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2011年7月 2日 (土)

アシダカグモの産卵とその後

 Millet.K さんからはアシダカグモのさまざまな行動をレポートしていただいています。 このブログで、前回はゴキブリの捕食について載せましたが、今回は産卵に関してまとめてみました。

Asidaka110605_1

 上は6月5日 6:15 の撮影です。 アシダカグモが洗濯機の裏で産卵を始めていました。 青い線は洗濯機のアース線です。 そして下が 7:08 です。
 上下2枚の写真を比較すると、白い糸の塊が厚みを増しています。 それに、1枚目のアシダカグモの腹部が陰になっているのですが、両方の写真の腹部を比較すると、明らかに大きさが違っています。 この間、スクワットのように体を上下に動かしながら、産卵を済ませたようです。

Asidaka110605_2

 その後、糸を出しながらグルグル回転し、卵のうが完成すると、壁にくっついていた卵のうを剥しにかかります。 下は 8:10 の撮影です。

Asidaka110605_3

 アシダカグモは卵のうを持ち歩きます。 上の個体はこの産卵後に行方知らずになってしまったのですが、下は別の個体の6月12日の様子です。

Asidaka110612_1

 下は上の写真と同一個体ですが、6月26日に異変が起こりました。 抱えていた卵のうが見当たりません。 そして、よく見ると・・・

Asidaka110626_1

 口に何かくわえています。 たぶん卵のうでしょう。 無精卵だったようです。
 クモの食事は、咬んで食べるのでもなく、管状の口を差し込んで体液を吸うのでもありません。 餌に牙を刺し込み、そこから出る消化液を注入し、餌を溶かして吸う方式です。 写真は自分の卵のうを溶かし、吸い取っているのでしょう。

※ 明日はアシダカグモの脱皮について書く予定です。

※ 無事に子グモが誕生した様子はこちらでどうぞ。

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クモ」カテゴリの記事

コメント

またまた立派な記事に。ありがとうございます。
ちなみに産卵しているのは例の越冬クモ子で、
卵嚢を抱えている写真は違う個体、通称クモ代です。

越冬クモ子は
産卵後まったく姿を見せません。
無事ならよいのですが。
そしてさきほど、仕事場の壁に
2ミリくらいの赤ちゃんが!
ゴミかと思い危うくティッシュで拭き取るところでした。
こんなミニサイズは初めて見ます。
我が家で生まれたのか、外から風にのってやてきたのか。

投稿: み。 | 2011年7月 2日 (土) 22時48分

失礼しました。さっそく記事を一部訂正しておきます。

2mmのクモを見てアシダカグモの子供だと分かるのは、さすがにアシダカグモを見慣れた み。さんですね。
この小さなクモが何を食べ、どのように大きくなるのか、姿を見せ続けていてほしいものですね。

投稿: そよかぜ | 2011年7月 2日 (土) 23時23分

そよかぜ様
すばやい対応ありがとうございます。

赤ちゃんですが
早速本日午後見失ってしまいました。
最後に見たときは床方向めがけて
走っていたので
踏んだりしていないか心配ですが
それはそれで仕方のないことかと。
それにしてもミニサイズながら
しっかりアシダカグモの形でした。
脚がすでに1本ありませんでした。
あの小ささでずいぶん旅をしてきたのかも。
午前中、壁で昼寝をするさまもなかなかサマに
なっていました。

投稿: み。 | 2011年7月 3日 (日) 16時58分

産卵や仔グモなど、6月がアシダカグモの繁殖期なのかもしれませんね。

投稿: そよかぜ | 2011年7月 5日 (火) 06時57分

洗濯機の後ろで産卵以来居所不明だった
通称越冬クモ子をさきほど発見!
なんと洗濯槽の上部にしがみついていました。
まだ卵のうを抱えています。
そして!なぜかすぐそばに
赤ちゃんグモが一体だけいます。
これってどうなってるのでしょう?
とりあえずクモ子を箱にすくい取り洗濯槽から外に出し、
その後赤ちゃんの救出にも成功。
赤ちゃんは網戸のそばに、
クモ子は卵のう抱えたままダンボールの中にいます。

投稿: み。 | 2011年7月 6日 (水) 23時39分

クモ子と赤ちゃんはたまたま居合わせたということではないでしょうか。すぐそばに、というのが気になりますが・・・。
この赤ちゃんは脚が1本無い個体とは別の個体なのでしょうか。

投稿: そよかぜ | 2011年7月 7日 (木) 07時31分

一般には、孵化直前に壁などに貼付けられた卵のうから
7〜10日後に子グモが出廬するということですが…
またまた我が家には当てはまりませんでした。
つまりクモ子は孵化してからも卵のうを抱えたままで、
すでに子グモは外に出始めていたのです。
クモ子が壁に貼付けた3時間後にはもう
ほぼ全員が外に出ていました。
貼付けたのは洗濯機と窓から約1 メートル50センチほど
離れた壁の上部です。
壁の向こうはバスルームですが、おそらく家中のどこにでも行けてさらに屋外にも出られるはずです。
貼付けられた卵のうと子グモを撮影したのち
卵のうを剥がして屋外へ出したのですが
一緒に外に出せたのは2〜3匹だけ、
他の子グモはしばらく天井にいましたが、ちょっと振動を与えると壁の隙間に入ってゆきました。

洗濯槽にはもう1匹子グモがいたんですが
逃げられてしまい外に出せませんでした。
5日前の子グモも案外クモ子の卵のうから出て来た
第1号なのかもしれませんね。確率50%です。
(外に出したマザーの子ということもあり得ますので)

投稿: み。 | 2011年7月 8日 (金) 01時30分

多くのクモでは、生まれたばかりの仔グモは集まって暮らすのですが、アシダカグモではそうではないようですね。
仔グモが何を食べ、どんな暮らしをするのか、とにかく無事の出産、おめでとうございます。

投稿: そよかぜ | 2011年7月 8日 (金) 06時50分

大変です!
産休あけのクモ代(卵のう食べた方)が
数日の休養ののち
また産卵準備に入ったもようです。
昨晩見かけたらどえらく肥えてまして
動作が鈍いのです。
調べてみましたところ
アシダカグモの飼育記録としては
5月30日に産卵、6月29日に出廬、
2回目の産卵が7月19日、出廬は8月4日という
記録がネット上にありました。
ということはまた8月のはじめには。。。

投稿: み。 | 2011年7月11日 (月) 20時18分

今度はちゃんと受精しているのでしょうかね。
これだけ次々と卵を産むということは、仔グモのほとんどは生き延びることができないということになるのでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2011年7月11日 (月) 23時37分

出廬以後、仔グモは、のべ20回くらいは
見かけましたが、個体識別は不可能。
現在リビングのフロアランプ下で
3匹ほどがウロウロ。
仕事場には2匹ほど。
仔グモは見かけますがリビングで
成体を見るのは稀です。

投稿: み。 | 2011年7月16日 (土) 11時06分

この調子でいけば、どれくらいの周期で脱皮してどのように成長するのかも分かりそうですね。

投稿: そよかぜ | 2011年7月17日 (日) 00時40分

今朝、玄関の隅で卵のうを抱えたクモ代発見!
やはり今年二度目の産卵をしていたのでした。
おそらく7月12日あたりに産卵したと思われます。

投稿: み。 | 2011年7月17日 (日) 09時19分

今度はちゃんと受精しているでしょうかね。

投稿: そよかぜ | 2011年7月17日 (日) 21時46分

大変です!
昨日、クモ代が今年3度目の産卵をしました!
「6月と8月に2度の産卵」といわれていますが
クモ代の場合5月末の1回目は無精卵だったので、
それは数に入らないということなのでしょうか?
ということは
8月5日に2度目の卵が無精卵だったクモ子も
もう一度産卵する可能性があるということなのか?
いずれも誕生すれば9月生まれの子グモとなるわけですが
我が家には6月末〜7月はじめに出廬したクモ子の子供、
7月末〜8月5日に出廬したクモ代の子供が
すでにいるわけでして、なるほど
大きさにバラつきが出るのは
こういうわけなのですね。

投稿: み。 | 2011年8月26日 (金) 04時13分

同じ時に産まれた兄弟グモでも、次第に個体差が出てくるのではないでしょうか。たくさん餌にありついた個体は早く脱皮して早く大きくなるのではないでしょうか。
Wikipediaには、「メスは10回、オスは8回の脱皮を経て、約1年で成体サイズとなる。」と書かれています。前にも書いたと思いますが、1年たったらそれ以上は脱皮して大きくならないのか、と、疑問に思っています。
これからの子供たちの成長記録、楽しみにしています。

投稿: そよかぜ | 2011年8月26日 (金) 22時13分

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