イラクサ
奈良公園にある植物は、鹿の嫌いなものか、食べられないように保護されている植物ばかりと言っても過言ではないほど。 トゲで身を守っているイラクサも、鹿の好まない植物です。
イラクサは多年草で、葉は対生です。 前にムカゴイラクサを記事にしましたが、属の違うムカゴイラクサの葉は互生です。
花は6月から9月にかけて、葉腋から出る長い穂に咲きます。 風媒花で、小さい花です。 上方の穂には雌花を、下方の穂には雄花をつける傾向があるのですが、10月中旬では花はほとんど終わっていて、雄花がちらほら咲いているだけでした(下の写真)。
雄花はガク片4、オシベ4本からなります。 オシベは最初内側に曲がっていて、はじくように開いて花粉を飛ばします。 上の写真では4本のオシベのうちの2本が開いています。
雌花は4枚のガク片とメシベからなります。 ガク片の2枚は花後も残り、果実を包みます。 上の写真の扁平なものがその状態ではないかと思いますが、自信はありません。
茎にも葉柄にも葉身にも鋭いトゲがあるのはムカゴイラクサなどと同じですが、おもしろいデータがあります。 奈良公園のイラクサは、他の地域のイラクサよりもトゲが多いらしいのです。 トゲの少ない個体は鹿に食べられ、トゲの多い個体の子孫が残っていった結果だと考えられています。
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コメント
雌花と雄花ですか?
ウカツでした、鋭い棘にばっかり目が行ってしまってて、奈良公園で9月に撮ってるのですが
棘ばっかりクッキリと撮ってます
お花の方は小さなのがボ~ッと写ってるだけでした。
反省です。
投稿: わんちゃん | 2011年10月30日 (日) 22時17分
花の観察は大切。でも、鋭いトゲが目につくと、なかなか顔を近づけて小さい花を見ようという気にはならないですね。
投稿: そよかぜ | 2011年10月31日 (月) 21時17分