コシダの胞子のう
コシダが胞子を飛散させるのは、今年は例年より少し遅かったようで、大阪付近では8月中旬でした。 コシダの胞子のうは今年展開した葉の裏にできるので、春の気候不順が影響して全体の進行が遅くなったようです。
複雑な分岐をしているコシダの葉がどのような経過を経て展開するのか、今年はコシダに注目して、その経過を2月5日と6月12日に記事にしました。 こうなると、生殖に関する胞子のうに触れておかないわけにはいかないか、というわけで、今回はコシダの胞子のうについてですが、結論から書くと、コシダはウラジロと同じ科に分類されていて、ウラジロの所で書いた内容とほとんど同じです。
ウラジロの所で書いた内容を簡単にまとめておくと、胞子のうの中の胞子を飛散させるしくみとして環帯があるのですが、コシダやウラジロの環帯は「完全環帯」で、完全環帯は原始的で機能的には不完全な環帯で、ルーペで見てもはっきりしないということでした(詳しくはウラジロの記事を見てください)。
上がまだ破れていないコシダの胞子のう群で、下が胞子のうが破れて胞子を飛散させた胞子のう群です。 コシダの胞子のうは薄緑色をしていてなかなか美しいのですが、数が少ないのもウラジロと同じです。 やはり地下茎で群落を大きくしていく方に重点を置いた繁殖戦略を取っているのですね。
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