コバンノキ
コバンノキが花をつけていました。 コバンノキは近畿から九州にかけて分布する落葉低木です。 名前は、小判のような形の葉がついているから。 花が無ければ複葉のようにも見えますが、花は葉腋に付き、複葉の途中には付きませんから、“小判”1枚が1枚の葉です。
花は雌雄異花で、枝の基部近くには雄花だけが、枝の先の方には雌花と雄花がつきます。 下は雄花で、花弁は無く、暗紫色の4枚のガク片に囲まれて、2本のオシベがあります。 オシベの基部には蜜腺があります。
下は枝の先の方で、雄花と雌花が写っています。 雌花はガク片も緑色で、注意しないと見落としてしまいます。
コバンノキはトウダイグサ科に分類され、1年草のコミカンソウと同じ属です。 が、小さな小さなミカンのような実をたくさんつけるコミカンソウと異なり、秋に熟すコバンノキの実は黒色で、実の数もそんなに多くありません。
コバンノキには、花をつけた小枝(=実をつけている小枝)は、秋に複葉が落ちるように、小枝ごと落ちるという、おもしろい性質があります。
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コメント
3枚目の写真を見て「うん?」と思いました。
イスノキの花とちょっと似てるけどって・・・
コバン(小判)ソウが散歩道で見かける季節になりました、よく見ると、ヒメコバンソウも・・・
山吹色の小判にはみ~んな誰も憧れがあるんでしょうか?
投稿: わんちゃん | 2011年5月18日 (水) 21時32分
イスノキと比較すると、たしかに花弁の無い小さな花が集まっているところなど、似てはいますが、果実の様子は異なります。
コバンノキの花に似ているものは、コミカンソウは特別として、やはり同じトウダイグサ科の花です。
例えばトウダイグサの花と比較すると、一見似ていないようですが、じっくり見ると、本質的に似ている花だと分かるでしょう。
コバンノキの花では、ガクがあるので、メシベだけの雌花、オシベだけの雄花であることが分かります。だからオシベとメシベが揃っていて1つの花のように見えるトウダイグサの花も、じつは花序、つまり複数の花の集まり、つまりオシベだけの花とメシベだけの花の集まりだと考えられるわけです。
投稿: そよかぜ | 2011年5月18日 (水) 23時23分