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2011年5月29日 (日)

アシダカグモのゴキブリ退治

 アシダカグモの記事に、アシダカグモの観察結果を、たくさんのコメントとして送っていただいている「み。」さん(= Millet.K さん)からは、たくさんの写真もいただいています。
 「み。」さんは複数のアシダカグモを個体識別され、その行動を知らせていただいているのですが、 今回はそのうちのゴキブリの捕食に関して、記事にまとめてみました。
 下は、このブログで、この冬の越冬の様子を、アシダカグモの越冬越冬中のアシダカグモのその後アシダカグモ動き出す の3つの記事でお知らせしたのと同一個体の、ゴキブリを捕えた様子です。
 この個体は頭胸部背面に隈取りのように見える縦に長い模様があるのですが、この模様がゴキブリを捕えた時に濃くなった気がするとのことです。 体の表面が硬いクチクラで覆われている昆虫と異なり、クモの体表は柔らかく、神経系の支配を受けて変化する色素細胞があるのかもしれません。

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 アシダカグモは屋内に侵入したムカデなども捕食するようですが、やはり多くの場合、獲物はゴキブリのようです。
 下は上とは別の個体の食餌風景ですが、捕えたゴキブリを糸で巻いている様子がよく分かります。
 アシダカグモは徘徊性のクモで、あまり糸は目立ちませんが、越冬中に糸で簡単な巣を作っていることは既に記事にしましたし、移動の時も必ず細い糸を出していますし、時には糸にぶら下がることも「み。」さんは観察しておられます。 そして、やはり獲物を捕えた時にも糸を使っているようですね。 

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 ところで、食事の後、アシダカグモはどうしているのでしょうか。 「み。」さんの観察によれば、多くの場合、休息モードになってほとんど移動しないようです。 5月15日にいただいた観察記録では、ある個体の食事は、4月27日と30日、5月3日で、それ以後は食べずに物陰で休んでいた個体が、5月15日にはすっきりした姿になって現れたとのことでした。
 食事の回数としては少ないようですが、体温を維持する必要の無い変温動物は、我々恒温動物の常識からすると驚くほど少ない食事で済むようです。(我々人間は消費される全エネルギーの約7割を体温維持のために使っているとのことです。)

【関連記事】
アシダカグモは死んだゴキブリも食べる
※ アシダカグモの産卵はこちらでどうぞ。

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クモ」カテゴリの記事

コメント

そよかぜさんの美しいネイチャーフォトに混じり
このようなお題はいかがなものかと
おしかりを受けそうな写真ですね。。。
こちらのブログのファンのみなさまスミマセン。

梅雨寒のせいかほぼ全員が隠れてしまい
一気にゴキブリ天国です。
退治されたかと思ってましたが結構いるものですね。
上の写真の越冬アシダカグモだけが
キッチンのカウンター上部の壁るのですが
満腹なのかはたまた子供を宿したのか
数センチ下をゴキブリが通っても
見向きもしません。

投稿: み。 | 2011年5月30日 (月) 23時50分

身近な自然に関するものなら何でも取り上げようとしているこのブログ、いろんな人に見ていただいているようですので、この写真に興味を惹かれる人もきっとたくさんおられると思います。
アシダカグモの数センチ下をゴキブリが通っても見向きもしないというのも、実験室内での観察とは違っています。いろいろおもしろいことがわかってきます。

投稿: そよかぜ | 2011年5月31日 (火) 07時41分

普通なら
「キャァ~~」で終わってしまうところが
ず~っとの観察が続くところが
面白くも楽しくもアリです。

アシダカグモさんのキャラが浮き彫りにされるところも・・・ね。

投稿: わんちゃん | 2011年6月 2日 (木) 15時15分

わんちゃんさま
獲物を締め上げるときクルクル回るのですが
ちょうどにゃんこがお気に入りのぬいぐるみを
くわえてうみゃ〜とか言ってるときみたいなんですよ。
食後や起きたときに顔を洗うというか
脚をなめたりする仕草もねこっぽいです。
でも、にゃんこがゴキブリを見つけてしまったあとの
惨状は、アシダカグモの食後のとは比べ物にならないかもです。

そよかぜさま
一般に言われている
「夜行性で昼間はほどんど見かけない」という点は
我が家では相当あてはまりません。
物陰ではなく壁に張り付いて過ごすことが多いですね。

投稿: み。 | 2011年6月 3日 (金) 01時27分

み。さんの家のアシダカグモが人の動きに慣れてしまっているのか、複数の個体=仲間 がいることが影響しているのか、とにかくいろいろ観察させてくれる環境は貴重ですね。

投稿: そよかぜ | 2011年6月 3日 (金) 07時06分

今年はゴキブリが多く
アシダカグモ成体メスが産休に入っている間に
大発生しました。
キッチンで孤軍奮闘していた通称「クモ次郎」が
満腹&脱皮のため一時不在の現在
ゴキブリ天国です。
小さなアシダカグモにはまだ成体のクロゴキブリ退治は
ムリのようで、フロアランプの近くで
チャタテムシを食べています。

投稿: み。 | 2011年6月29日 (水) 02時00分

ということは、屋内でアシダカグモが増えるためには、チャタテムシなどの小さな虫も必要ということになりますね。
生まれたばかりのアシダカグモの餌は何なんでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2011年6月29日 (水) 07時33分

生まれたばかりの子グモはまだ目撃していません。
卵嚢の中にいるときに無精卵を食べるという話ですが
観察はできなさそうです。
なににせよ自分の体に見合った獲物を食べているのでしょう。
共食いはするのか?という疑問はありますが
我が家では目撃したことはありません。
幼体のときは兄弟という認識があったのか、仲良くフロアランプのそばで暮らしていましたし
昨年オスが2体同じ部屋にいたときに
縄張り争いのような事態にはなりませんでした。

投稿: み。 | 2011年7月 1日 (金) 21時57分

アシダカグモは動くものしか見えない、ということは無いでしょうか。
仲間が傍にいる時は、互いに餌にならないようにゆっくり動くということはないでしょうか。

投稿: そよかぜ | 2011年7月 2日 (土) 22時05分

ゴキブリ退治の記事がじわっと人気上昇中のようですね。
1枚目の写真が飼育箱の中ではなく
自然な状態で撮られたアシダカグモの捕食場面としては
珍しいのかも知れませんね。
さて成体で見かけるのはクモ代だけで
少々寂しい今日このごろ。
越冬クモ子の子供たちは3回目の脱皮をした様子で
ゴキブリの幼虫を食べています。
ほぼ1カ月遅れのクモ代の子供とは
だいぶ大きさに違いが出てきました。
大小のアシダカグモがいる場合、
大きい方が遠慮するみたいな場面をよく見ます。
子供たちが育っているリビングのフロアランプそばには
成体はあまり近寄って来ません。
(ゴキブリがいないせいもあるでしょうが)
外にいる中ぐらいのアシダカグモが先日
黒い蛾をくわえて運び去るのを目撃。
なんでも食べるものですね。

投稿: み。 | 2011年8月20日 (土) 15時50分

> ゴキブリ退治の記事がじわっと人気上昇中のようですね。

最初の頃、み。さんに心配していただきましたが、このブログを見ていただいている方の中には、こういう写真が好きだという方もたくさんおられるということでしょう。
このブログは植物の記事の方が多いと思うのですが、今日現在で「人気記事ランキング」は全て虫になってしまいました。

> 大小のアシダカグモがいる場合、
> 大きい方が遠慮するみたいな場面をよく見ます。

これもおもしろいことですね。
動く適当な大きさのものを餌として認識しているのではない、ということですね。

投稿: そよかぜ | 2011年8月20日 (土) 23時40分

ちなみに外のアシダカグモがくわえていた
黒い蛾ですが
とまっている状態で本当に真っ黒です。
こちらのブログには載っていませんが
カラスヨトウという名前らしいです。
見ようによっては
横幅のあるゴキブリにも見えますね。

投稿: み。 | 2011年8月23日 (火) 13時29分

なるほど、カラスヨトウですか。
たしかにゴキブリ的な蛾ですね。
でも動きは全く違いますね。

投稿: そよかぜ | 2011年8月24日 (水) 07時24分

ごぶさたしてしまいました。
先日はじめて共食いを目撃。
床にいたクモ代の子(遅く生まれた方)が
人の動きに驚きダッシュで逃げた先に
クモ子の子(脱皮2段階くらい大)がいて
一瞬の静寂ののち
大きい方が小さい方を捕えて食べました。

投稿: み。 | 2011年9月17日 (土) 21時18分

やっぱり共食いは起こるんですね。
適当な大きさのものが動くと襲われるんですね。
以前書いていただいた、大小のアシダカグモがいる場合、大きい方が遠慮するようだというのは、あまり大きさに差が無い場合、大きい方が一瞬襲おうとするのですが、やはり無理だとあきらめた行動だと理解すればどうでしょうか。

投稿: そよかぜ | 2011年9月18日 (日) 06時57分

アシダカグモは
近くをゴキブリが通っても襲わないことがあります。

満腹である
産卵あるいは脱皮が間近
子育て中(卵のうを抱えている)
体力がない
獲物が大きすぎる(子グモはある程度の大きさにならないとゴキブリを襲えません)

という理由があげられます。

投稿: み。 | 2011年10月22日 (土) 06時51分

昆虫やクモなどは本能行動(=決まった刺激に対しての決まった行動)が中心と言われていますが、そんなに単純な行動じゃなさそうですね。

投稿: そよかぜ | 2011年10月22日 (土) 15時55分

ひさびさに
アシダカグモのゴキブリ退治を目撃。
おそらく昨年生まれの幼体(完全形)が
自分より大きいゴキブリに食らいついていました。
ゴキブリは一番上の写真程度の大きさです。
見た限りでは背面から押さえ込んで
ゴキブリの頭の横あたりを齧っていました。
上の二枚目の写真のように糸は使っていなかったです。
食事を終えたアシダカグモのお腹は
頭と同じくらい丸くなっていました。
ゴキブリの残骸は丸まってはおらず
足や背中側が残ったままでした。

投稿: み。 | 2013年7月 8日 (月) 05時50分

ゴキブリの残骸が丸まっていないということは、消化液を注入されて体の内部が溶かされ、その液を吸われて縮んだのではなく、齧られたのだ、ということですね。

投稿: そよかぜ | 2013年7月 9日 (火) 08時13分

アシダガグモが小心者過ぎて驚きました。今朝トイレに入ったら床にいたのでびっくりしたのですが、蜘蛛の方がひっくりかえってパニックになっていました。ビビりすぎ。
そして洋式便座の後ろへひっくり返りながら移動。こちらが終わるまで身動きしない。
トイレから出るとき蜘蛛もあわてて扉に向かって動いていましたが運悪く母が入ろうとしたので事情を説明して「そっとしてあげて」と声をかけましたが、後でトイレを見るとひっくり返って気絶状態。扉を開けていたのだけど怖かったのでしょうか。
長いトングでつまんで外に逃がしましたがその時動いたのでまだ生きていたと思います。
けど母に「あんな小心者でゴキブリ捕まえられるの?」と言われてしまいました。

投稿: roro | 2013年7月21日 (日) 12時24分

roroさん、とてもおもしろい話題提供、ありがとうございました。
このことに関して、少し私の意見を書いておきます。
まず、本文に書いたように、アシダカグモは私たち恒温動物に比較すると、驚くほど小食です。アシダカグモがゴキブリを食べるといっても、そんなに次々とゴキブリを捕らえているのではなさそうです。
次に、アシダカグモだって健康なものばかりとは限りません。クモに寄生する虫や体内を侵す菌もたくさんいます。このアシダカグモ、かなり弱っていたのかもしれませんね。

投稿: そよかぜ | 2013年7月21日 (日) 22時26分

あたふたと逃げた時は元気よさそうに見えたのですが、こんな風に見つけられてしまうのはやはり状態が悪かったのかもしれないですね。
見かけと違い弱い・臆病・毒なしと思うと家で見つけても気にしないよう心がけています。が、やはり姿がこわい・・・

投稿: roro | 2013年7月22日 (月) 21時58分

恐怖心は理屈ではなかなか消えないですからね。
しかしこのクモに対する恐怖心はどこから来るのでしょうね。
人類の祖先の段階で危険がいっぱいの夜の闇のイメージと結びついているのでしょうか。それとも子供の頃にインプットされた毒グモの話や周囲の大人が怖がるという文化に洗脳されてしまっているのでしょうかね。

投稿: そよかぜ | 2013年7月22日 (月) 23時45分

はじめまして。

つい先日アシダカグモを飼いはじめました。
猫におもちゃにされているところを保護したので弱っており、しばらく動けず、脚も取れたりしていたのですが、1日ほど放置しておいたところ動き回れるようになっていました。

ゴキブリを捕獲する勇気がなかったためバッタを2匹(2センチほど)与えてみたところ、食べやすかったのか脚を残してぺろりと数時間で完食。

砂糖水を与えたところながいあいだ飲んでいました。

また、次の日に猫におもちゃにされていた弱ったゴキブリ(動ける。2センチほど)を与えたところ捉えて8時間ほどで食べました。
その時なのですが、ゴキブリが動いたからかお尻から糸を出してゴキブリを固定していました。
食べながら食べている近辺をぐるぐると動き回っていたのですが、そういった意図もあったようで驚いています。それも、ゴキブリに巻き付けるようになっているわけではなく、ゴキブリを壁に押し付けてネットを被せるようにして固定していました。

今度はちゃんと観察してみようと思います。

投稿: れいん | 2015年7月12日 (日) 07時55分

飼い始めていろいろ関わりだすと、いろんな姿を見せてくれるようですね。
食餌ひとつをとっても、満腹か空腹か、気温が高くて活発に活動できるのかそうでないのかなど、いろんな条件で変わってくるのだと思います。
楽しいコメントをありがとうございます。
また新しい発見がありましたら教えてくださいね。

投稿: そよかぜ | 2015年7月12日 (日) 21時05分

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