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2011年9月30日 (金)

モンクロシャチホコ

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 ソメイヨシノの葉を食べているモンクロシャチホコの幼虫です(9月24日撮影)。 若齢幼虫の頃は褐色で群れていますが、齢が進むと黒っぽくなり、分散していきます。

Monkuroshachihoko110923_1

 シャチホコガの仲間は、よく体を反らせる種類が多いところから、この名前がついているのですが、上写真でも、真上から撮っているので分かりにくいのですが、頭と尻部を持ち上げています。 モンクロシャチホコの幼虫は、よくこのような姿勢をとるので、「舟形虫(ふながたむし)」という名前でも呼ばれます。
 シャチホコガの仲間の幼虫には毛のあるものは少ないのですが、モンクロシャチホコの幼虫には白っぽい長い毛があります。
 桜でよく目につく毛虫なので、「桜毛虫」とも呼ばれていますが、ウメ、リンゴ、ナシやビワなどのバラ科の果樹の葉も食べる害虫ですし、特に終齢幼虫は、どんな葉でも食べると言っていいほどです。 とにかく、お盆が過ぎた後の、硬くなってしまった葉を食べ、この後は土の中で蛹になり、越冬します。

 成虫が出現するのは7~8月で、現在見ることのできるのは、この成虫の産んだ卵から育った幼虫です。 成虫は幼虫とは異なり、白を基調としたなかなか美しい蛾です。 「モンクロ」の名前は、この成虫の翅にある紋付きの紋のような黒い斑に由来しています。

Monkuroshachihoko100815_1    横から

Monkuroshachihoko100815_2    上から

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2011年9月29日 (木)

ミズタマソウの果実

 前にミズタマソウの花を記事にしましたが、その果実がよく育った時期になりました。 下がその果実です。

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 タニタデやウシタキソウはミズタマソウによく似た植物で、ウシタキソウの所で、この3種を比較しました。 特にミズタマソウとタニタデはよく似ています。 しかし、ミズタマソウとタニタデの果実は、小さくて見逃してしまいがちですが、よく見ると、はっきりした違いがあります。
 もう一度上のミズタマソウの果実を見ていただくと、縦に深い溝が入っています。 下はミズタマソウの果実の断面です。 右側の断面で、中央の褐色がかっているのが種子で、1つの果実には2つの種子が入っています。
 左の果実は切断面が浅く、種子の切断面はあらわれていませんが、溝の入り方のパターンは同じです。 このように、種子の位置と溝の位置との関係は、いつも同じです。

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 タニタデの果実にはこの溝がありません。 ですから、果実の断面を作ると、楕円形です。 下はエフさんに送っていただいたタニタデの果実の断面です。 断面を作る時期が少し早かったので、まだ種子ができていませんが、種子のできる場所は分かります。 やはり1果実には2つの種子が入ります。

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※ ミズタマソウ属の分類について
 BOUFFORD David E.氏が「植物分類・地理」(1982-04-20)で日本産のミズタマソウ属について、ウシタキソウ、ミズタマソウ、ヤマタニタデ、タニタデ、ミヤマタニタデとその亜種のケミヤマタニタデの、5種1亜種に整理されています。 また、これらの検索表や雑種についても記載されています。

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2011年9月28日 (水)

ミドリグンバイウンカ

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 家の近くのキョウチクトウにたくさんのミドリグンバイウンカが集まっていました。 下の写真の黄色の矢印をつけたのが全てミドリグンバイウンカで、この周囲にもたくさんいました。

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 ミドリグンバイウンカはグンバイウンカ科に分類されており、いろんな植物の汁を吸っているようです。 「グンバイ」とは、もちろん相撲で使われる軍配(ぐんばい)に似ているからです。
 少し茶色がかった黄緑色の体の、頭部と胸部背面に鮮やかな緑色の3本の縦筋のあるのが特徴です。
 これに似た種にヒラタグンバイウンカがいるのですが、こちらは緑色の体にオレンジ色の縦筋で、頭部が長く突き出ています。

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2011年9月27日 (火)

ツルニガクサ

 ツルニガクサは山の木陰に生えるシソ科の多年草です。

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 花は7~9月に咲きます。 上唇が無く、4本のオシベと柱頭が2裂したメシベが斜め上に突き出しています。
 この「ツルニガクサ」という名は混乱を招きそうですね。 「ツル」といっても、写真のように、ツル植物ではありません。 地中に走出枝を出して増えるのですが、地上部を見ているかぎり、「ツル」の意味は分かりません。 それに「ニガクサ」といいながら、苦くありません。
 「ツルニガクサ」という名前は、以前記事にしたニガクサに似た(同じ属です)別の植物で、ツルがある、という意味ですが、ニガクサも走出枝を出しますから、ややこしい話です。

 ツルニガクサとニガクサを区別する点はいろいろありますが、みんな相対的な違いであったり、注意しないと見落としてしまいそうな小さな違いです。

  •  分布を見ると、後者の方が、少し暖かい所を好む傾向がある。
  •  後者の方が少し大型。
  •  前者の花序は多くは葉腋の枝にもつくが、後者の花序は茎の先の方に集まる傾向があり、葉腋の花序はあっても、あまり伸びない。
  •  前者の葉の基部はくさび形になるものが多いのに対し、後者の葉の基部は切形~心形になる傾向がある。
  •  前者のガクにはいちめんに腺毛があるが、後者のガクはほとんど無毛または腺を持たない短毛がある。
  •  前者のガクの上歯は鈍頭で果時には少し内側に曲がる傾向があるのに対し、後者のガクの上歯は鋭頭で果時も真っ直ぐまたは少し外側に曲がる傾向がある。

 この中でいちばん確かなのは、ルーペが必要ですが、ガクの腺毛でしょうか。 下はツルニガクサの花を拡大したものです。

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2011年9月26日 (月)

カシワバハグマ

 大和葛城山で咲いていたカシワバハグマです。

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 カシワバハグマは、本州の宮城県以南の主に太平洋側、四国、九州の林の中で咲くキク科の多年草です。 茎は硬く枝分かれせず、葉は茎の中央に集まってつきますので、やや輪生状に見えることもあります。

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 名前の「カシワバ」は、カシワのような大きな葉を意味します。 縁には粗いきょ歯があります。
 花は9月から咲き始めます。 白い細い花弁はクルクルとねじれています。 「ハグマ」を漢字で書くと「白熊」なのですが、これは動物のヤクのことで、この白い花弁を、仏具の払子(ほっす)に使うヤクの毛にたとえたものです。

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 カシワバハグマはコウヤボウキナガバノコウヤボウキなどと同じ属です。 これらのしなやかな植物とカシワバハグマとが同じ属であることはピンと来ませんが、たしかに細い花弁はもちろん、総苞の様子や頭花の断面などを見ると、よく似ています。
 下の写真の左は頭花を割ったもので、中央と右はそこから取り出した小花、つまりほんとうの1つの花です。 これらの仲間は雄性先熟の花ですが、中央は雌性期、右はツボミです。

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 花のつくりをもう少し詳しく見ておきます。 カシワバハグマの頭花は3~8個程度の小花が集まっていて、全てが筒状花です。 花弁は5裂しています(ねじれて分かりにくいですが・・・)。
 花弁が開いて間もない頃は、5本のオシベの細長い葯はメシベを取り囲んで互いにくっつき、メシベ側(つまり内側)に花粉を出します。 そして花糸が曲がり、つまり葯が下方に引っ張られると、相対的にメシベが上昇し、内側に出された花粉を外に持ち上げます(下の写真)。 この時のメシベの柱頭は開いておらず、受粉能力はありません。 つまりこの時のメシベの役割は、花粉を持ち上げ、徐々に花粉を出すことです。 これが雄性期です。

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 花粉を出し終えたメシベはオシベより高くなり、柱頭を左右に開き(下の写真)、受粉体制に入ります。 これが雌性期です。

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2011年9月25日 (日)

ツマグロイナゴモドキ(ツマグロバッタ)

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 このバッタの和名は統一が取れていなくて、ツマグロイナゴモドキともツマグロイナゴともツマグロバッタとも呼ばれています。 ここでは、以下、ツマグロイナゴモドキと書くことにします。
 ツマグロイナゴモドキは、やや湿った草原にいるバッタです。 この写真を撮ったのも、大和葛城山の山頂近くの鞍部(あんぶ)の草原でした。

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 写真はツマグロイナゴモドキのオスで、緑がかった黄色です。 名前のとおり、翅端が黒くなっていますが、後脛節の黒い部分もよく目立ちます。(写真の個体は手前の後脚が失われています。) なお、メスは濃淡の個体差はあるものの、褐色で、黒い部分はそんなに目立ちません。

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2011年9月24日 (土)

ヤブマメ

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 ヤブマメはマメ科のツル植物です。 花はマメ科によく見られる蝶形花で、旗弁が紫色、他の花弁はほとんど白に近く、ガクも白っぽい色をしています。

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 花後はもちろんマメができるのですが、ヤブマメにはおもしろい生態があります。 秋の終わり頃になると、茎の根元から地下茎を伸ばし、その先に閉鎖花をつけ、地中にも果実を実らせます。
 地上の種子で分布範囲を広げようとする一方で、地中にできる種子で、来年も同じ場所で育とうというわけです。 ですから、ヤブマメは1年草でありながら、その場所がヤブマメの生育に適した場所なら、毎年同じ場所で育つという多年草のような性質を持つことになります。

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2011年9月23日 (金)

アズキとヤブツルアズキ

 下は田の畦で栽培されていたアズキです。

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 栽培のアズキの花は、黄色で花のつくりがねじれていて、これに似た花に、ノアズキとヤブツルアズキがありますが、ノアズキは果実の形態が栽培アズキとは異なることを、ノアズキの所で書きました。 これに対し、ヤブツルアズキはアズキとたいへんよく似ています。 それで、畑のアズキはヤブツルアズキを改良したものだとか、逆にヤブツルアズキは畑のアズキが野生化したものだ、とも言われています。
 下は堺自然ふれあいの森で咲いていたヤブツルアズキです。 栽培アズキと比較すると、ツル植物の性質が強いことと、種子はアズキと同様な調理方法だと硬くて食べられないことくらいで、ほんとうによく似ています。
 繰り返しますが、上は栽培アズキ、下はヤブツルアズキです。

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2011年9月22日 (木)

メハジキ

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 メハジキは、本州、九州、四国の日当たりの良い所に生えるシソ科の2年性草本です。 葉は茎の下の方と上の方は大きく様子が違い、下の方の葉は対生で長い葉柄があり、3深裂(しんれつ)していますが、上の方の葉は葉柄が無く、切れ込みも無くなり、上の写真のような線形や披針形になります。
 花は7~9月頃、茎頂部の葉の腋に数個ずつ付きます。 オシベは上唇にくっついて長短各2本が並んでいます(下の写真)。

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 メハジキの名前は、子供が茎を短く切って瞼にはめて、弾いて遊んだところからと言われていますが、この茎にはそのような遊びに適した弾力があるのでしょうか。 とにかくこの遊びは危険ですから、あまり言いふらさないほうがいいのかもしれません。
 メハジキの全草を乾燥したものは、益母草(やくもそう:母の益になる草)という漢名で呼ばれており、産後の止血、月経不順、めまい、腹痛などに、煎じて服用されるようです。

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2011年9月21日 (水)

ママコノシリヌグイ

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 ママコノシリヌグイは湿り気の多い所に生えるつる性の1年草です。 葉身は三角形をしています。 葉の付け根にはタデ科の特徴として托葉鞘があるのですが、ママコノシリヌグイでは、その先端が開き、苞葉状になっています。

 ママコノシリヌグイは茎も葉柄もトゲがいっぱい。 このトゲは下を向いていますので上にはどんどん進むことができるのですが、下に下がろうとするとトゲがひっかかります。 つまりこのトゲは他の植物が茂る所でも、細い茎で他の植物に頼りながら、その上に出て葉を広げて光合成しようとする“知恵”なのです。
 他の人のブログなどを見ると、この「継子の尻拭い」の名前はトゲで継子をいじめる発想のように書かれています。 でも尻を拭うのは葉ですよね。 写真でも分かるように、葉の表には、トゲはありません。 葉の裏には中央脈にトゲがあるのですが、これを人差し指と中指で挟んで使えば、何の問題もありません。 トゲの多いように見られる関係にあっても、継母はトゲの無い柔らかな部分をちゃんと選んでお尻を拭いてやっている・・・というのは、うがった見方なのでしょうか。

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 花は同じタデ科のミゾソバなどに似た美しい色で咲きます。 
 今までいろんなタデの所で書いてきましたが、この美しい色をしているのは花弁ではなくガクです。 花弁は退化してありません。 そしてこのガクは花後も残り、果実を保護します。 そして色もほとんど変化しませんから、咲き終わった花はツボミのように見えます。 ツボミは細長く、果実を保護している花後の姿は膨れていることで見分けるしかありません。 下の写真で、上側の花序にはツボミが多く、下の花序ではほとんどが咲き終わった花です。

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2011年9月20日 (火)

アゲハモドキ

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 アゲハモドキは北海道から九州にまで分布するアゲハモドキ科の蛾です。写真は、左の後翅が傷んでいたので、それができるだけ目立たないように撮ってみました。
 撮影時間は午前10時20分、アゲハモドキの活動時間帯は午後から日暮れですので、全く動く気配なし、安心して撮れました。 それにしても目立つ場所の葉の上に大きな態度・・・。 こんな様子を見ると、このアゲハモドキは毒を持つジャコウアゲハに擬態しているのではないかという説に賛同したくなります。
 ただ、擬態しているという説には疑問も持たれています。 理由のひとつには大きさがジャコウアゲハ(開張約10cm)に比べてかなり小さい(開張約6cm)こと、もうひとつはジャコウアゲハは南方系の蝶で、アゲハモドキのいる北海道や東北地方には分布していないという事実です。

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2011年9月19日 (月)

イブキトリカブト

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 日本に自生しているトリカブトの仲間は30種ほどに分類されています。 根の様子、葉の形態、花の様子、毛の様子など、いろいろ違いはあるのですが、30種となると、違いを整理しようという気持ちには私はなりません。
 写真は伊吹山の山頂で撮ったので、イブキトリカブトに間違いは無いと思いますが、大阪府と奈良県の境にある金剛山で撮ったカワチブシと、どこがどう違うのか、関心のある人は比較してみてください(といっても、この写真ではなかなか分からないでしょうね)。←(何と投げやりな・・・)

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2011年9月18日 (日)

アキカラマツ

 アキカラマツは全国の草原や路傍などに生育するキンポウゲ科の多年草です。 名前は、花がカラマツの葉のつき方に似ているカラマツソウ(花の時期は6~8月)という多年草があるのですが、このカラマツソウに似て、少し花の時期が遅い(7~9月)ことによります。 なお、アキカラマツの花は、カラマツソウの花に比較すると、横に向き、色が黄色みを帯びています。

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 アキカラマツの葉は複数回3出複葉です。 また花は、花弁は無く、3~4枚あるガク片も花が咲いてしばらくすると落ちてしまいます。 オシベは10~16本で、メシベは2~4個あるのですが、オシベより短く、色も同じような色ですので、分かりにくいですね。

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2011年9月17日 (土)

シデシャジン

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 9月上旬に伊吹山の山麓と中腹で見たシデシャジンです。 花期は7月~8月で、早く咲いた花は既に果実になっていますが、どうにか花も残っていました。
 自生地は本州と九州の一部の山地で、キキョウ科の多年草です。 「シャジン」とはツリガネニンジンの漢名で、花弁が細長くなっているので、これを注連縄(しめなわ)などにつける細長い「四手」に見立てたものです。
 シデシャジンはツリガネニンジンと属は違うのですが、花の基本的なつくりや受粉のしくみは、ツリガネニンジンやキキョウなどとよく似ています。 花弁を見ると離弁花のようですが、根元ではくっついていて合弁花です。 花はまず花粉をメシベの花柱にくっつけ(下の写真の上の花)、訪れた虫の体にくっつけて運んでもらい、その後に柱頭が開きます。

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 果実は蒴果で、径5~66mmの扁球形です。 ツリガネニンジンに似た細長いガク片は果実形成期には宿存しています。

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2011年9月16日 (金)

カンタン

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 写真は伊吹山で撮ったカンタンのオスです。 もっともカンタンは町でも鳴いているので、何も伊吹山である必要はないのですが、たまたまよく見える所に出てきていたので・・・。
 上でオスと書きましたが、腹部の端から何かメスの産卵管のようなものが伸びているようにも見えます。 これは、カンタン(スズムシなども)は交尾時に、オスが翅の付け根にある誘惑腺から誘因物質を出し、メスがオスの背中に乗ってこの誘惑腺からの物質をなめる間に、オスが下から交尾器を伸ばし、精球をメスのお尻につけるというしくみと関係するのでしょう。 カンタンのメスの産卵管は、もっと長いものです。

 カンタンを漢字で書けば「邯鄲」です。 簡単な漢字ではありませんが、邯鄲とは中国は河北省の、趙の旧都です。 「邯鄲の夢」という言葉が知られています。 この話を簡単に(^_-)書くと、邯鄲で廬生という若者が呂翁という道士の枕を借りて寝たところ、夢の中で、栄辱・貴富・死生を経験し、栄枯盛衰の極めてはかないことを知った、ということです。
 カンタンの繊細で優美な姿と、ルルルルル・・・と鳴くはかなげで美しい鳴き声から、この虫に邯鄲の名前がつけられたとも言われています。
 しかしこのカンタン、じつは肉食で、植物につくアブラムシなどを食べています。 下に顔の拡大を載せておきますが、この顔の印象はどうでしょうか?
(写真は撮影時にフラッシュを使用していますので、偽瞳孔ができています。)

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2011年9月15日 (木)

シモツケソウの果実

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 シモツケソウについては、花の時期に載せている(こちら)のですが、この時期、果実が花序の軸とともに美しく色づいていました。
 果実といっても、痩果ですのでそんなに目立つものでもなく、またこの色で動物などを引き寄せようとするものでもないのでしょうが、生育条件によっては、一時期、ほんとうに美しい色になるようです。

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2011年9月14日 (水)

シオガマギク

 シオガマギクは暖温帯上部から冷温帯域の全国の草原に生育するゴマノハグサ科の多年草です。 葉は重きょ歯があり、茎の基部では対生で、上部では互生になります。

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 花は近畿地方では8月から9月に見られます。 ねじれた唇形の花で、上唇はくちばしのようにとがり、その先から柱頭が顔を出しています。 下唇は幅広く、端は浅く3裂しています(上の写真)。 このようにねじれた花は、マメ科のホドイモノアズキクロバナツルアズキなどでも見られ、ねじれ方はそれぞれ少しずつ違うのですが、受粉の時にどのような昆虫が訪れ、どのように有利に機能するのか、たいへん興味があります。
 シオガマギクには、葉の様子や花のねじれ方など、いくつかの変種があります。 最近の葉緑体DNAを使った研究からは9種のタイプがあり、地理的にまとまっているようです。
 またこの仲間は、半寄生性の植物、つまり自らも光合成をしますが、周囲のイネ科やカヤツリグサ科の植物の根からも養分を奪うとも言われているのですが、特に葉に比較して花が多いようには思われないのですが・・・。

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 シオガマギクの花は上記のようにねじれていますが、名前についても、かなりひねられています。 「キク」については、葉がキクに似ているからということですが、シオガマについては・・・

 昔、海水から塩を取る時には、藻に海水をかけて日光で水分を蒸発させ、最後はたくさん塩のついた藻を焼いて塩を得ました。 この藻を焼いて塩を得るための釜が「塩釜」です。 森鴎外の「山椒大夫」にもあるようにこの塩作りはたいへんな重労働だったようですが、浜に作られた塩釜から立ち昇る煙は風情があったようで、いろんな歌や物語にも登場しています。
 万葉集第七巻 1246首には、
   志賀の白水郎(あま)の 塩焼く煙 風をいたみ
     立ちは上らず 山に棚引く
 と歌われていますし、源氏物語「須磨」の第五段には、
  煙のいと近く時々立ち来るを、これや海人の塩焼くならむと思しわたるは・・・
 という場面が出てきます。

 話をシオガマギクに戻します。 シオガマギクの花は美しいのですが、じつは葉も、形が整っているばかりではなく、美しく紅葉します。 今の時期は紅葉にはもちろん早いのですが、下の写真の葉を美しいとは思われないでしょうか。

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 この植物は「葉まで美しい」→「はまで美しい」→「浜で美しい」→「塩釜」(バンザ~イ) というわけです。

 宮城県塩釜市には鹽竈神社があり、昔はこの塩釜が並ぶ風光明媚な場所であったようです。 しかし塩釜市も東北地方太平洋沖地震で大きな被害を蒙りました。 被災された皆様方には心からお見舞い申し上げると共に、一刻も早い復旧・復興で美しい観景が戻ることを願わずにはおれません。

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2011年9月13日 (火)

ナンテンハギ

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 ナンテンハギは北海道から九州の、草原や林縁部などの比較的日当たりのよい場所に生えるマメ科ソラマメ属の多年草です。 花は夏から秋にかけて咲き、よく育つと高さ1mほどにもなり、花も1つの花序に10個ほどつけることができるのですが、伊吹山で見たナンテンハギは草刈りされてしまった後のようで、写真のとおりです。 でも、よく育ったものであろうが無かろうが、ナンテンハギの特徴は、はっきりしています。
 多くの羽状複葉の小葉の数は、頂小葉と左右同数の小葉で奇数であることが多いのですが、このナンテンハギの葉は、フタバハギという別名があるように、2枚の小葉からなります。 たしかに小葉どうしを比較すれば、ナンテンハギの小葉とナンテンの小葉は似ていて、名前はこのことに由来しているのですが・・・。

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2011年9月12日 (月)

クサボタン

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 伊吹山で撮ったクサボタンです。 なお、上の写真の茎にはテングアワフキが頭を下にしてとまっています(写真左中央)。
 クサボタンは本州の暖温帯上部から冷温帯に分布しています。 クサボタンの葉には長い葉柄があり、3つの小葉からなっています。 クサボタンの名前は、この葉がボタンに似ているところからで、花の様子は全くボタンとは異なります。 もちろんボタン科ではなく、キンポウゲ科の植物です。
 クサボタンの学名は Clematis stans つまり「直立したクレマチス」です。 クレマチスの仲間はツル植物が多いのですが、クサボタンは茎の下部が木化して直立します。 しかし同じクレマチス属のボタンヅルなどとは近縁らしく、自然交雑しています。 花は他のクレマチス属同様、花弁は無く、花弁のように見えるのはガクです。

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 クサボタンは雌雄異株です。 上の写真は雄株です。 雄株の花(雄花)には退化した小さなメシベがあるのですが、写真では長いオシベしか見えていません。
 雌株の花(雌花)は雄花に比べて小さく短い花です。 じつは最初の写真は雌株だと思って撮ったのですが、写真を拡大してみると、どうも見えているのはオシベのようで、雄株のようです(-_-;)
 下は間違いなく雌花です。 雌花にはメシベとオシベがあり、両者は長さもほぼ同じで、色もよく似ているので見分けにくいのですが、下の写真で花の中央に複数集まっているのがメシベ、その周囲にあって少し形態的に異なっているのがオシベです。 このオシベも、雄花のオシベに比較すれば、特に葯の長さはかなり短くなっています。

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 多くの雌株では、もう花が終わっていました。 上の写真でもよく見ると、メシベの花柱に生えている毛が見えていますが、ガクが取れると、花柱に生えていた毛は広がってきます(下の写真)。

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 下は雌花の花後をもう少し拡大したもので、広がった毛と、まだ広がっていない毛の束が、混じっています。

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2011年9月11日 (日)

ミツバフウロ

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 伊吹山に咲くフウロソウの仲間については、ハクサンフウロのところにまとめていますが、秋の伊吹山に咲くフウロソウの仲間としては、ゲンノショウコと、このミツバフウロがあります。 9月6日の伊吹山でも、3合目付近でたくさん咲いていました。
 ミツバフウロの特徴としては、まずは何といっても、名前のとおり、葉が掌状に3深裂していることですが、下の写真では、虫に食われてボロボロの葉が重なり合い、それに他の植物の葉も混ざってきて、分かりにくくなっています。 花にもたくさん虫が来ていますし、虫に人気のある植物ということでお許しを・・・ それでも、右上の葉と左下の葉が比較的よく分かるでしょうか。

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 ミツバフウロは北海道から九州まで分布し、山野の草地や林縁などで見られます。 茎や葉柄などには下向きの伏毛が見られますが、腺毛や開出毛はありません。

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2011年9月10日 (土)

コイブキアザミ

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 伊吹山に咲くアザミについては、ミヤマコアザミのところでまとめて書きました。 そこでも書いたのですが、ここに載せた写真のコイブキアザミは伊吹山にのみ分布します。 しかも、山頂付近(8合目あたりから上)にのみ見ることができました。
 花は8月の後半から10月に咲くとのことです。 頭花や葉を密集してつけるのが特徴です。

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2011年9月 9日 (金)

テンニンソウ

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 伊吹山のテンニンソウです。 長い花序は最初は苞に覆われていますが、開花が近づくと苞が落ち、横に並んだツボミが現れます。 花は淡黄色の唇形花で、メシベと4本のオシベが長く伸びています。

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 テンニンソウはミカエリソウと同じ属で、花の色は違いますが、花のつくりはミカエリソウとよく似ています。 茎の木化はミカエリソウの方が強いようです。
 ミカエリソウは見返るほど美しい、テンニンソウは天人が舞っているようだというのですが、どうでしょうか。 たしかに端正な花序がいちめんに立ち並ぶ群落は嫌味が無く、淡黄色は半透明の天の羽衣につながるイメージかもしれませんが・・・。

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 伊吹山のテンニンソウは、葉裏の中脈に開出毛があり、富士山周辺に多いフジテンニンソウという品種だとされています。 なお、このフジテンニンソウに学名( Leucosceptrum japonicum form.barbinerve )をつけたのは、京都大学におられた北村四郎先生と村田源先生です。

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2011年9月 8日 (木)

カンボク

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 初秋の伊吹山に登ってきました(登る途中の風景等はこちらに載せています)。 写真は5合目から少し上にあったカンボクです。
 カンボクは本州中部以北に分布しますから、伊吹山は分布の南限に近いのかもしれません。 大阪府下では見慣れない樹ですが、葉が対生で3~5裂する樹は他にはカエデの仲間くらいしかなく、カエデの仲間はこんな実のつき方はしませんから、たいへん分かりやすい樹です。

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2011年9月 7日 (水)

モリズミウマ

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 大和葛城山にいたカマドウマの仲間で、モリズミウマだと思います。 U字型の底の部分を歩くような登山道で、ハンミョウ(ミチオシエ)のように、先へ先へとジャンプして行きました。 すごいジャンプ力です。 写真は、そんなことが続いて疲れたのか、あまり動かなくなったところを撮ったものです。

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 カマドウマは「かまど(竈)にいる馬」の意味です(詳しくはマダラカマドウマの記事を見てください)が、モリズミウマはたぶん「森に住む馬」の意味でしょう。
 カマドウマの仲間も分類が難しく、日本にいるカマドウマの仲間についても、まだ完全に整理されているとは言えないようです。

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2011年9月 6日 (火)

シオデ(雄花)

 サルトリイバラと同じ属( Smilax属 )に分類されているシオデです。 サルトリイバラと同様、托葉がツルになっているのですが、自分に絡んでどうするの!?

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 葉の付き方ですが、上の写真では互生のように見えます。 ところが下の写真では対生のように見えます。

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 シオデは雌雄異株で、写真は雄株です。 雄花は、花弁が6枚で反り返っています。 雄しべは6本、メシベは見当たりません。

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 シオデの若い葉や茎は山菜としても親しまれていて「山のグリーンアスパラガス」とも言われています。
 シオデの名前については、アイヌ語のシュウオンテが訛ったものとの説もありますし、『大言海』には「シホデ、細蔓の物に絡むことシホデの如くとて名とす」と書かれています。 このシホデとは、馬の鞍(くら)につける紐のことで、シオデのツルがこの紐に似ているということでしょう。

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2011年9月 5日 (月)

トゲザトウムシ

 大和葛城山(標高959.2m)の山頂近くにある葛城高原ロッジの壁に、下のような“虫”がくっついていました。 肉眼では体節の様子も分からず、脚が6本=昆虫 のはずですが、何の仲間か、全く見当がつきません。

 

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 近くに仲間がいないか探してみると、少し離れた所に、下のような個体がいました。

 

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 長い脚が4対で、前から2対目の脚が特に長いことで、やっと気づきました。 ザトウムシの仲間です。
 もう一度最初の個体に戻り、良~~~く見ると、2対目の脚が失われた跡がちゃんとあります。 ザトウムシの仲間は脚を自切することがあるとは知っていましたし、脚が1本足らないザトウムシを見たこともありますが、こんなに見事に対になっている脚がなくなっているのは、はじめて見ました。 それに、体をゆらゆらと揺らせて歩く様子も無く、壁にへばりついていましたから・・・。
 家に帰って調べると、トゲザトウムシのようです。 ゴホントゲザトウムシはクヌギやコナラなどの雑木林の樹木の幹で見られることが多いのですが、このトゲザトウムシはブナ帯に生息するザトウムシで、頭部前方に白っぽい小さなトゲが3個あるのですが、2枚目の写真で分かってもらえるかどうか・・・。(写真はクリックで拡大します)

◎ 北海道で撮った、3本のトゲが確認できるトゲザトウムシの写真をこちらに載せています。

 

 

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2011年9月 4日 (日)

アリノトウグサ

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 アリノトウグサは、日当たりのいい山野でみられる多年草で、そんなに珍しい植物ではありません。 ただ、小さな植物で、高さは20cm前後にはなりますが、小さな葉はその下部に集中していますので、他の植物に上を覆われないような場所、つまり湿地で大きな植物が育たない所だとか、日当たりのいい山道の脇などで見られます。 といっても、ほとんどの人はこの1~2mmほどの小さな花に気付かずに通り過ぎてしまっているのではないでしょうか。 むしろ気づくのは、対生で卵円形の葉が紅葉した時かもしれません。
 名前は茎に点々とつく花を、茎にアリが登っている状態と見立てたものでしょう。

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 アリノトウグサ科は南半球で栄えていますが、日本では、アリノトウグサ以外には、水草のフサモの仲間があるくらいで、近縁の植物のいろんな花を見る機会がありません。 ですからアリノトウグサの花は、私たちの目には“個性的な”花のように見えます。

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 上の写真は、たくさんの花のついている茎の一部を拡大したものですが、一番上はツボミです。 ガクは筒になっていて、その先は緑色で4裂しています。 赤い4枚の花弁がしっかり内部を保護しています。
 上から2番目と3番目の花は雄性期です。 オシベは8本で、4枚の花弁は反り返っています。
 そして上から4番目と5番目の花についてですが、これは上に書いた状態の花がオシベと花弁を落とし、その後、羽毛状の柱頭が伸び始めたところです。 雌性期の始まりです。 柱頭は4本に分かれています。
 下の写真は、上2つが雄性期、3番目の花は、オシベは落ち、花弁も落ちかけている状態です。 そして4番目と5番目の花は、柱頭の毛を大きく広げています。 毛が重なり合っていて、柱頭が4本に分かれていることは分かりづらくなっています。

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 メシベの柱頭は、下のようにほとんど白に近い色の場合もあります。

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2011年9月 3日 (土)

キカマキリモドキ

 リョウブの葉の裏にいたキカマキリモドキです。 とりあえず1枚撮って、正面から撮ろうとした時に、誤って枝を揺らせてしまい、逃げられてしまいました。

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 カマキリモドキの仲間(カマキリモドキ科)は、日本では数種が確認されています。 分類学的にはカマキリ目ではなく、アミメカゲロウ目に分類されています。 たしかに下半身はクサカゲロウに似た雰囲気を持っています。 上半身も、たしかにカマキリに似てはいるのですが、鎌の構え方が違っています。
 カマキリモドキも昆虫を捕えて食べますので、カマキリとカマキリモドキは、全く別のグループの昆虫が同じ目的で進化し、結果的に似た形態になった(これを収斂進化と呼んでいます)と考えられます。 また体の色は、ハチに擬態しているのではないかと考えられています。

 アミメカゲロウ目(脈翅目)に分類されている昆虫で、今までにこのブログで取り上げたものには、ラクダムシクサカゲロウウスバカゲロウなどがあります。 翅の様子など、やはり似た特徴を持っていますね。

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2011年9月 2日 (金)

ナツノタムラソウ

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 ナツノタムラソウはそんなによく見る植物ではありません。 そのためか、他のブログを見ても、間違っていると思われる記事も多く、この記事も100%自信があるわけではないのですが、他にあてはまる植物がありません。
 保育社の『原色日本植物図鑑』(改訂版)には、次のような内容が書かれています(図鑑どおりの記載ではありません)。
  ① がくには腺点及び毛があり、内面には輪状に白毛がある。
  ② 花冠は濃紫色で花筒の内面基部から2/5位の所に輪状に毛がある。
  ③ 雄ずいは2本で前方の葯隔は長く花糸状に伸びて花外に突き出る。
 ①と②に関しては、ガクについても花冠についても、断面を作って、その内面を見ておかなければならなかったようです。 ③に関しては、見えているのは花糸ではなく葯隔(下の(注)を参照してください)だと理解すればいいのでしょう(これも確認するには花の断面を作る必要がありそうです)。

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(注)アキギリ属のオシベのつくりについて
 ナツノタムラソウはアキギリ属の植物ですが、この仲間のオシベはT字型をしていて、Tの縦棒が花糸で、その頂から、Tの横棒のように葯隔が長く左右または前後に伸び、2つセットの葯が隔てられています。

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2011年9月 1日 (木)

クロオビツツハムシ

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 大和葛城山の山頂付近で、マルバハギにたくさんのクロオビツツハムシが来ていました。 色の浅い柔らかい新しい葉を狙って食べています。 下のクロオビツツハムシは食事の最中ですが、後ろのかじられた葉もクロオビツツハムシによるものでしょう。 色が濃くなっている葉の食み跡は周辺が茶色くなっています。 まだ色の浅いうちにかじられ、時間が経っているのでしょう。

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 クロオビツツハムシは暖地性のハムシで、夏暑くなってから現れます。 温暖化の影響か、分布は広がりつつあるようです。
 成虫の食餌植物は、ブログで調べると、ナツフジという報告がありますので、今回の観察と併せ、マメ科植物がお好みかもしれません。 その他の植物の名前もあがっていますが、たまたまその植物にとまっていたのか、その植物の葉を食べていたのか、そのことをはっきり書いた記事は少ないようです。
 下のイネ科の葉は、このクロオビツツハムシがかじったものでしょうか? 私はかじっている所を確認できませんでした。

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◎ 交尾中のクロオビツツハムシをこちらに載せています。

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何の仲間でしょう

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 この虫は何でしょう。 虫の名前まで分からなくても、何の仲間か、考えてみてください。(写真はクリックで拡大します)

 答はこちら

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