オオキンカメムシ
大阪付近で見ることのできるカメムシのうちで、大きさ、色、形などから「カメムシの王様」を選ぶとするなら、私はオオキンカメムシを選びます。
オオキンカメムシの体長は2~2.5cmあります。 体色は朱色~赤に黒い模様なのですが、光線の角度によっては紫色が見えます。 この紫色を写したくて、いろんな角度から撮ってみたのですが・・・。 ただし、この美しい色は、死ぬとその輝きは失われます。
オオキンカメムシはキンカメムシ科に分類されます。 同じキンカメムシ科に属するものとして、以前このブログでアカスジキンカメムシを記事にしましたが、このようにこの科のカメムシには派手な体色のものが何種類かいます。
キンカメムシ科は熱帯を中心に多くの種が見られます。 オオキンカメムシも、越冬は成虫で行うのですが、越冬できるのは本州南部以南です。 集団で越冬しますので、この美しい虫が数十頭集まっているところは、いちど見てみたいものです。
ところで、このオオキンカメムシは、夏にはかなり北でも見つかっていて、北海道でも採集されています。 かなりの長距離を移動することが可能なようですが、寒い所では冬は越せません。 昆虫における死滅回遊の例です。
この記事の写真は、堺市にあるフォレストガーデンで、アラカシにいるところを撮りました。 オオキンカメムシは、かつてアブラギリがよく植えられていた頃には、この実によく集まっていたのですが、本来の宿主はセンダンやクチナシではないかと言われています。 写真のオオキンカメムシのいたアラカシも、じつは3mほどの高さのクチナシの木に接して生えているアラカシでした。
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コメント
キレイですね、存在が目立って狙われないのでしょうか?心配です
昼間のようですが、ネオンサインのように
ず~っとその色を移動させてるような気がします。
>本来の宿主はセンダンやクチナシではないかと言われていま
どっちの木もウチから散歩道の間でお馴染みなんです、けど・・・
投稿: わんちゃん | 2011年7月25日 (月) 08時58分
> キレイですね、存在が目立って狙われないのでしょうか?心配です
いやなにおいと味が有効に働いているのでしょう。
この美しさは、「食べるとひどい目に遭うぞ」という警告色(=警戒色、危険色)なのでしょう。
この美しい紫色の部分は、太陽光の反射により見られます。ですから、オオキンカメムシと太陽との位置関係で、紫色になる部分は変化します。
投稿: そよかぜ | 2011年7月26日 (火) 00時41分
オオキンカメムシの原産地ってわかりますか??
投稿: くま | 2012年8月 8日 (水) 23時05分
オオキンカメムシは東南アジア一帯から日本(中央部以南)に分布しています。
温暖化の影響で少しは北へ分布を広げているのでしょうが、日本にも昔からいたようで、江戸時代にも記録があります。
投稿: そよかぜ | 2012年8月10日 (金) 00時24分
回答ありがとうございます!
調べ物があったんです!
ありがとうございました!
投稿: くま | 2012年8月10日 (金) 10時08分