ヤマトシロアリの生殖虫(有翅虫)
シロアリは白い蟻(アリ)の意味ですが、分類学的にはアリとはかなり離れていて、アリがハチの仲間であるのに対し、シロアリは社会性を発達させたゴキブリの仲間と言えます。
シロアリの仲間は暖かい場所で多くの種類が見られ、南西諸島では10種を超えますが、日本本土で普通に見られるのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種です。
イエシロアリが地下に巣を作り、そこからトンネルを掘り、あちこちの木材を食べ、木造家屋に大きな被害を与えるのに対し、ヤマトシロアリは湿った木材の中に巣を作り、周辺を食べながら巣を広げるだけですので、被害は限定的ですし、自然界における分解者としての役割も担っています。
ヤマトシロアリは、コロニーを増加させるため、4~5月の10時頃~正午頃に、生殖虫(有翅虫)が“結婚飛行”に飛び立ちます。
イエシロアリの有翅虫が、頭部が褐色で胸腹部は黄褐色、翅も白いのに対し、ヤマトシロアリは、普段の姿はもちろん白いのですが、有翅虫は胸の黄色を除いて全身黒褐色で、羽根も薄黒い色をしています(下の写真)。
5月21日の10時20分頃、近くの里山を歩いていて、このヤマトシロアリの有翅虫が飛び立つところに出会いました。 次々と飛び立ちますが、そんなに遠くまでは飛べない様子です。
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