ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ
毒イチゴとしてよく知られているヘビイチゴ(上の写真)、ただしスカスカしていておいしくはありませんが、毒はありません。 植物としては食べられて種子を散布してもらうのが狙いでしょう。
そしてこのヘビイチゴに似て半日かげの場所を好む植物に、ヤブヘビイチゴがあります。 両者は別種ですが、たいへんよく似ていて、ヤブヘビイチゴの方が葉も偽果も全体的にやや大きいのですが、花を比較してもその違いはよく分かりません。
大きさは生育環境によっても変化します。 両者が別種とされるのは、その果実が異なるからです。 果実の中には種子があり、子孫を作る大切な部分はそう簡単には変えられません。 その部分の様子が異なり、その違いが安定している(=株による違いが少ない)のは、別種とされる大きな根拠です。
上で「偽果」とか「果実」とか書きましたが、“毒イチゴ”について簡単に復習しておきます。 “毒イチゴ”のつくりは、基本的には果物屋さんに並ぶイチゴ(=オランダイチゴ)と同じです。 簡単に言ってしまうと、1つの果実のように見える“毒イチゴ”全体は「偽果」で、偽果の表面にあるツブツブ1つひとつがほんとうの果実です。(詳しくはこちらをご覧ください。)
※ リンゴなどもイチゴとはタイプの違った「偽果」で、リンゴの偽果については、こちらに書いています。
上は最初の写真の一部を拡大したもので、たくさんのヘビイチゴの果実が写っています。 果実の表面はデコボコしています。 図鑑ではよく「しわがある」と表現されています。
そして下がヤブヘビイチゴの果実です。ヘビイチゴの果実の表面と比較すると、滑らかです。 もっとも、ここまで拡大して写すと、ヤブヘビイチゴの果実の表面にも、肉眼ではとても見えないたいへん細かいしわがあるのですが・・・。
そして下がヤブヘビイチゴの偽果です。 上の写真は下の写真の一部を拡大したものです。 光沢の有無は光の当て方で変化するので、写真での比較は難しいのですが、肉眼的には、果実のデコボコの少ないヤブヘビイチゴの方が、光が乱反射されにくく、光沢があるように見えます。
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コメント
隣同士で出合ったら
こっちがヘビ・・・こっちがヤブヘビ・・・
と解るかもしれない
けど、大きさとかでは決められないとか?
別々に出会ったらなおさらワカラナ~イです
葉っぱも決め手かな?けど、ワカラナイです。
投稿: わんちゃん | 2011年7月 6日 (水) 16時40分
見慣れると色や光沢などでも分かるのですが、はじめはルーペで果実を見ることでしょうかね。
投稿: そよかぜ | 2011年7月 7日 (木) 07時27分