ウシタキソウ
先日ミズタマソウ(上の写真)を記事にしましたが、このミズタマソウと同じ属で分布域も重なる植物に、タニタデとウシタキソウがあります。
ウシタキソウはミズタマソウと比較すると、
・ 茎には毛が多く、節部は紅紫色にならない
・ 葉身の基部はハート型で長い葉柄がある(下の写真)
・ 葉にも細かい毛がいちめんに生え、長い開出毛も混じる
などの違いがあります。
ウシタキソウの葉
ついでにタニタデについても書いておくと、
・ 茎は赤く染まる傾向があり、ほとんど無毛
・ 花の柄も無毛
・ 葉身の基部は円形
・ 花弁は浅く3裂することも多い
ということになります。
(タニタデについてはエフさんのブログでどうぞ)
つまり、毛深さからすると、
ウシタキソウ>ミズタマソウ>タニタデ
ということになり、
茎の紅紫色に染まりやすさからすると、
タニタデ>ミズタマソウ>ウシタキソウ
ということになります。
また、葉身基部から葉柄への移行の連続性からすると
ミズタマソウ>タニタデ>ウシタキソウ
ということになります。
でも、このように似ている近い仲間同士の植物ですので、これらの種の間には雑種ができます。 つまり中間の形質を持つものもあるので、いっそうややこしくなります。
ところで、ウシタキソウの名前は、牛滝山に由来するのですが、この牛滝山が大阪府の牛滝山なのか、富山県の牛滝山なのかは不明のようです。
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コメント
そよかぜさん、おはようございます。
長崎ではウシタキソウをまだ見たことがありません。記録がある山ではミズタマソウの茎を見るようにしているのですが、はっきりしません。今日のそよかぜさんの写真でなんとなくその実態が見えてきました ^m^
ありがとうございました。
投稿: panda | 2011年8月23日 (火) 08時31分
ウシタキソウはミズタマソウよりも数は少ないようですね。
上で葉身と葉柄の関係を書きましたが、そのことと深く関係して、葉の幅がウシタキソウとミズタマソウではかなり違います。こちらの方がパッと見た印象で違いを知るのに役立つかもしれません。
投稿: そよかぜ | 2011年8月24日 (水) 07時20分
先日、植物観察会で初めてウシタキソウに出会いました。
ミズタマソウっとばっかり思ってました、ウシタキソウを知らなかったのでお花ばっかりに気を取られてて肝心の特徴を見逃し、撮った写真にはウシタキソウの特徴が・・・無かった。
撮り方を反省です。
このページのリンクをお願いします。
投稿: わんちゃん | 2014年8月 1日 (金) 15時35分
ミズタマソウの仲間だと分かっただけでもいいじゃないですか。
あとは写真を全体・部分等、できるだけいろいろ撮っておくことでしょうね。
リンクの件は了解です。
投稿: そよかぜ | 2014年8月 1日 (金) 20時59分