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2011年10月15日 (土)

マツブサの実

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 マツブサという木性の落葉ツル植物があります。 名前は茎を傷つけると脂の匂いがして、実がブドウののように垂れ下がることからです。 葉には3~4対のごく低い凸頭状の歯芽があります(下の写真の赤い円内)。

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 マツブサは雌雄異株ですが、雌株にはこの時期、たくさんの実がなっています。

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 房は地上にもたくさん落ちていて、熟した実は、落ちた時の衝撃でか、つぶれた果実もたくさんありました。 汁をさわると指先が赤紫に染まります。

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 ところで、この1つの房を作るのに関与している雌花はいくつでしょうか。

 例えば、1房のブドウに20個の丸い実がついていたとすれば、この1房のブドウを作るのに関与した花の数は20以上(以上としたのは全ての花が実になるとは限らないから)です。 つまり、1つの花序にたくさんの花がつき、それぞれの花が1粒の実になっていきます。 ところが、マツブサの1つの房は1つの雌花からできたものです!
 マツブサの雌花を見ると、花の中央にはたくさんのメシベがあります。 たくさんのメシベが集まっている花は、モクレン科やキンポウゲ科などでたくさん見られ、このブログでもたくさん紹介していますが、ここではメシベに色がついていて分かりやすいケスハマソウにリンクさせておきます。 これらの1つの花からは、果実が集まった「集合果」がつくられます。
 マツブサの特徴的なのは受粉の後の変化で、たくさんのメシベをつけていた「花床」と呼ばれる部分が長~く伸び、果実になろうとしているそれぞれのメシベを引き離していき、房のようにしていくというわけです。
 1つの房をよく見ると、ちゃんと花被のついていた跡を見ることもできます。 下は上の写真の一部ですが、果実の落ちた跡は円形ですが、花被のついていた跡は細長く、明らかに異なります。

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 ちなみに、サネカズラもマツブサ科のツル植物です。 マツブサでは果時に花床が長く伸び、サネカズラでは果時に花床が球状に膨らむということになります。

 マツブサの熟した実を食べてみると、ほんのりした甘さと適度な酸味があります。 果実にも松脂のような匂いがあると言われていますが、これくらいに完熟していると気になりません。 この実は果実酒にも利用され、長野県の箕輪では、品種登録したマツブサを栽培してワインの原料としているそうです。

 下は粘液を取り去った種子です。

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コメント

雌雄異株について、
雌株には雌花が咲いて実が生るんですよね
勝手に実が生るんですか?
雄株には雄花が咲いて・・・
この先が解りません。

一つ気がついたこと
葡萄が大好きでよく、食してますが
お花を見たことがありませんでした。

そして、こんなに実が生るマツブサの花が房に一つのお花なんですか?不思議です。

投稿: わんちゃん | 2011年10月15日 (土) 22時45分

> 雌株には雌花が咲いて実が生るんですよね
> 勝手に実が生るんですか?

雄花の花粉で受粉して実がなります。

> 雄株には雄花が咲いて・・・
> この先が解りません。

花粉を虫に運んでもらったり、風に乗せて飛ばしたりして終わりです。

> 葡萄が大好きでよく、食してますが
> お花を見たことがありませんでした。

ナンテンの花と実の関係でも同じです。

> こんなに実が生るマツブサの花が房に一つのお花なんですか?不思議です。

花の終わりかけの時期に雌花を見なくてはなりませんね。


投稿: そよかぜ | 2011年10月15日 (土) 23時16分

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