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2011年10月27日 (木)

オオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)

 奈良公園には鹿の糞が多く、それを餌にする糞虫もいろんな種類がたくさんいます。 なかでも大きく美しく個体数も多くて人気のあるのがオオセンチコガネです。 オオセンチコガネは日本全国に分布していますが、その色は地域によって変異があり、奈良公園のものはルリセンチコガネと呼ばれています。

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 北杜夫氏が10月24日に亡くなられました。 芥川賞も受賞し、純文学からユーモアあふれるエッセーや紀行文など幅広く活躍された方でしたが、昆虫好きでも知られています。 氏の『どくとるマンボウ昆虫記』に「神聖な糞虫」という章があります。 ここで主に書かれている内容は、古代エジプトで「神聖な甲虫」とされ、ファーブルの『昆虫記』でよく知られているスカラベについてですが、オオセンチコガネについても書かれています。 現代の知識からすると少し違った所もあるのですが、ここでは北杜夫氏を偲び、そのまま引用したいと思います。

 糞中の仲間での伊達者センチコガネを忘れてはならないだろう。 都会にもいるセンチコガネは一応紫銅色の光沢をもっているが、とりたてて言うほどのことはない。 しかし山地の放牧場などに多いオオセンチコガネは強い金属光沢をもっている。 さらに奈良の春日山にはその異亜種であるルリセンチコガネというのがいて、藍色、ルリ色、金いろ等に輝いている。 京都の牛尾山には黄金いろに光る奴がいる。 こういったふうに、同一種でもそれぞれに個体変化があり、これをずらりと標本箱に並べて悦に入っている人たちを、それほど奇妙な人種と考えるのはあやまりだ。

(以下、宝石との比較が書かれているのですが、略します。)
 この『どくとるマンボウ昆虫記』は私に昆虫に対する関心を引き起こしてくれた1冊でした。 北杜夫氏のご冥福をお祈りいたします。

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 オオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)の越冬形態は幼虫とされ、成虫は春~夏~秋に見ることができるのですが、個体数は春と秋に多くなるようです。 10月中旬に奈良公園を歩いた時には、糞をひっくり返したりしなくても、飛火野では地上を歩いているもの2頭と飛んでいるもの1頭、若草山では歩いているもの1頭を目撃しました。 糞はたくさんあるのですが、低空飛行や歩き回るなどで、積極的に新しい糞を探しているようです。

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 オオセンチコガネとよく似たものに、上記のセンチコガネがいるのですが、違いについてはセンチコガネのところで書くことにします。

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コメント

オオセンチコガネとセンチコガネがあって
奈良公園のオオセンチコガネは特にルリセンチコガネと呼ばれている・・・で、良いですか?

>糞はたくさんあるのですが、低空飛行や歩き回るなどで、積極的に新しい糞を探しているようです。

やはり食べるモンは新鮮なモノの方が・・・ですね

糞まみれを想像してましたが、
色も身体もキレイです、ビックリ!

投稿: わんちゃん | 2011年10月28日 (金) 10時37分

オオセンチコガネとルリセンチコガネの関係はそれでいいと思います。
ちなみにルリセンチコガネの分布域は紀伊山地、つまり和歌山県、三重県、奈良県とされています。また、琵琶湖東岸から鈴鹿山脈にかけてのオオセンチコガネはミドリセンチコガネと呼ばれています。
糞虫も奥が深くて、様々な糞虫がどのように棲み分けているのか、草食動物の糞と肉食動物の糞で集まる糞虫は異なるのか、つまり糞虫を惹きつける物質に違いがあるのかなど、いろいろ疑問が湧いてきます。

投稿: そよかぜ | 2011年10月28日 (金) 23時10分

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