ツルニガクサ
ツルニガクサは山の木陰に生えるシソ科の多年草です。
花は7~9月に咲きます。 上唇が無く、4本のオシベと柱頭が2裂したメシベが斜め上に突き出しています。
この「ツルニガクサ」という名は混乱を招きそうですね。 「ツル」といっても、写真のように、ツル植物ではありません。 地中に走出枝を出して増えるのですが、地上部を見ているかぎり、「ツル」の意味は分かりません。 それに「ニガクサ」といいながら、苦くありません。
「ツルニガクサ」という名前は、以前記事にしたニガクサに似た(同じ属です)別の植物で、ツルがある、という意味ですが、ニガクサも走出枝を出しますから、ややこしい話です。
ツルニガクサとニガクサを区別する点はいろいろありますが、みんな相対的な違いであったり、注意しないと見落としてしまいそうな小さな違いです。
- 分布を見ると、後者の方が、少し暖かい所を好む傾向がある。
- 後者の方が少し大型。
- 前者の花序は多くは葉腋の枝にもつくが、後者の花序は茎の先の方に集まる傾向があり、葉腋の花序はあっても、あまり伸びない。
- 前者の葉の基部はくさび形になるものが多いのに対し、後者の葉の基部は切形~心形になる傾向がある。
- 前者のガクにはいちめんに腺毛があるが、後者のガクはほとんど無毛または腺を持たない短毛がある。
- 前者のガクの上歯は鈍頭で果時には少し内側に曲がる傾向があるのに対し、後者のガクの上歯は鋭頭で果時も真っ直ぐまたは少し外側に曲がる傾向がある。
この中でいちばん確かなのは、ルーペが必要ですが、ガクの腺毛でしょうか。 下はツルニガクサの花を拡大したものです。
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