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2011年10月31日 (月)

リスの“エビフライ”

 奈良公園にいる動物は鹿だけではなく、リスやムササビもいます。(タヌキやイノシシもいます。) リスやムササビは夜行性ですので、夜に探さないとなかなか出会えませんが、いる証拠は、公園にたくさん落ちている、通称エビフライ(下の写真の A : エビ天という人もいます)です。

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 “エビフライ”は、リスやムササビ(空を滑空できるリスの仲間です)が、松の種子(上の写真の C )を食べるために、松ぼっくり(上の写真の B )の鱗片を咬み取ってしまったものです。

 下の写真は上の一部を接写したものですが、松の種子は鱗片の間に入っています(矢印)。 種子には羽根がありますが、リスたちは下の円で囲んだ部分が狙いです。 リスたちは、この部分を食べるために、熱心に“エビフライ”づくりに励みます。

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2011年10月30日 (日)

イラクサ

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 奈良公園にある植物は、鹿の嫌いなものか、食べられないように保護されている植物ばかりと言っても過言ではないほど。 トゲで身を守っているイラクサも、鹿の好まない植物です。
 イラクサは多年草で、葉は対生です。 前にムカゴイラクサを記事にしましたが、属の違うムカゴイラクサの葉は互生です。
 花は6月から9月にかけて、葉腋から出る長い穂に咲きます。 風媒花で、小さい花です。 上方の穂には雌花を、下方の穂には雄花をつける傾向があるのですが、10月中旬では花はほとんど終わっていて、雄花がちらほら咲いているだけでした(下の写真)。

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 雄花はガク片4、オシベ4本からなります。 オシベは最初内側に曲がっていて、はじくように開いて花粉を飛ばします。 上の写真では4本のオシベのうちの2本が開いています。
 雌花は4枚のガク片とメシベからなります。 ガク片の2枚は花後も残り、果実を包みます。 上の写真の扁平なものがその状態ではないかと思いますが、自信はありません。

 茎にも葉柄にも葉身にも鋭いトゲがあるのはムカゴイラクサなどと同じですが、おもしろいデータがあります。 奈良公園のイラクサは、他の地域のイラクサよりもトゲが多いらしいのです。 トゲの少ない個体は鹿に食べられ、トゲの多い個体の子孫が残っていった結果だと考えられています。

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2011年10月28日 (金)

センチコガネ

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 昨日は奈良公園のオオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)について書きましたが、オオセンチコガネとよく似たものに、センチコガネがいます。 大きさはオオセンチコガネの方がほんの少し大きいのですが、個体差があり、小さいオオセンチコガネより大きいセンチコガネの方が大きいので、大きさはあまりあてにはなりません。 光沢も、オオセンチコガネの方があると言われるのですが、表面の細かい傷や個体差などで、そんなに差があるようには思えません。 奈良公園ではルリ色のものはオオセンチコガネだと思っていいのですが、黒っぽいものに出会うと・・・。

 両者を見分けるには、頭部背面を覆った頭楯(とうじゅん : 下の写真)を見るのが良さそうです。 下はオオセンチコガネですが、オオセンチコガネの頭楯は前縁が長く突き出し、三角形状になっています。

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 これに対してセンチコガネ(下の写真)の頭楯の前縁は半円形です。 上と比較してみてください。

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 区別点はもうひとつ、オオセンチコガネでは胸部背面の中央部に細く長い溝があり、センチコガネではこの溝が無いと言われていますが、全ての個体に当てはまるのかどうか、少し疑問が残ります。 この点についての比較は、オオセンチコガネの写真とこの記事の1枚目の写真とを比較してみてください。

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 日本にいる糞虫の仲間は、大別すると、小さいものから順に、マグソコガネの仲間、エンマコガネの仲間、ダイコクコガネの仲間、センチコガネの仲間がいます。 マグソコガネの仲間とエンマコガネの仲間(たぶんコブマルエンマコガネ)の記事へは、こちらから入っていただけます。

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2011年10月27日 (木)

オオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)

 奈良公園には鹿の糞が多く、それを餌にする糞虫もいろんな種類がたくさんいます。 なかでも大きく美しく個体数も多くて人気のあるのがオオセンチコガネです。 オオセンチコガネは日本全国に分布していますが、その色は地域によって変異があり、奈良公園のものはルリセンチコガネと呼ばれています。

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 北杜夫氏が10月24日に亡くなられました。 芥川賞も受賞し、純文学からユーモアあふれるエッセーや紀行文など幅広く活躍された方でしたが、昆虫好きでも知られています。 氏の『どくとるマンボウ昆虫記』に「神聖な糞虫」という章があります。 ここで主に書かれている内容は、古代エジプトで「神聖な甲虫」とされ、ファーブルの『昆虫記』でよく知られているスカラベについてですが、オオセンチコガネについても書かれています。 現代の知識からすると少し違った所もあるのですが、ここでは北杜夫氏を偲び、そのまま引用したいと思います。

 糞中の仲間での伊達者センチコガネを忘れてはならないだろう。 都会にもいるセンチコガネは一応紫銅色の光沢をもっているが、とりたてて言うほどのことはない。 しかし山地の放牧場などに多いオオセンチコガネは強い金属光沢をもっている。 さらに奈良の春日山にはその異亜種であるルリセンチコガネというのがいて、藍色、ルリ色、金いろ等に輝いている。 京都の牛尾山には黄金いろに光る奴がいる。 こういったふうに、同一種でもそれぞれに個体変化があり、これをずらりと標本箱に並べて悦に入っている人たちを、それほど奇妙な人種と考えるのはあやまりだ。

(以下、宝石との比較が書かれているのですが、略します。)
 この『どくとるマンボウ昆虫記』は私に昆虫に対する関心を引き起こしてくれた1冊でした。 北杜夫氏のご冥福をお祈りいたします。

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 オオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)の越冬形態は幼虫とされ、成虫は春~夏~秋に見ることができるのですが、個体数は春と秋に多くなるようです。 10月中旬に奈良公園を歩いた時には、糞をひっくり返したりしなくても、飛火野では地上を歩いているもの2頭と飛んでいるもの1頭、若草山では歩いているもの1頭を目撃しました。 糞はたくさんあるのですが、低空飛行や歩き回るなどで、積極的に新しい糞を探しているようです。

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 オオセンチコガネとよく似たものに、上記のセンチコガネがいるのですが、違いについてはセンチコガネのところで書くことにします。

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2011年10月26日 (水)

ナチシダ

 奈良公園では、鹿の食べない植物が残るため、他の場所ではそんなに多くないのに奈良公園ではよく見ることができるという植物がいくつかあります。 ナチシダもそんな植物で、暖かい地方ではよく見ることのできるシダですが、奈良あたりの気温ではそんなに多くないはずが、よく繁っています。 ちなみに、和名は和歌山県の那智山に由来し、熱帯にまで分布しているシダです。
 ナチシダは大型で常緑ののシダで、1枚の葉を上から見ると全体として5角形という特徴的な形をしていて、他のシダと見間違うことは、ほぼありません(下の写真)。

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 1枚の葉がこのような特徴的な5角形になるしくみをもう少し詳しく見ていくと、次のようになります。
 ナチシダはイノモトソウ科イノモトソウ属のシダです。 胞子のうのつき方を見ても、葉の縁が折れ曲がって胞子のうを保護する様子などは、イノモトソウやオオバノイノモトソウなどとよく似ています(下の写真)。

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 身近なオオバノイノモトソウと羽片の様子を比較しますと、オオバノイノモトソウの1枚の葉は中肋の左右に複数の羽片(側羽片)が並び、いちばん先には頂羽片があります。 ナチシダは3羽片、つまり頂羽片と1対の側羽片からなります。 羽片の分岐点を見ると、たしかに3つに分かれています(下の写真)。

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 3つの羽片がどうして5角形にみえるのか。 じつは左右の側羽片の外側の最下片が長く延びているのです。 下の図で、頂羽片を青色で、側羽片を水色で、側羽片の外側の最下片を黄色で示しておきました。

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2011年10月25日 (火)

奈良公園のニホンジカ(2)

 昨日に引き続き、奈良公園の鹿についてです。 まずは10月中旬に奈良公園を歩き、その時撮った写真のうちから、オスの発情期に見られる行動について載せておきます。

・ 角の突き合い

Sika111018_4    角が切られていても、けっこう激しくやりあっていました。

・ 前足蹴り(泥かき)

Sika111018_5    頭を下げ、前足で泥水や土などを後ろへ蹴る行動です。
   この行動でできた穴は、シカ穴と呼ばれています。

・ 泥浴び(ヌタうち)

Sika111018_6    水たまりなどに座り込み、泥を体にへこすりつけます。
   この行動を行う場所をヌタ場と呼んでいます。

 この他、発情期にはオスは首などを木の幹などにこすりつけて自分のにおいをつけようとしたり、上唇部を引きつらせて歯を見せるフレーメンとよばれる行動を取ったりします。

 交尾は10月上・中旬を中心に行われ、出産は5月中旬~6月上・中旬がピークになります。 出産後は仔ジカを守ろうと、今度はメスジカの気が荒くなります。

Sika111018_9    まだ夏毛の今年生まれた仔ジカ

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2011年10月24日 (月)

奈良公園のニホンジカ(1)

 奈良公園に行って来ました(こちら)。 主目的は虫や花でしたが、奈良公園といえば鹿です。 奈良公園に糞虫が多いのも鹿の糞が多いからですし、公園の植生も大きく鹿の影響を受けています。 これからしばらくは、それらのことを記事にしていく予定ですが、まずは鹿、正式にはニホンジカです。

 奈良公園の鹿の歴史を遡れば、奈良時代、平城京鎮護のために藤原氏の氏神を祀る春日大社に、祭神を鹿島神宮(茨城県)より勧請したところ、神は白鹿の背に乗って来られた(春日大社社伝)ことから、鹿は神鹿(しんろく)として神聖視されたとのことです。 藤原氏が力を失った後も興福寺が神鹿保護に力を注ぎました。 藤原氏と同様、権力を民衆に誇示するための“広告塔”として使われたようです。 しかしこのように長期に渡り保護されたことにより、奈良の鹿は、大型の野生動物でありながら人によく馴れている、世界にも類例のない貴重な存在となりました。

Sika111018_3    浮雲園地にて 後ろは奈良県新公会堂

 とにかく、奈良公園の鹿には容易に近づくことができますから、その生態についてはよく調査されています。 私の知人で当時大阪府の高校の生物の教諭をしていた人は、郊外学習時に生徒1人ひとりに鹿を1頭ずつ担当させ、1日中その1頭の鹿の行動を記録させていました。
 とにかく、奈良公園の鹿の生態については、たいへん詳しく調べられていますが、ここではその簡単な概略を・・・。

 鹿のような草食動物の食事は夜が中心になることが多いようです。 奈良公園の鹿も、それぞれが決まった「夕方の泊り場」を持っていて、日没後にそこで2~3時間休息した後、午前2時頃まで採食し、その後明け方まで「朝の泊り場」で休憩します。 日の出少し前から再び1~2時間採食し、その後は日中休息する「休み場」へ移動します。 私たちが奈良公園で普通に見る鹿は、人に慣れていて「休み場」を人の多い所に設定している鹿です。 人の近くの方が安全ですし、鹿煎餅ももらえます。 人に慣れていない鹿は茂みの中などで休んでいます。 ですから、明らかに下草が鹿に食べられているような林の中には、昼間はほとんど鹿の姿を見ることはありません。 そして夕方近くになると、採食したりしながら「夕方の泊り場」に向かいます。

 体毛は春と秋の2回換毛します。 夏毛は鹿の子模様で、木漏れ日のある林の中で目立ちにくくなっています。 冬毛は無斑で灰褐色です。 この記事の写真を撮った10月中旬では、ほとんどの鹿が冬毛になっていました。

 角はオスだけに見られ、毎年生え変わります。 4月頃から袋角と呼ばれる柔らかい角が成長し始めます。

Sika111018_8    まだ袋角の鹿も、ほんのわずかですが、いました。

 8月中旬頃、袋角の先端から表皮が取れはじめ、鋭い角は完成へと向かい、早春の頃に根元から落角します。 角は年齢と共に変化し、満1才では一本角ですが、満2才で一叉角または二叉角、満3才で二叉角または三叉角となり、満4才以上で三叉の大きな角となります。

Sika111018_7    昨年生まれた鹿

 角が完成すると発情期となります。 発情期にはメスを巡って攻撃的になります。 この立派な角を持ち攻撃的になった鹿は危険だということで、奈良公園では「鹿の角きり」が行われています。

 明日は発情期に見られる行動などを載せる予定です。

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2011年10月23日 (日)

アシダカグモは皿の砂糖水を飲みに来る

 昨日はアシダカグモが死んだゴキブリ(=動かない餌)を食べることを記事にしましたが、今日も み。さんからお知らせいただいた内容です。 結論をタイトルにしてしまいましたが、アシダカグモはかなりの周囲を認識する能力があるようです。 動かない餌どころか、においもしない砂糖水を認識し、自ら飲みに来るというのですから。

 もう少し詳しく内容を紹介します。 昨日紹介した死んだゴキブリを食べたアシダカグモが弱っているのではないかと心配な状況だということは昨日書きました。 ゴキブリをたくさん食べ残していたのも、消化液も十分作れないほど弱っていたのかもしれません。 糖分は多くの生物にとってエネルギー源になります。 み。さんは以前、アシダカグモの飼育で、弱ったクモに砂糖水をスポイトで与えたら元気になったとの内容をネットで見られ、スポイトが無かったので、試しに小皿に砂糖水を入れ、当のアシダカグモの横に1m、下に60cmほどの床の上に置いておいたそうです。 午前中にゴキブリを食べた日の夕刻のことでした。
 2時間ほどしてアシダカグモを見ると、脚を咥え、身づくろいをしていました(下の写真)。 これは食後の行動だということです。 ちなみに、アシダカグモは餌を捕えることに失敗した場合も、この行動を取るとのことです。
 よく見ると、壁に水滴の跡(写真の赤い矢印)もあります。

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 そしてその1時間後、このアシダカグモは、見ている前で皿に歩み寄り、皿に浸かって砂糖水を飲みだしたとのことです(下の写真)。

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 約40分後、満足したのか再び壁に戻り、身づくろいで体についた砂糖水を舐め、さらにその約15分後、3度目の砂糖水飲みを始めたそうです。

 この砂糖水飲み行動はこの個体に特異な行動なのでしょうか。 じつはこの3日前に突然、今まで見かけなかったオスが出現しています。 全身埃まみれで、腹部は小さくなっています。 上記の砂糖水飲み行動を観察した2日後にこのクモを見かけたので、このクモにも40cmほど離して新しく作った砂糖水を置いたところ、飲みに来たとのことです(下の写真)。 写真を見ると、体を砂糖水に浸けるところまではいっていませんが、たしかに飲んでいるようです。 体が埃まみれで腹部が小さく、模様を比較しても上の写真の個体とは別個体であることが分かります。

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 また、今年産まれた子グモでも試してみたところ、やはり砂糖水を飲みに皿に上がってきたということです(下の写真:同じ皿なのにクモが小さいために皿がやけに大きく見えます)。 なお、この砂糖水飲み行動は、3例とも、時間帯は暗くなってから2、3時間での行動だったとのことです。

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 においもしないショ糖溶液(=砂糖水)を飲みに来るのなら、果物に含まれる果糖などに寄って来ても不思議はありません。 詳しくはこちらで。

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2011年10月22日 (土)

アシダカグモは死んだゴキブリも食べる

 前にアシダカグモがゴキブリを食べる様子を、み。さんからいただいた内容を元に記事にしましたが、み。さんから、アシダカグモがゴキブリを食べることについて新しい知見をいただきましたので、お知らせします。
 既に何度か記事にしましたが、み。さんの所には何頭かのアシダカグモが屋内で暮らしています。
 アシダカグモにも、人が近づくと逃げるものから平気なものまで、“個性”があるようです。 今回の“主人公”は1頭のオスですが、おとなしいクモで、積極的に食事をしたのは脱皮前の一時期だけで、春先は目に付く場所でほとんど動かず、目の前にゴキブリを放してやると食べるようなクモだったそうです。 最近はほとんど動かず同じ場所にいて、弱っているのではないかと心配な状況だったようです。
 気温が下がってきたせいか、最近はあまりゴキブリを見かけることが少なくなりました。 昨年はオスの成体2頭が冬を越せなかったこともあり、たたいて死にかけのゴキブリ(触角だけが動いていた)をこのアシダカグモの近くに置いたところ、食べようとはしませんでした。 ゴキブリはその日の午後には触角も動かなくなりました。
 ところが、そのまま放置していたところ、2日後、このアシダカグモが、この死んだゴキブリを食べていたということです。

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 私は、クモは動くものに対してしか餌として捕えようとする行動を起こさないものだと思っていたのですが、そうではなさそうです。
 み。さんによれば、アシダカグモは無用な狩りはしないということです。 「食べている途中で他のゴキブリを見るとそちらも捕える」と言われており、そのような映像もYouTubeにもあるのですが、み。さんによれば、それは産卵や脱皮の準備期にある個体特有の行動ではないかということです。
 また、アシダカグモがクロゴキブリの成虫を完食する率は低いとのことです。 食べ終わると、残りは捨てるようです。 今回の食餌でも、予め紙を敷いておいたところ、下の写真のような状況になりました。

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 もうひとつ注目したいのは、残骸の形態です。 一般には、クモは捕まえた獲物の体内に消化液を注入し、獲物の組織を液体にして吸うのだと言われています。 しかしこの残骸を見ると、明らかに噛み砕かれているように見えます。 果物を齧っているかもしれない観察例もあります(こちら)。

 今回はアシダカグモが動かないものでも餌として認識することを書きましたが、このことと関係して、次回は「アシダカグモは皿の砂糖水を飲みに来る」の予定です。

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2011年10月21日 (金)

記事改訂のお知らせ

コバノガマズミ」の記事に秋の様子を、
サクラタデ」の記事に雄花のつくりを、
 それぞれ追加しました。

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2011年10月20日 (木)

アレチウリ

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 アレチウリは北米原産の1年生つる植物で、最初に見つかったのは、1952年(昭和27年)に静岡県の清水港でとされています。 輸入した大豆に種子が混入していたようです。 このアレチウリは特定外来生物に指定され、日本生態学会でも「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定していますが、あちこちで増えてきているようです。
 春に芽を出して旺盛な繁殖力を示し、夏から秋にかけて花を咲かせます。 花は雌雄同株ですが雄花と雌花は違う花序につきます。 雄花は長い花序枝をだしてまばらに付き、メシベは無く、オシベは合着して1つにまとまっています(下の写真)。

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 雌花は短い花序枝の先に数個ずつかたまって咲きます。 雌花にはオシベは無く、3つの柱頭からなります。(下の写真)

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 雌花は花が終わればかたまったまま果実となります。 果実には長くて鋭いトゲが密生しています(下の写真)。 1つの果実の中には1つの種子が入っています。

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 最初の写真は10月9日に撮ったもので、雄花も雌花も果実も写っています。 探してみてください。

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2011年10月19日 (水)

ヨツボシモンシデムシ

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 シデムシの仲間(シデムシ科)の昆虫は、その名のとおり、ネズミやカエルや小鳥などの動物の死体を食べる、いわば森の掃除屋さんです。
 シデムシの仲間は、大きくは、ヒラタシデムシ、モンシデムシ、モモブトシデムシ、ツヤシデムシの4グループに整理できますが、ヨツボシモンシデムシはモンシデムシの仲間のうちでは、最も普通に見ることのできる種類で、出現時期は4~10月頃です。
 シデムシの仲間の餌となる死体は、そんなにたくさんあるわけではありません。 そのため、自分の体より大きな“餌”を大切に扱います。 モンシデムシの繁殖も、適した死体を見つけると、土の中に埋め、毛を除去するなど丹念に処理をし、孵化した幼虫には親が口移しで餌を与えます。 卵を産みっぱなしにするものが多い昆虫の世界にあって、シデムシの仲間は、このように親が子を世話しますので、「亜社会性昆虫」と言われています。
 シデムシの体には、よくダニがついています。 このヨツボシモンシデムシには3頭のダニがついていて、2枚の写真のどちらにも、そのうちの2頭が写っています(写真はクリックで拡大します)。 これらのダニは、どうしてもヨツボシモンシデムシの体から離れようとはしませんでした。 ダニとシデムシとの関係は、どういう関係なんでしょうか。

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2011年10月17日 (月)

クロミノニシゴリ

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 京都府・南山城村童仙房の林の中の川沿いにクロミノニシゴリと思われる木がありました。

Kurominonisigori111009_2   葉の先は急鋭尖頭

Kurominonisigori111009_3   葉の裏には毛
  (保育社「原色日本植物図鑑」では、葉の両面ほぼ無毛とありますが・・・)

Kurominonisigori111009_4   きょ歯は細かくて低く、内曲

Kurominonisigori111009_5   果実は表面黒っぽく、果肉は藍色

 ハイノキ科のサワフタギの仲間には、サワフタギ、タンナサワフタギ、クロミノニシゴリ、クロミノサワフタギの4種がありますが、この仲間は互いによく似ていて、同定が難しく、これまでクロミノニシゴリと同定されたもののなかにも、タンナサワフタギがあるようです(永益英敏:植物分類・地理 43(2))。
 ここでは消去法で、果実の色でサワフタギをはずし、葉のきょ歯の様子からタンナサワフタギをはずし、分布地からクロミノサワフタギをはずして、クロミノニシゴリと判断しました。

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2011年10月16日 (日)

ミミズクの幼虫とコミミズクの幼虫

 昆虫にカメムシ目または半翅目と呼ばれているグループがあります。 この仲間は口が針状になっているのが特徴なのですが、大きさも姿も生活のしかたも、たいへん多様性に富んでいて、カメムシはもちろん、セミもアメンボもヨコバイもウンカもハゴロモもアブラムシも、全部カメムシ目です。 そのなかで、ヨコバイに近い仲間にミミズクの仲間(ヨコバイ科ミミズク亜科)がいます。

 フクロウの仲間で耳が飛び出たミミズクという鳥がいますが、昆虫のミミズクの成虫は前胸部に突起があって、これを鳥のミミズクの耳に見立てて名付けられています。 ところが、ミミズクの幼虫は、成虫とは全く違った形態で、扁平で迷彩色を施しています(下の写真)。

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 眼も(つまり頭も)はっきりせず、なかなか動きませんから、ここに虫がいるとは、なかなか分からないでしょう。
 ミミズクは成虫の出現期が7~9月ですので、幼虫はその前後、つまり秋~冬~初夏に見ることができます。 写真は家の近くの公園のヒラドツツジの葉にいた幼虫です。 どちらが頭か確認する意味で、指でつついて少し歩いてもらいました。

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 コミミズクつまり小さなミミズクも、鳥にも虫にもいます。 昆虫のコミミズクには“耳”はありません。 ミミズクに近い仲間で少し小さいところからの名前です。
 コミミズクの成虫は春に見られ、越冬は幼虫で行いますので、この時期にも幼虫の姿を見ることができます。
 ミミズクの幼虫が扁平で面に張り付くのに対し、下の写真のコミミズクの幼虫は、見つけた時は完全に枝と同化していました。 これでも確認のために指でつついたために、少し体を持ち上げているのです。 左が頭ですが、複眼が分かるでしょうか(写真はクリックで拡大します)。

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 ミミズクの幼虫もコミミズクの幼虫も、みごとな隠蔽擬態です。

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2011年10月15日 (土)

マツブサの実

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 マツブサという木性の落葉ツル植物があります。 名前は茎を傷つけると脂の匂いがして、実がブドウののように垂れ下がることからです。 葉には3~4対のごく低い凸頭状の歯芽があります(下の写真の赤い円内)。

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 マツブサは雌雄異株ですが、雌株にはこの時期、たくさんの実がなっています。

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 房は地上にもたくさん落ちていて、熟した実は、落ちた時の衝撃でか、つぶれた果実もたくさんありました。 汁をさわると指先が赤紫に染まります。

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 ところで、この1つの房を作るのに関与している雌花はいくつでしょうか。

 例えば、1房のブドウに20個の丸い実がついていたとすれば、この1房のブドウを作るのに関与した花の数は20以上(以上としたのは全ての花が実になるとは限らないから)です。 つまり、1つの花序にたくさんの花がつき、それぞれの花が1粒の実になっていきます。 ところが、マツブサの1つの房は1つの雌花からできたものです!
 マツブサの雌花を見ると、花の中央にはたくさんのメシベがあります。 たくさんのメシベが集まっている花は、モクレン科やキンポウゲ科などでたくさん見られ、このブログでもたくさん紹介していますが、ここではメシベに色がついていて分かりやすいケスハマソウにリンクさせておきます。 これらの1つの花からは、果実が集まった「集合果」がつくられます。
 マツブサの特徴的なのは受粉の後の変化で、たくさんのメシベをつけていた「花床」と呼ばれる部分が長~く伸び、果実になろうとしているそれぞれのメシベを引き離していき、房のようにしていくというわけです。
 1つの房をよく見ると、ちゃんと花被のついていた跡を見ることもできます。 下は上の写真の一部ですが、果実の落ちた跡は円形ですが、花被のついていた跡は細長く、明らかに異なります。

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 ちなみに、サネカズラもマツブサ科のツル植物です。 マツブサでは果時に花床が長く伸び、サネカズラでは果時に花床が球状に膨らむということになります。

 マツブサの熟した実を食べてみると、ほんのりした甘さと適度な酸味があります。 果実にも松脂のような匂いがあると言われていますが、これくらいに完熟していると気になりません。 この実は果実酒にも利用され、長野県の箕輪では、品種登録したマツブサを栽培してワインの原料としているそうです。

 下は粘液を取り去った種子です。

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2011年10月14日 (金)

マユタテアカネ

 この時期によく見られる赤トンボとして、アキアカネノシメトンボと書いてきましたが、もう1種、マユタテアカネも比較的普通に見られる赤トンボで、樹林が隣接したきれいな止水などでよく見られます。

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 マユタテアカネの名は、前頭部にはっきりとした黒斑があり、これを眉に見立てたものです。 メスは成熟しても、腹部上面がオレンジ色になる程度ですが、オスは成熟すると、写真のように腹部が真っ赤になります。 翅は透明ですが、メスには翅の先端が褐色になるタイプもあります。 オスの腹部の先端が上に反り返っているのも特徴のひとつです(下の写真の水色の矢印)。

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2011年10月13日 (木)

ノシメトンボ

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 ノシメトンボはアキアカネとともに、よく見られる赤トンボです。 和名は成虫の腹部の黒い斑紋を熨斗目(のしめ)模様と見たものです。
 ノシメトンボは、丘陵地や低山地の、水生植物の多い池や水田などで発生します。 赤トンボの仲間では、スマートで、いちばん大きいのですが、その差は並べてみると分かる程度で、野外で単独で見ると、よほど見慣れていないと大きさでの識別は無理でしょう。 成熟しても、それほど赤くはなりません。
 昨日のアキアカネの記事で、赤トンボを見分ける時に胸部の黒帯の形状が参考になると書きました。 ノシメトンボの胸部の模様は、アキアカネに似ているのですが、3本ある黒帯のうちの中央の黒帯は上まで伸びています。 しかしそれよりも、ノシメトンボの翅の先端は有色です。
 翅の先端が有色の赤トンボとしては、マユタテアカネのメス、ノシメトンボ、コノシメトンボリスアカネが考えられますが、胸部(翅胸)の模様からすると、ノシメトンボでしょう。
 ノシメトンボの前頭部には眉斑があります。 写真のトンボの眉斑は、光のぐあいもあってはっきりしないのですが、よく見れば眉斑もありそうです。

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2011年10月12日 (水)

アキアカネ

 赤トンボが飛び交う季節となりました。 写真はその代表的な存在のアキアカネで、10月9日に撮ったものです。

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 アキアカネは5月末から6月に羽化するのですが、飛翔能力の高さと引き換えに体温が上がり、暑さに弱く、気温が30℃を超えると生存が難しくなると言われています。 そのため、夏の間は高山などの涼しい場所に移動して過ごし、平地の田園地帯などで「最も普通の赤トンボ」となるのは涼しくなってから、ということになります。 しかし最近は農業形態の変化の影響でしょうか、あちこちでアキアカネの激減が伝えられたりしています。
 アキアカネの成虫は11月まで見られますが、なかには12月上旬まで生き延びるものもいます。 下は昨年の12月11日に堺自然ふれあいの森で撮ったアキアカネです。 さすがにあちこち傷んではいますが・・・。

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 ところで、アキアカネとよく似たナツアカネは、アキアカネのような移動はしませんから、夏に平地で見る赤トンボで多いのはナツアカネということになるわけです。
 ナツアカネとアキアカネを見分ける際に、最も分かり易いのは胸部の黒帯の形状でしょう。 ナツアカネでは胸部の真中の黒帯の先端が角張って急に途切れたようになっているのに対し、アキアカネではこの部分が次第に細くなり、先端は尖っています(下の写真の水色で示した部分)。

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2011年10月11日 (火)

スカシタゴボウ

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 スカシタゴボウは秋に発芽して冬を越し、春に開花し、種子を散布して枯れるというのが基本的な生活環のようですが、他の時期に発芽して花を咲かせる個体も多いようです。 写真は10月1日に「堺自然ふれあいの森」で撮ったものですが、ちゃんと花を咲かせ、果実を作っています。

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 葉の切れ込みは個体差が大きく、いろいろです。 スカシタゴボウによく似たものにイヌガラシがありますが、イヌガラシの果実はもっと長くなります。
 なお、スカシタゴボウの語源は、調べてみたのですが、よく分かりませんでした。

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2011年10月10日 (月)

二上山

 昨日と今日は「そよ風のなかで」の記事はお休みです。
 かわりに「そよかぜ日記」に二上山と、その地質と人々の生活との関わりについて書いています。

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2011年10月 8日 (土)

ミズ

 「堺自然ふれあいの森」に生えていたミズです。 イラクサ科に分類されている1年草です。

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 ムカゴイラクサの記事で、イラクサやムカゴイラクサはトゲに気をつけなければならないが美味しいと書きました。 このミズも、茹でておひたしや和えものにすると、癖もなく、美味しい山菜ですし、トゲの心配もありません。
 ミズの赤っぽい茎は、やや透明がかり、見るからにしなやかで水分が多い印象で、「ミズ」という名前も、このあたりから来ているのでしょう。 生えている所も、湿った日陰です。

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 花は雌雄同株で葉柄の基部にかたまってつきます。 雄花はガク片2枚とオシベ2本、雌花はガク片3枚とメシベ1本からなります。 下はルーペを持っていない時でよく確認しないままに撮っておいた写真ですが、雄花ばかりのようですね (-_-;

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 ミズによく似た植物にアオミズがありますが、アオミズの茎は緑色か、わずかに褐色を帯びるだけですし、葉もミズより大きく、葉の先端は尖ります。

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2011年10月 7日 (金)

ホソヘリカメムシ

 堺自然ふれあいの森でホソヘリカメムシの幼虫を見つけました。 たぶん4齢幼虫でしょう。

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 これはアリに擬態しているのだと思われます。 今まで何度か書きましたが、アリは蟻酸という化学物質を武器にも自己防衛にも使っていて、アリを好む捕食者は、極めて限られています。
 カメムシとアリという全く体つきの異なるものが似ようとしても限度があります。 ホソヘリカメムシの幼虫の頭の付け根や腹部の付け根の白い色は、色彩効果でアリのその部分のくびれに似るようにしているのかもしれません。
 ちなみに、ブログなどで調べてみると、ホソヘリカメムシの1齢幼虫や2齢幼虫は、もっとアリにそっくりなようです。 私はまだ出会ったことが無いと思っているのですが、アリだと思って見過ごしてしまっている可能性も大です。
 そして下が5齢幼虫だと思われます。 それまで黒っぼい色だった体の色も、成虫に近い茶褐色に変わり、白い模様も消えています。 こうなると、身を守るのはカメムシ特有の悪臭が中心になるのでしょう。 大きくなれば、それだけ悪臭物質も多くなるのでしょうね。

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 下はホソヘリカメムシの成虫で、7月上旬に撮ったものですが、成虫はほとんど1年中見ることができます。 幼虫も夏の初めにも観察されていますから、年に何回か発生を繰り返しているのでしょう。

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 左の「マイフォト」には11月下旬にサンシュユにいた成虫を載せています。 このまま成虫越冬に入るのでしょう。

 成虫の特徴は、細長い体型と、発達した後脚です。 後脚にはトゲも見られます。 この成虫が飛ぶと、体の角度やその飛び方などがアシナガバチに似ているといわれています。 幼虫はアリに擬態し、成虫はハチに擬態するとは、なかなかのものです。

 ホソヘリカメムシは、そのにおいや、エンドウ、インゲン、ダイズなどのマメ科作物を食害する害虫として嫌われていますが、このような生活の様子を見ると、なかなかおもしろい昆虫です。

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2011年10月 6日 (木)

ニホンアカガエル

 前にニホンアカガエルの卵について記事にしましたが、その近くでニホンアカガエルの親を撮ることができました。

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 ニホンアカガエルに似た蛙にヤマアカガエルとタゴガエルがいますが、次のような点で見分けられます。

  • 背側線隆条(背中にある線状の盛り上がり)が、ヤマアカガエルやタゴガエルでは鼓膜の後ろでカーブしているのに対し、ニホンアカガエルではストレート
  • あごの下の模様が、ニホンアカガエルではほとんど無く、ヤマアカガエルでは少しあり、タゴガエルでは腹まで黒班が入り、灰色がかっている
  • タゴガエルは、鼓膜の周囲や上唇、下顎に小さい粒起が見られるが、ヤマアカガエルとニホンアカガエルには無い

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 色彩的には特にヤマアカガエルと似ていますが、名前のとおり、ヤマアカガエルは山間部に、ニホンアカガエルは平地に分布する傾向があります。 近年の水田の状況が強く影響し、ニホンアカガエルの数は減少してきています。

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2011年10月 5日 (水)

マダラヒメバチ

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 ヒメバチの仲間(ヒメバチ科)については、まだまだ分かっていない種類も多く、現在で1,400種類余りが知られていますが、最終的には3,000種を超えるのではないかと言われています。 そのなかで、このマダラヒメバチは、特徴のある体の色で、分かりやすい種です。 アゲハチョウの幼虫に寄生し、成虫は土に潜って越冬するとのことです。

Madarahimebachi110924_1    顔を正面から

Madarahimebachi110924_3    腹部を自由に動かせるよう、腹部の付け根はたいへん細くなっています。

 写真は里山を残した「堺自然ふれあいの森」で撮ったマダラヒメバチで、イタドリの花に数頭来ていました。

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2011年10月 4日 (火)

ヤママユ

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 今まで何度か家の近くでヤママユ(ヤママユガ)を見たことはあるのですが、いつも翅がボロボロで、今回やっと、「堺自然ふれあいの森」で傷みの少ないヤママユを撮ることができました。
 ヤママユの成虫は年1回、8~9月頃に出現します。 卵で越冬し、幼虫の食餌植物はクヌギ、コナラ、クリ、カシなどのブナ科の葉です。

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 いままでヤママユガ科の蛾としては、オオミズアオシンジュサンヒメヤママユなどを記事にしてきましたが、いずれも大型の蛾ですが、成虫の口は退化していて、食べることはできません。
 写真のヤママユはオスで、大きな触角を持っています。 この触角でメスのフェロモンを感知し、生殖のためだけに生きるのです。

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 ヤママユガは日本在来の代表的な野蚕、つまりカイコのようにから糸が採れる野生の蛾で、この糸は「天蚕糸」と呼ばれています。

◎ ヤママユのメスはこちらに載せています。

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2011年10月 3日 (月)

ママコナ

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 鋭い棘で「ママコ」となると、ママコノシリヌグイのように「継子」の漢字が思い浮かびますが、こちらの「ママコ」は「飯子」のようです。 つまり、花唇にある二つの白い隆起を米粒に見立てたとか。 一説にはこの植物の種子を米粒に見立てたとも言われています。
 この棘がいっぱいのものは苞で、触ってみても、アザミのような鋭さはありません。 全体的に見ると、花序に近い葉にも、葉の下部に棘状のきょ歯が見られ、苞に移行していくように見えます。

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 ママコナはゴマノハグサ科の1年草で、半寄生植物だと言われています。 半寄生である根拠を確かめたことは、まだ無いのですが・・・。
 ママコナ属の植物にはママコナとミヤマママコナ、それにミヤマママコナの変種で四国を中心とした関西に多いシコクママコナがあります。 花期は、ママコナの方がミヤマママコナより少し早いようです。

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2011年10月 2日 (日)

セミノハリセンボン

 セミノハリセンボンはセミに発生する冬虫夏草で、セミの体表にたくさんの小さな虫ピンを突き刺したような外見になります。

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 この“虫ピン”はシンネマと呼ばれています。 シンネマとは不完全型の、つまり無性生殖のための分生胞子を表面に形成するキノコです。
 写真はアブラゼミに発生したセミノハリセンボンですが、アブラゼミの頭に枯葉がくっついています。 この枯葉もセミノハリセンボンの菌糸がくっつけているのでしょう。

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 なお、このセミノハリセンボンを追培養しておくと、ストローマが出てくることがあるとのことです。 ストローマとは完全型の、つまり有性生殖による胞子を形成するキノコです。

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2011年10月 1日 (土)

ツマキシャチホコ

 昨日記事にしたモンクロシャチホコと同じ属( Phalera 属)のツマキシャチホコです。 両者は、色彩的には違いますが、幼虫も成虫も、模様のパターンや形態、それに生活環もよく似ています。

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 幼虫は集団を形成し、7~10月頃に見られます。 写真はアラカシの葉を食べていますが、他にもコナラやクヌギなどのブナ科の葉を食べて育ちます。 この後、土の中にもぐって蛹になり、冬を越すのも、モンクロシャチホコと同じです。

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 成虫は6~8月に出現します。 成虫の前翅尖端には黄白色帯があります。 ツマキシャチホコの「ツマキ」は、この部分を表したものです。
 「ツマキ」を漢字で書けば、「褄黄」です。 この「褄」は着物の端(つま)の意味で、長着の裾(すそ)の左右両端の部分をさします。
 下は成虫を真上から見たものです。

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