クマガイソウ
クマガイソウは森林内に生える草丈40cmになるランです。 地下茎が長く走るため鉢植えは無理なのですが、目立つランの宿命でしょうか、乱獲で自生地はたいへん少なくなっています。 それにクマガイソウに関しては、まだ多くのランで行われている無菌播種による増殖技術が確立されていません(注1)。
大阪の近くでは、滋賀県と三重県の境にある御池岳に残っているのですが、今回は京都府立植物園のクマガイソウです。 今年は例年より花が遅れているだろうと予想して出かけましたが、ちょうど花のいい時期に出会うことができました。
クマガイソウの名前は、アツモリソウと対を成していて、これらのランの唇弁を武士が背中に背負った母衣(ほろ)に見立て、平家物語などで有名な熊谷直実(くまがいなおざね)と平敦盛(たいらのあつもり)の名前を借りたものです。
(注1)
台湾産のタイワンクマガイソウは地下茎が短いために鉢植えも可能であり、海外では無菌播種も行われています。
タイワンクマガイソウはクマガイソウとよく似ていますが、ガク片も側花弁も唇弁同様の白い色をしています。
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コメント
クマガイソウは本当に変わった形の花ですね。以前、『クマガイソウは熊がいそうな場所に咲く。』 と聞いて妙に納得したものでした。
投稿: 多摩NTの住人 | 2011年5月10日 (火) 21時34分
クマガイソウは本来は竹林や杉林など、もっと人の生活の場に近い所に見られる植物でした。つまり盗掘されやすい場所だったわけで、今は深山の“熊がいそう”な場所にしか残っていないことが残念です。
でも、「熊がいそう」、おもしろいですね。ありがとうございました。
投稿: そよかぜ | 2011年5月11日 (水) 06時27分
ランのお花の特徴を教えていただいたんですが、クマガイソウに関してはどう考えても??の世界です。
母衣(ほろ)の形をしたところが??です。
投稿: わんちゃん | 2011年5月14日 (土) 23時21分
記事に追加する説明用の図を作成します。
しばらくお待ちを・・・。
投稿: そよかぜ | 2011年5月15日 (日) 08時43分