ミミズクの幼虫とコミミズクの幼虫
昆虫にカメムシ目または半翅目と呼ばれているグループがあります。 この仲間は口が針状になっているのが特徴なのですが、大きさも姿も生活のしかたも、たいへん多様性に富んでいて、カメムシはもちろん、セミもアメンボもヨコバイもウンカもハゴロモもアブラムシも、全部カメムシ目です。 そのなかで、ヨコバイに近い仲間にミミズクの仲間(ヨコバイ科ミミズク亜科)がいます。
フクロウの仲間で耳が飛び出たミミズクという鳥がいますが、昆虫のミミズクの成虫は前胸部に突起があって、これを鳥のミミズクの耳に見立てて名付けられています。 ところが、ミミズクの幼虫は、成虫とは全く違った形態で、扁平で迷彩色を施しています(下の写真)。
眼も(つまり頭も)はっきりせず、なかなか動きませんから、ここに虫がいるとは、なかなか分からないでしょう。
ミミズクは成虫の出現期が7~9月ですので、幼虫はその前後、つまり秋~冬~初夏に見ることができます。 写真は家の近くの公園のヒラドツツジの葉にいた幼虫です。 どちらが頭か確認する意味で、指でつついて少し歩いてもらいました。
コミミズクつまり小さなミミズクも、鳥にも虫にもいます。 昆虫のコミミズクには“耳”はありません。 ミミズクに近い仲間で少し小さいところからの名前です。
コミミズクの成虫は春に見られ、越冬は幼虫で行いますので、この時期にも幼虫の姿を見ることができます。
ミミズクの幼虫が扁平で面に張り付くのに対し、下の写真のコミミズクの幼虫は、見つけた時は完全に枝と同化していました。 これでも確認のために指でつついたために、少し体を持ち上げているのです。 左が頭ですが、複眼が分かるでしょうか(写真はクリックで拡大します)。
ミミズクの幼虫もコミミズクの幼虫も、みごとな隠蔽擬態です。
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コメント
>左が頭ですが、複眼が分かるでしょうか?
????
投稿: わんちゃん | 2011年10月22日 (土) 00時15分
>左が頭ですが、複眼が分かるでしょうか?
もういっぺん、よく見てみました
ポコンと飛び出たモン?かな?
投稿: わんちゃん | 2011年10月22日 (土) 00時18分
そうです
投稿: そよかぜ | 2011年10月22日 (土) 15時38分