サギソウ
サギソウは日当たりのいい湿地に生えるラン科の多年草ですが、開発による自生地の減少と盗採で、残念なことに自生地はたいへん少なくなってしまいました。
サギソウは花が終わると、通常2~3本伸びた地下茎の先に芋状に肥大した部分ができます。 この部分が年を越して新しい株になっていきます。 育てられているサギソウではほとんど種子ができませんが、それは花粉媒介者が来ないためで、自生地でのサギソウは、ちゃんと種子も作っています。
サギソウの花は夜に目立つ白い色をしています。 もしかしたら唇弁の糸状に伸びた部分もカラスウリなどの花と同じ効果を狙っているのかもしれません。 それに長い距を持っていることからしても、長い口を持ち、長距離を飛び回ることのできるスズメガの仲間に花粉媒介をしてもらおうとしているのではないかと考えられます。
下はサギソウの「ずい柱」(オシベとメシベが合体したもの)付近を拡大したものです。 花粉塊は葯室にしまわれていて、粘着体とつながっています。 花粉媒介者が蜜を吸おうと、距の入口に口を差し込み、ずい柱に近づいて粘着体に触れると、粘着体が体にくっつき、花粉媒介者が花から離れる時に、粘着体とつながっている花粉塊が運ばれるというしくみです。 そして花粉塊をくっつけた花粉媒介者が別のサギソウの蜜を吸おうと近づいた時に 柱頭に花粉塊が渡されるということになります。
サギソウの仲間では、柱頭は距の入口を囲むように逆さU字型になり、受粉できる部分が左右に分かれています。 下の写真の嘴体の部分も、受粉はできませんが、柱頭の一部が変化したものです。
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コメント
キレイ!
白いサギが群れ飛んでいるようで・・・
以前、サギソウを撮ったとき
撮った写真がどれも、サギが怪我をしているようになってしまっててガッカリしたことがありました
投稿: わんちゃん | 2011年8月24日 (水) 21時49分
このサギ、飛びはじめですからね。
まだツボミもたくさんあります。
どうしても古い花は茶色の斑点が出てきますね。
投稿: そよかぜ | 2011年8月24日 (水) 22時32分