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2011年5月 8日 (日)

5月初旬のイスノキ

 イスノキは暖地の森林に自生するマンサク科の常緑高木です。 花は葉腋に総状花序につくのですが、花序の基部には雄花が、上の方には両性花がつき、いずれも小さなガクはあるものの、花弁はありません。(この花のつくりについては、もう少し詳しくこちらに載せています。)

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 大阪付近では花は4月上旬に咲き出し、その頃はオシベの真っ赤な葯が美しいのですが、上の写真ではオシベは花粉を出してしまい、メシベの子房が膨れはじめています。
 マンサク科の花の特徴として、子房が2室に分かれていることが挙げられます。 この子房が果実になり、熟すと左右に裂けて種子を散布するのですが、写真中央上のメシベの柱頭は3本の奇形です。 子房が膨らんでいるので種子ができつつあるのでしょうが、この果実がどのように裂けるのか、見てみたいものです。
 マンサク科の植物は、上に書いたように、果実を見れば共通点が理解できるのですが、花は、花序が垂れ下がるトサミズキ、2つの花が背中合わせに咲くマルバノキ、花弁がリボンのようなマンサク、球形に花が密集する(したがって果実も球形につく)フウの仲間、そしてこの花弁の無いイスノキなど、ほんとうに個性派ぞろいです。

 イスノキにはよく虫えい(=虫こぶ)がつきます。 イスノキはあまり特徴のはっきりしない木ですが、たくさんの虫えいがついている常緑で全縁の葉のついている木を見つけたらイスノキではないかと疑えるほどです。
 イスノキでよく見られる虫えいには2種類あって、ひとつは芽が虫えいになったイスノナガタマフシ(=ひょんの実:こちらの記事の中ほどに載せています)で、もうひとつは葉にできるイスノキハタマフシです。 上の写真でも右端に古いイスノキハタマフシが写っていますが、若い葉にはたくさんの虫えいが作られていました(下の写真の赤い矢印)。 これはヤノイスアブラムシの寄生によって作られるもので、この膨らみの中の空間で、最初1頭だったアブラムシは、葉の汁を吸いながら、単為生殖でたくさんの仲間を増やします。

Isunoki110506_2

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コメント

イスノキはひょっとして丈夫で
椅子の脚の材に使われるのかな?と。そんなワケないですよね?

花びらの無いお花、プックリふくらんだ瘤のある葉っぱ、面白い木ですね。
プックリした瘤を開けてみたらゾロゾロゾロとアブラムシが?

投稿: わんちゃん | 2011年5月13日 (金) 14時33分

イスノキの語源にはいろんな説がありますが、比較的よく言われているのは、ユツツマグシ(斎つ爪櫛)、つまり、神聖で清浄な刺し櫛などの「ユツ」が「ユス」に変化し「イス」になったというものです。
イスノキの芯材は、国内産材では最も堅いと云われていますが、椅子とは関係なさそうですね。

投稿: そよかぜ | 2011年5月13日 (金) 22時39分

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