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2011年8月 8日 (月)

ムカゴイラクサ

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 ムカゴイラクサは、秋にムカゴを作るイラクサの仲間で、山地の陰湿地に生える多年草です。 上の写真のように、この時期には、まだムカゴはできていません。
 そして鋭い刺毛を持っていて、これに触れると痛くてイライラする草です。 同様の刺毛を持つイラクサ属の葉が対生であるのに対し、ムカゴイラクサ属の葉は互生です。

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 花は風媒花で、7月下旬から9月に咲き、雌雄同株です。 雌花序は頂の葉腋から上に伸びます。 それぞれの雌花は、基部の緑色の子房から、白く長い糸状の柱頭が伸びています(上の写真)。
 一方の雄花序は頂から少し下がった葉腋から出ています。 下は雄花序の一部を拡大したものですが、小さい花が咲く時期をずらして次々と咲き、長い期間花粉を飛ばすしくみになっています。

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 はじめに少し書いたように、ムカゴイラクサには、葉の表にも裏にも、茎にも、イラクサなどと同様の刺毛を持っていて、草食動物による被食を防いでいます。

Mukagoirakusa110730_4    葉の表

Mukagoirakusa110730_6    葉の裏

Mukagoirakusa110730_7    茎

 下は葉の表の刺毛を拡大したものですが、この刺毛の基部にはヒスタミンとアセチルコリンを含んだ液体が入っており、この液体が皮膚に触れると強い痛みを感じます。

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 ちなみに、イラクサの中国名は蕁麻で、この蕁麻に触れた時と同様の発疹が見られるのが蕁麻疹(じんましん)というわけです。 もちろん見た目が似ているだけで、一方は痛みであり、他方はかゆみです。

 立場を変えて見ますと、イラクサやムカゴイラクサの仲間は、このような刺毛で“武装”しなければ、どんどん食べられてしまうほど美味しい植物だということにもなります。
 刺毛の毒は茹でると消えます。 ムカゴイラクサと同じ属のミヤマイラクサは、東北地方や新潟県などでは、「あいこ」と呼ばれ、昔から親しまれている美味しい山菜です。 またイラクサ属のセイヨウイラクサは、ヨーロッパでは料理やハーブとしてよく使われています。

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コメント

こんにちは。
ムカゴイラクサは見たことがありませんが、数年前にイラクサの毒を知らずに触ってしまい、数日、指先が痛かったことがあります。別に食べるつもりはありませんでしたが、それほど美味なら、一度試してみたいものです。

投稿: 多摩NTの住人 | 2011年8月 8日 (月) 20時23分

イラクサはミヤマイラクサよりは味は落ちるようですが、それでも第二次世界大戦中は、救荒植物として、茹でた葉を乾燥させて食料にしていたようです。

投稿: そよかぜ | 2011年8月 9日 (火) 06時41分

美味しい?のなら、ぜひ食してみたいですけど、刺毛で“武装”されてたら立ち向かえないです。
採集するときの方法をいろいろ考えてみましたが、良いのが思いつきません。

投稿: わんちゃん | 2011年8月12日 (金) 17時54分

採集する時は、丈夫な手袋をつけましょう。
それでO.K.です。

投稿: そよかぜ | 2011年8月13日 (土) 00時38分

>立場を変えて見ますと、イラクサやムカゴイラクサの仲間は、このような刺毛で“武装”しなければ、どんどん食べられてしまうほど美味しい植物だということにもなります。

採集するときには丈夫な手袋を・・・
と、アドバイスを頂いたのに
先だって奈良公園でイラクサに出合った時、
そのスゴイ棘(刺毛)に圧倒されて
「美味しい植物・・・」ということをすっかり忘れてました。

投稿: わんちゃん | 2011年10月14日 (金) 18時17分

まずは安心してさわることのできるミズあたりからどうですか、って、人に薦める前にみずから試せ、って言われそうですね。

投稿: そよかぜ | 2011年10月14日 (金) 23時33分

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