ホソヘリカメムシ
堺自然ふれあいの森でホソヘリカメムシの幼虫を見つけました。 たぶん4齢幼虫でしょう。
これはアリに擬態しているのだと思われます。 今まで何度か書きましたが、アリは蟻酸という化学物質を武器にも自己防衛にも使っていて、アリを好む捕食者は、極めて限られています。
カメムシとアリという全く体つきの異なるものが似ようとしても限度があります。 ホソヘリカメムシの幼虫の頭の付け根や腹部の付け根の白い色は、色彩効果でアリのその部分のくびれに似るようにしているのかもしれません。
ちなみに、ブログなどで調べてみると、ホソヘリカメムシの1齢幼虫や2齢幼虫は、もっとアリにそっくりなようです。 私はまだ出会ったことが無いと思っているのですが、アリだと思って見過ごしてしまっている可能性も大です。
そして下が5齢幼虫だと思われます。 それまで黒っぼい色だった体の色も、成虫に近い茶褐色に変わり、白い模様も消えています。 こうなると、身を守るのはカメムシ特有の悪臭が中心になるのでしょう。 大きくなれば、それだけ悪臭物質も多くなるのでしょうね。
下はホソヘリカメムシの成虫で、7月上旬に撮ったものですが、成虫はほとんど1年中見ることができます。 幼虫も夏の初めにも観察されていますから、年に何回か発生を繰り返しているのでしょう。
左の「マイフォト」には11月下旬にサンシュユにいた成虫を載せています。 このまま成虫越冬に入るのでしょう。
成虫の特徴は、細長い体型と、発達した後脚です。 後脚にはトゲも見られます。 この成虫が飛ぶと、体の角度やその飛び方などがアシナガバチに似ているといわれています。 幼虫はアリに擬態し、成虫はハチに擬態するとは、なかなかのものです。
ホソヘリカメムシは、そのにおいや、エンドウ、インゲン、ダイズなどのマメ科作物を食害する害虫として嫌われていますが、このような生活の様子を見ると、なかなかおもしろい昆虫です。
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