メスアカケバエ
メスの胸部や腹部がオレンジ色の、全身毛の多いハエ、そのまんまのネーミングです。 オスは全身真っ黒です。
幼虫はリター(落ち葉などの植物遺体)を食べて育ちます。 メスアカケバエの、特にメスの前足の脛節の先には、丈夫なトゲがついています。 このトゲは産卵時にリターを掘るために使用するようです。
春、羽化したオスは集団でメスの羽化を待ち構えます。 長い脚をだらんと下げて飛ぶ姿は、あまり上手な飛行とは思えませんが・・・。
以前ハグロケバエにつて記事にしましたが、このあたりの状況は同じで、オスに比べて数の少ないメスを早く発見するため、オスは、体の大きさはメスより小さいのですが、メスより大きな複眼を持っています。
交尾に成功したオスは長くメスにくっついたままです。 精子は半日以内にメスの体内に渡されますが、他のオスにメスを取られないため、オスは2~3日もくっついたままでいるようです。
交尾中の昆虫の写真を撮っていると、オスとメスが離れてしまう昆虫も多いのですが、この写真を撮っている時も、結局交尾姿のまま、飛び去ってしまいました。
結果として、交尾している状態でよく人目に触れることとなります。 アメリカでは、メスアカケバエは Love Bug(愛の虫)とか、Honey Moon Fly(新婚旅行バエ)と呼ばれているようです。
※ この記事の写真は5月4日に撮ったものです。 春は載せたいものがいっぱいで困ります。
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コメント
カラスノエンドウの生い茂ってるところで
メスアカケバエの集団お見合い(?)らしき様子を目撃したことがありました
ラブラブなところは気が付かないまま・・・
「興味が無ければ見えてなかったモノが興味があると見えてくる・・・」
と、いうことを教わった直後のことでした。
オスもメスアカケバエっていうのがフシギ
投稿: わんちゃん | 2011年5月16日 (月) 23時19分
わんちゃんの2008年6月12日の記事ですね。
一斉に羽化してくるのも不思議ですね。
投稿: そよかぜ | 2011年5月17日 (火) 23時26分
メスアカケバエ
あの時以来、その場所では全く見かけなくなりました、散歩圏内の他の場所ででもです。
この写真で見る限り、
メスの方が断然大きく虫たちは意外とノミの夫婦?
名無しの虫たちに無事名前がついて・・・
そよかぜさんアリガトウです。
投稿: わんちゃん | 2011年5月18日 (水) 21時24分
集団結婚の時間は短く、後は分散してしまって目立たなくなるのでしょうね。
ノミもそうですが、小さな虫の世界ではメスの方が大きいことはよくあります。
オスが争う動物ではオスは強い、つまり大きい方がいいのでしょうが、そんなにオス同士が強く争うことの無い場合は、腹に卵をたくさん持ったメスの方が大きくなる、と、考えればいいのでしょうね。
でも、小さければ小さいなりに、このメスアカケバエの場合も、集団結婚でメスを得ることのできるオスは、やはり体の大きいオスのようですよ。
投稿: そよかぜ | 2011年5月18日 (水) 23時02分