉、細長く斜め上に伸び、葉の裏に胞子のうをつけているのがマメヅタの胞子葉、長く垂れ下がっているのがビロードシダです。 ビロードシダは円い胞子のう群が葉の裏に2列に付くのですが、時期が悪いのか、生長が不十分なのか、胞子のう群は見られませんでした。
 上の写真を見るとクスノキの幹にくっついて、ビロードシダの茎が長く横走しています。 マメヅタの横走する茎も写っていますが、太く赤褐色の鱗片が密についているのがビロードシダの茎です。
 下はビロードシダの葉を横から拡大して撮ったものですが、毛は星状毛であることが分かります。

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