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2011年5月31日 (火)

ケブカキベリナガカスミカメ

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 この春はあちこちでケブカキベリナガカスミカメに出会いました。 上は5月6日に京都府立植物園で、下は5月14日に近所の公園で撮ったものです。

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 ケブカキベリナガカスミカメは長さ6~7mm、4月から6月に見られます。 毛深いといっても、細く短い毛ですので、写真のような倍率では毛は分かりません。

 カスミカメは、かすんで見えるほど小さなカメムシという意味ですが、この仲間には拡大すると美しいものも多く、なかなか楽しめます。
 このブログでは、今までに次のようなカスミカメの仲間を記事にしています。

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2011年5月30日 (月)

クワキヨコバイ

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 写真は5月14日に撮ったものですが、この日、いろんな木の葉にクワキヨコバイがいました。 汁を吸うのはクワとは限りません。

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 タイトルにはクワキヨコバイと書きましたが、近年になって、クワキヨコバイは1種類ではないことが分かってきました。 それも半端な数ではありません。
 2006年に出された埼玉大学の総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書によれば、クワキヨコバイの仲間(Pagaronia属)は70種が記載されていますが、ここ数年のフィールド調査によって、日本列島からさらに110種以上のクワキヨコバイ属の未記載種が確認されているとのことです(林正美:日本列島におけるヨコバイ科昆虫の多様化および生物地理)。

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2011年5月29日 (日)

アシダカグモのゴキブリ退治

 アシダカグモの記事に、アシダカグモの観察結果を、たくさんのコメントとして送っていただいている「み。」さん(= Millet.K さん)からは、たくさんの写真もいただいています。
 「み。」さんは複数のアシダカグモを個体識別され、その行動を知らせていただいているのですが、 今回はそのうちのゴキブリの捕食に関して、記事にまとめてみました。
 下は、このブログで、この冬の越冬の様子を、アシダカグモの越冬越冬中のアシダカグモのその後アシダカグモ動き出す の3つの記事でお知らせしたのと同一個体の、ゴキブリを捕えた様子です。
 この個体は頭胸部背面に隈取りのように見える縦に長い模様があるのですが、この模様がゴキブリを捕えた時に濃くなった気がするとのことです。 体の表面が硬いクチクラで覆われている昆虫と異なり、クモの体表は柔らかく、神経系の支配を受けて変化する色素細胞があるのかもしれません。

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 アシダカグモは屋内に侵入したムカデなども捕食するようですが、やはり多くの場合、獲物はゴキブリのようです。
 下は上とは別の個体の食餌風景ですが、捕えたゴキブリを糸で巻いている様子がよく分かります。
 アシダカグモは徘徊性のクモで、あまり糸は目立ちませんが、越冬中に糸で簡単な巣を作っていることは既に記事にしましたし、移動の時も必ず細い糸を出していますし、時には糸にぶら下がることも「み。」さんは観察しておられます。 そして、やはり獲物を捕えた時にも糸を使っているようですね。 

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 ところで、食事の後、アシダカグモはどうしているのでしょうか。 「み。」さんの観察によれば、多くの場合、休息モードになってほとんど移動しないようです。 5月15日にいただいた観察記録では、ある個体の食事は、4月27日と30日、5月3日で、それ以後は食べずに物陰で休んでいた個体が、5月15日にはすっきりした姿になって現れたとのことでした。
 食事の回数としては少ないようですが、体温を維持する必要の無い変温動物は、我々恒温動物の常識からすると驚くほど少ない食事で済むようです。(我々人間は消費される全エネルギーの約7割を体温維持のために使っているとのことです。)

【関連記事】
アシダカグモは死んだゴキブリも食べる
※ アシダカグモの産卵はこちらでどうぞ。

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2011年5月28日 (土)

オヤブジラミ

 写真はオヤブジラミの花と、後ろはその果実です。

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 藪を歩いていると小さな果実が虱のようにくっつくヤブジラミ、そのヤブジラミに似て少し大きいのがオヤブジラミというわけです。
 オヤブジラミとヤブジラミの違いをいくつか挙げておきます。 まず、オヤブジラミの花は、大阪付近では4~5月に咲きますが、ヤブジラミの花は少し遅れ、6月~7月が中心です。 花はオヤブジラミが少し赤みがかっているのに対し、ヤブジラミの花は白色です。 また、オヤブジラミの花の柄はヤブジラミに比較して長く、花付きはまばらな感じがします。

 下はオヤブジラミの若い果実ですが、ハナダカカメムシが汁を吸いに来ていました。

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2011年5月27日 (金)

ムラサキナガカメムシ

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 ウツギのツボミに来ていたムラサキナガカメムシです(5月8日、「堺自然ふれあいの森」にて撮影)。 複雑な模様があり、前翅の後半は透明です。
 スギ、ノリウツギ、アセビなどの実を吸汁すると、あちこちのブログには書かれていますが、生活史はよく分かっていないようです。 そんなに珍しい種類ではないのですが・・・。

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2011年5月26日 (木)

レブンソウ

 一昨日のイワヒゲに続き、京都府立植物園の生態園で咲いていたレブンソウです。

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 レブンソウは北海道の礼文島の風衝草原に初夏に咲く多年草です。 そんな植物も世話をしてやれば、京都の平地でも育つのですね。
 太い根茎を持ち、葉や茎、ガクには褐色の圧毛が密生しています。

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2011年5月25日 (水)

キイロナガツツハムシ

 クヌギの葉の裏にいたキイロナガツツハムシです。

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 キイロナガツツハムシの食餌植物は、クヌギやクリなどブナ科の葉です。 黄赤色に複眼と脚が黒色、前翅が半透明で、全体的に透明感のあるシンプルで美しいツツハムシの仲間です。

Kiironagatutuhamusi110507_2    ヒメクロオトシブミとのツーショット

 ツツハムシの仲間としては、他にクロボシツツハムシを記事にしています。

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2011年5月24日 (火)

イワヒゲ

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 イワヒゲは中部地方以北の本州と北海道に分布するほふく性の常緑小低木です。 世界的に見ても、イワヒゲの仲間は北極周辺とヒマラヤに分布していて、高山植物の代表的な植物なのですが、京都府立植物園の植物生態園で元気に育っていました。
 ひも状の茎に小さな葉が鱗片状についていますが、名前はこの様子を岩から伸びたヒゲに見立てたものでしょう。 寒さと乾燥に耐える小さな葉と、植物全体のバランスからすれば大きな、虫を呼ぶための花、厳しい環境に生きる姿です。
 花はツツジ科らしい姿で、一昨日記事にしたスノキの花とも共通点が感じられます。

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2011年5月23日 (月)

シロホシテントウ

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 シロホシテントウは、体長約4mm、キイロテントウなどと同じカビクイテントウ族で、ウドン粉病菌などのカビを食べるテントウムシの仲間です。 なお、名前も形態もよく似たムーアシロホシテントウはテントウムシ族で、幼虫も成虫もアブラムシを食べています。
 シロホシテントウやムーアシロホシテントウ以外にも、白い斑のあるテントウムシは何種類かいますが、その見分け方はシロジュウシホシテントウのところに書いています。
 写真は近くの里山で撮ったものですが、1枚撮っただけで落下されてしまい、見失ってしまいました。

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2011年5月22日 (日)

スノキ

 近くの里山でスノキが花をつけていました。

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 スノキは、北海道、本州、四国の丘陵帯から山地帯に分布する落葉低木です。 多くのツツジ科同様、やや乾燥気味の酸性土壌を好みます。
 スノキは漢字で書くと「酢の木」で、果実や葉に酸味があるところからです。 スノキの仲間( Vaccinium属)には、ビルベリー、ブルーベリー、コケモモシャシャンボナツハゼなど、実の食べられるものが多く、スノキの果実も食べることができますが、葉を噛んでも、なかなかいい味がします。

 下は花を下から覗き込むようにして撮ったものですが、長いメシベの周囲を10本のオシベが取り囲んでいます。 葯は筒状で先端が孔開しています。

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2011年5月21日 (土)

オオミズアオ

 写真は触角が発達していますので、オオミズアオのオスでしょう。

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 オオミズアオは全国どこにでも分布するヤママユガ科の蛾で、幼虫の食餌植物はバラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科など多岐にわたり、サクラの葉も食べるために、町の中でも見ることができます。 大きくて美しい蛾ですので、よく目立ち、注目もされます。
 しかし、大きな蛾は幼虫も大きく、葉もたくさん食べるので、この段階で目立って殺されてしまうのか、少なくとも私の近所の町中では個体数はそんなに多くはありません。
 成虫は5月と7~8月に出現しますが、成虫は口が退化していて、何も食べません。

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 オオミズアオにたいへん似た蛾に、オナガミズアオがいます。 触角の色がオオミズアオが茶色、オナガミズアオが黄緑色の傾向がある、前翅先端がオナガミズアオの方がとがっている、眼状紋がオナガミズアオの方が大きくて下方の薄黄色部が大きいなどの違いがありますが、よく似ています。 オナガミズアオの幼虫の食餌植物は、ハンノキ、ヤシャブシなどのカバノキ科に限られていますので、個体数はオオミズアオよりも少ないのですが、注意が必要です。

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2011年5月20日 (金)

エニシダの花

 エニシダは地中海地方原産のマメ科の落葉低木で、江戸時代に渡来し、観賞用に植えられたりしています。 花の色は、本来は黄色ですが、現在では品種改良で様々な色の花があります。
 「エニシダ」の名前は、ラテン語のgenistaが訛ったものと考えられています。

 下の写真はエニシダの花を正面から撮ったもので、右の2つの花はオシベもメシベも見えていませんが、左端の花はオシベ(とメシベ)が見えています。
 マメ科の花の花弁の名称も入れておきました。

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 下は花を横から見たもので、オシベもメシベも見えていません。 咲いたばかりの花は、こんな様子です。

Enisida110506_2

 ここに虫が来て竜骨弁に触れると、急に竜骨弁にしまわれていたオシベとメシベが飛び出てきて虫の体に巻きつきます。 この動きは速く、とても写真に撮れません。
 このようにして、虫はエニシダの花粉媒介に利用されるわけです。

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2011年5月19日 (木)

ヒメグンバイ

 ヒメグンバイは、クヌギ、コナラ、クリなどにつくグンバイの仲間です。

Himegunbai110506_1

 グンバイの仲間にも、たくさんの種類がいます。 これまでにもアワダチソウグンバイプラタナスグンバイを記事にしてきましたが、これらのグンバイと比較して、ヒメグンバイは、

  •  前胸背板左右にある翼状突起は、複眼と同じ位置まで前方に突出し、その先は尖っている。
  •  前胸背板前方にある嚢状隆起は小さい。

 という特徴を持っています。

Himegunbai110506_2

 この春は、このヒメグンバイをあちこちでよく見かけます。 たくさん発生する年なのでしょうか。 それとも、この冬に樹皮の下の虫たちなど小さな虫を追いかけたので、目が小さなものに向くようになってしまったのでしょうか。(どうも後者のような気がします・・・。)

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2011年5月18日 (水)

コバンノキ

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 コバンノキが花をつけていました。 コバンノキは近畿から九州にかけて分布する落葉低木です。 名前は、小判のような形の葉がついているから。 花が無ければ複葉のようにも見えますが、花は葉腋に付き、複葉の途中には付きませんから、“小判”1枚が1枚の葉です。
 花は雌雄異花で、枝の基部近くには雄花だけが、枝の先の方には雌花と雄花がつきます。 下は雄花で、花弁は無く、暗紫色の4枚のガク片に囲まれて、2本のオシベがあります。 オシベの基部には蜜腺があります。

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 下は枝の先の方で、雄花と雌花が写っています。 雌花はガク片も緑色で、注意しないと見落としてしまいます。

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 コバンノキはトウダイグサ科に分類され、1年草のコミカンソウと同じ属です。 が、小さな小さなミカンのような実をたくさんつけるコミカンソウと異なり、秋に熟すコバンノキの実は黒色で、実の数もそんなに多くありません。
 コバンノキには、花をつけた小枝(=実をつけている小枝)は、秋に複葉が落ちるように、小枝ごと落ちるという、おもしろい性質があります。

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2011年5月17日 (火)

ラクダムシ

 ニッケイの木に来ていたラクダムシですが、ニッケイの木にいたのはたまたまでしょう。 長い産卵管があるのでメスです。

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 この虫の名前を聞いた多くの人は、「コブも無いのにどこがラクダだ!」と思われるのでしょうね。 この名前はドイツ語のKamelhalsfliegen、つまり Kamel(ラクダ)+hals(首)+fliegen(羽虫)からきています。 のほほんとした首をたるませたラクダのイメージがあるというのですが、どうでしょうか・・・。 ちなみに英語では snakefly で、細長い体を蛇に見立てています。

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 幼虫はマツの穿孔虫を食べているのですが、成虫は雑食性とも言われていますが、何を食べているのかよく分かっていないようです。 いずれにしても、分類学的にも近縁の虫としてはキスジラクダムシがいるくらいで、姿とともに「変な虫」になるのでしょうね。

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2011年5月16日 (月)

サワオグルマ

 やや湿り気のある草原に秋に黄色い花をつける、高さ20~60cmになるキク科の多年草にオグルマがあります。 漢字で書くと「小車」で、放射状に並んだ舌状花を車に喩えた名前です。
 このオグルマに似て、春に咲くキク科にサワオグルマとオカオグルマがあります。 名前のとおり、サワオグルマは山の水辺に近い湿地に生え、オカオグルマは乾いた草原に生えるのですが、両者の外見はよく似ています。
 サワオグルマはオカオグルマより大型で、オカオグルマと比較すると、葉や茎の白毛が少なく、葉のきょ歯がやや目立ち、葉柄のある根元の葉は立ち上がっています。

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 よく似ているサワオグルマとオカオグルマが別種である決め手は、オカオグルマの果実にある毛がサワオグルマには無いということなのですが、これはこの時期には分かりにくい特徴です。

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2011年5月15日 (日)

メスアカケバエ

 メスの胸部や腹部がオレンジ色の、全身毛の多いハエ、そのまんまのネーミングです。 オスは全身真っ黒です。
 幼虫はリター(落ち葉などの植物遺体)を食べて育ちます。 メスアカケバエの、特にメスの前足の脛節の先には、丈夫なトゲがついています。 このトゲは産卵時にリターを掘るために使用するようです。

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 春、羽化したオスは集団でメスの羽化を待ち構えます。 長い脚をだらんと下げて飛ぶ姿は、あまり上手な飛行とは思えませんが・・・。
 以前ハグロケバエにつて記事にしましたが、このあたりの状況は同じで、オスに比べて数の少ないメスを早く発見するため、オスは、体の大きさはメスより小さいのですが、メスより大きな複眼を持っています。
 交尾に成功したオスは長くメスにくっついたままです。 精子は半日以内にメスの体内に渡されますが、他のオスにメスを取られないため、オスは2~3日もくっついたままでいるようです。
 交尾中の昆虫の写真を撮っていると、オスとメスが離れてしまう昆虫も多いのですが、この写真を撮っている時も、結局交尾姿のまま、飛び去ってしまいました。

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 結果として、交尾している状態でよく人目に触れることとなります。 アメリカでは、メスアカケバエは Love Bug(愛の虫)とか、Honey Moon Fly(新婚旅行バエ)と呼ばれているようです。

※ この記事の写真は5月4日に撮ったものです。 春は載せたいものがいっぱいで困ります。

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2011年5月14日 (土)

オドリコソウ

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 葉腋に輪生する花の様子を、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似ているとされるオドリコソウです。
 私の子供の頃は町中の舗装されていない道の脇の日陰によく咲いていた記憶があるのですが、適度な湿り気を持ったそんな環境もなくなり、オドリコソウを町の中で見ることは、たいへん稀になってしまいました。
 オドリコソウの花の色は、淡紅紫色と白色があり、地域によって偏りがあるようです。 上に書いた私の小さい頃の記憶は前者で、写真を撮るようになって子供の頃の濃い色のオドリコソウを撮りたいと思っているのですが、いつの間にか大阪付近で見るオドリコソウの花の色は、白っぽいものばかりになってしまっているようです。

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 花を覗き込めば、長いオシベ2本と短いオシベ2本の葯がきれいに並んでいます。

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2011年5月13日 (金)

クロマダラタマムシ

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 近くの雑木林のカマツカの花にクロマダラタマムシが来ていました。 なかなかきれいな色をしています。
 フラッシュの光を当てると少し本来の色とは違ってしまうのですが、日陰にいたのでしかたありません。

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 幼虫は枯れたり弱ったりしたエノキの材を食べて育ちます。

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2011年5月12日 (木)

コンロンソウ

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 中国の西部に崑崙山脈(こんろんさんみゃく:クンルンシャンマイ)があります。 標高6,000m以上の高山が200峰以上連なる、約3,000kmにも及ぶ大山脈です。
 コンロンソウはこの崑崙山脈から来た植物かといえば、そうではなく、日本に自生する多年草です。 タネツケバナなどの仲間で、ただタネツケバナなどに比べると大きな植物で、草丈が50cmを超えることも稀ではありません。
 花の色はタネツケバナ同様白色で、大きな群落を形成します。 ですから、コンロンソウの名前は、連なる白い花を崑崙山脈の雪に見立てたものだと言われています。

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2011年5月11日 (水)

トラフシジミ(春型)の産卵

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 春型のトラフシジミがウツギの葉に産卵に来ていました(5月8日、堺自然ふれあいの森にて撮影)。 2枚の写真とも、腹部を曲げて産卵しているところです。
 以前夏型のトラフシジミを記事にしましたが、春型は夏型に比べて地色の白がはっきりしていて、トラの縞模様がくっきりしています。

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 トラフシジミの幼虫は、ウツギ以外にも、フジやツツジの仲間など、様々な植物の花やツボミを食べて育ちます。

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2011年5月10日 (火)

クマガイソウ

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 クマガイソウは森林内に生える草丈40cmになるランです。 地下茎が長く走るため鉢植えは無理なのですが、目立つランの宿命でしょうか、乱獲で自生地はたいへん少なくなっています。 それにクマガイソウに関しては、まだ多くのランで行われている無菌播種による増殖技術が確立されていません(注1)
 大阪の近くでは、滋賀県と三重県の境にある御池岳に残っているのですが、今回は京都府立植物園のクマガイソウです。 今年は例年より花が遅れているだろうと予想して出かけましたが、ちょうど花のいい時期に出会うことができました。
 クマガイソウの名前は、アツモリソウと対を成していて、これらのランの唇弁を武士が背中に背負った母衣(ほろ)に見立て、平家物語などで有名な熊谷直実(くまがいなおざね)と平敦盛(たいらのあつもり)の名前を借りたものです。

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(注1)
 台湾産のタイワンクマガイソウは地下茎が短いために鉢植えも可能であり、海外では無菌播種も行われています。
 タイワンクマガイソウはクマガイソウとよく似ていますが、ガク片も側花弁も唇弁同様の白い色をしています。

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2011年5月 9日 (月)

クリアナアキゾウムシ

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 近くの公園のクヌギにクリアナアキゾウムシがいました。 体長は約1.5cmです。
 名前に「クリ」とついていますが、幼虫は、クリに限らず、クヌギやコナラなどの根を食べるようです。 その幼虫が成虫になって幹を登ってきたのでしょう。
 名前の「アナアキ」は、写真のとおり、体の表面に小さな凹み(=穴)がいっぱいあるところからです。

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 アナアキゾウムシの仲間は、マツアナアキゾウムシ、リンゴアナアキゾウムシなど、互いによく似ているのですが、上に書いたように、クヌギにいたのでクリアナアキゾウムシに間違いないでしょう。

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2011年5月 8日 (日)

5月初旬のイスノキ

 イスノキは暖地の森林に自生するマンサク科の常緑高木です。 花は葉腋に総状花序につくのですが、花序の基部には雄花が、上の方には両性花がつき、いずれも小さなガクはあるものの、花弁はありません。(この花のつくりについては、もう少し詳しくこちらに載せています。)

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 大阪付近では花は4月上旬に咲き出し、その頃はオシベの真っ赤な葯が美しいのですが、上の写真ではオシベは花粉を出してしまい、メシベの子房が膨れはじめています。
 マンサク科の花の特徴として、子房が2室に分かれていることが挙げられます。 この子房が果実になり、熟すと左右に裂けて種子を散布するのですが、写真中央上のメシベの柱頭は3本の奇形です。 子房が膨らんでいるので種子ができつつあるのでしょうが、この果実がどのように裂けるのか、見てみたいものです。
 マンサク科の植物は、上に書いたように、果実を見れば共通点が理解できるのですが、花は、花序が垂れ下がるトサミズキ、2つの花が背中合わせに咲くマルバノキ、花弁がリボンのようなマンサク、球形に花が密集する(したがって果実も球形につく)フウの仲間、そしてこの花弁の無いイスノキなど、ほんとうに個性派ぞろいです。

 イスノキにはよく虫えい(=虫こぶ)がつきます。 イスノキはあまり特徴のはっきりしない木ですが、たくさんの虫えいがついている常緑で全縁の葉のついている木を見つけたらイスノキではないかと疑えるほどです。
 イスノキでよく見られる虫えいには2種類あって、ひとつは芽が虫えいになったイスノナガタマフシ(=ひょんの実:こちらの記事の中ほどに載せています)で、もうひとつは葉にできるイスノキハタマフシです。 上の写真でも右端に古いイスノキハタマフシが写っていますが、若い葉にはたくさんの虫えいが作られていました(下の写真の赤い矢印)。 これはヤノイスアブラムシの寄生によって作られるもので、この膨らみの中の空間で、最初1頭だったアブラムシは、葉の汁を吸いながら、単為生殖でたくさんの仲間を増やします。

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2011年5月 7日 (土)

コツバメ

 ここで取り上げているのはシジミチョウの仲間のコツバメです。 子ツバメはこちらでどうぞ (^_-)

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 コツバメの成虫は、春にのみ里山などで見られるシジミチョウの仲間です。 少なくとも大阪府下では個体数はそんなに多くなく、堺市ではまだ記録が無いはずです。 写真は大阪府の北部で撮ったものです。
 翅の表は青い色をしているのですが、飛んでいる時以外は、なかなかこの色を見せてくれません。
 チョウやガで名前に「ツバメ」とついている場合は、尾状突起のある翅をもつものが多いのですが、このコツバメの場合は尾状突起は見当たりません。 コツバメの場合の「ツバメ」は素早い飛び方から来ているのでしょうか。

Kotubame110502_2    ウワミズザクラで吸蜜中のコツバメ

◎ 堺市で近接撮影したコツバメをこちらに載せています。

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2011年5月 6日 (金)

モミジニタイケアブラムシ

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 モミジニタイケアブラムシはカエデ類を寄主とするアブラムシです。 なお、全農教の『日本原色アブラムシ図鑑』では、カエデ属に寄生するアブラムシとしては、このモミジニタイケアブラムシ以外に、トウキョウカマガタアブラムシとニワトコフクレアブアムシが載せられています。
 モミジニタイケアブラムシの生活環を簡単に書くと、次のようになります。 春先に、これから増えようとするスタートとなる一世代限りの型を「幹母」と呼んでいますが、モミジニタイケアブラムシの幹母はコロコロとしています。
 4月~5月には有翅型と無翅型が見られます。 これが写真の状態です。 この状態でどんどん分布を広げ、個体数を増やします。 モミジニタイ「ケ」アブラムシの名前のように、写真をよ~く注意して見ていただくと、腹部に毛が生えています。

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 6月になると、モミジニタイケアブラムシはいなくなったように見えます。 多くのアブラムシは時期により寄主となる植物を換える(これを「寄主転換」と呼んでいます)ので、この場合も・・・と思われがちですが、じつはモミジニタイケアブラムシは寄主転換を行わず、1年中カエデにいます。 宿主植物の栄養が少ない夏場は、「越夏型」と呼ばれる1mm以下の扁平で小さな特殊な形の初齢幼虫のまま、秋まで休眠状態に入ります。
 上で「特殊な形」と書きましたが、もしこの1mm以下の幼虫を拡大すると、体の周囲にぐるりと小さな団扇状の突起を並べているのを見ることができるでしょう。 モミジ「ニタイ」ケアブラムシの「二態」は、この春と夏で全く違う形態を示すことによります。
 この越夏型幼虫は、秋になると発育を始め、無翅形成虫になります。

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2011年5月 5日 (木)

ミヤマガマズミの花

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 ミヤマガマズミは、本州(関東以西)、四国、九州の丘陵帯から山地帯下部に分布する落葉低木です。 「ミヤマ(深山)」とついていますが、深山に行かないと見ることのできない木ではありません。
 カマズミに比べると葉が小さくて幅が狭く、先端が尖っています。 全体の姿はコバノガマズミに似ていますが、葉柄はコバノガマズミより長く、毛は絹毛で、ガマズミやコバノガマズミのような星状毛はありません。

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2011年5月 4日 (水)

山のハヤブサ(2)

 昨日は山で生活するハヤブサの全般的なことを記事にしました。 今日はオスが捕えた獲物をメスに空中で渡すところを紹介します。

 ハヤブサの狩は獲物を肢で捕えて行います。 獲物を運ぶのも肢でつかんで運びますが、メスに獲物を渡す時は口にくわえて渡すようです。
 オスは獲物を肢から口へ、また肢に戻してくわえなおすなど、メスに渡しやすいように口にくわえる場所をいろいろ工夫しているようにも見えます。

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Hayabusa110502_a07   メスが後ろから接近 (この写真はクリックで拡大します)

Hayabusa110502_a08   空中で獲物を受け渡し

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 この後、オスとメスが並んで数回上空を旋回していました。 愛情を確認しあっているのでしょうか。 下の写真、右がオス、左が獲物を肢に持ったメスです。

Hayabusa110502_a10   (この写真はクリックで拡大します)

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2011年5月 3日 (火)

山のハヤブサ(1)

 ハヤブサはハシボソガラスよりひとまわり小さい留鳥です。 自ら巣を作ることはせず、断崖の窪みなどに卵を産み、子育てを行います。
 ゆっくり上空を旋回していることもありますが、その気になれば、たいへん速く飛ぶことができ、特に獲物を狙って急降下する時のハヤブサは、時速200kmを超すといわれています。 「ハヤブサ」の名前も、「速い翼」が転じたと考えられています。
 餌は、その高速性を活かし、開けた場所で、他の鳥などを捕えています。 住む断崖と狩をする開けた場所がセットになっている所として、ハヤブサが住む場所の多くは、川幅のある河川、湖沼、海岸などです。
 2011年1月9日のNHK「ダーウィンが来た!」では、集団で津軽海峡を越えるヒヨドリを海岸近くで狙うハヤブサが紹介されていました。 また、大阪の泉大津市では海の近くのビルを断崖に見立てて毎年子育てを行っているハヤブサが知られています。 いずれも海岸です。
 ところが、山でハヤブサが毎年子育てをしている場所があると聞いて、見に行ってきました。

Hayabusa110502_1  (背面)

Hayabusa110502_2  (腹側から)

Hayabusa110502_3  (コナラの枝で休憩)

 詳しい場所は伏せておきます( 5月2日に行った時も27本の望遠レンズが並んでいましたので、あまり伏せても意味は無いと思いますが・・・)が、下がその場所です。
 写真の◎の位置が営巣地です。 巣の様子はもちろん分かりませんが、メスはほとんど巣にいて時々飛び出し、オスは近くで狩をしている様子から、雛が孵っているようでした。

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 2時間あまりの観察だけですので、詳しいことは分かりませんが、狩の場所は赤い曲線で囲った範囲を中心にしているようでした。 オスは、○で囲った送電線の頂にいて、ここから餌を求めて飛び立ち、またこの送電線に戻ることを繰り返していました。 巣の位置(◎)とオスのいる送電線(○)との直線距離は、約400mです。
 写真で南から北へ蛇行している白い線は道路で、ほぼ並行して川が流れているのですが、そんなに川幅のある河川ではありません。 獲物を狙って急降下した場所も河川とは関係の無い所でした。
 獲物を捕る所を詳しく見たいのですが、すぐに山影に入っていまい、よく分かりません。 “山のハヤブサ”はどこでどのような狩を行っているのでしょうか。 ゴルフ場が関係しているのでしょうか。

 明日はオスが獲物をメスに渡す所を記事にする予定です。

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【余聞】

 第二次世界大戦時、大日本帝国海軍の零式艦上戦闘機(略称「ゼロ戦」)と並び、量産された大日本帝国陸軍の一式戦闘機の愛称は「隼(はやぶさ)」でした。 愛称はもちろん鳥のハヤブサから採られたもので、加速性能に非常に優れた戦闘機でした。 特にマレー半島における加藤建夫率いる加藤隼戦闘隊の活躍は、映画や軍歌にもなっています。

 平和な時代となり、「はやぶさ」の名称は列車で使われるようになりました。 1958年~2009年には、東京-熊本(2002年までは西鹿児島駅)間を寝台特急「はやぶさ」が走っていましたし、2011年3月5日からは東北新幹線の東京-新青森間で特急「はやぶさ」が走り始めました。 一時、東日本大震災で運休していましたが、4月29日から復旧しています。 東北復興のシンボルとして「はやぶさ」の活躍に期待したいものです。
 また、小惑星探査機「はやぶさ」も話題になりました。 2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」に着陸し、2010年6月に世界で始めて小惑星のサンプルを持ち帰るという快挙を成し遂げました。 「はやぶさ」の名は、小惑星のサンプル採取が1秒ほどの着地と離陸の間に行われる様子を、ハヤブサの急降下して獲物を捕える様子に見立てた案であったとのことです。

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2011年5月 2日 (月)

コブヒゲカスミカメ

 コブヒゲカスミカメは、クヌギやコナラなどによく見られるものの、その他にもいろんな植物を食草としているようで、個体数は少なくないのですが、春にしか見ることができません。 名前はオスの触角の一部が少し膨れぎみであるためです。 体長は4~5㎜で、チビカスミカメ亜科の中では最も大きい種です。

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 コブヒゲカスミカメはオスとメスで体色が異なります。 上がオスで下がメスですが、カメムシの仲間で雌雄の体色がこんなに違う種は稀です。 さらに大きな傾向は変らないものの、雌雄とも体色の個体変異が比較的大きい種です。

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 下は近くにあったもので、このコブヒゲカスミカメの終齢幼虫の脱皮殻だと思います。

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2011年5月 1日 (日)

アケビの花

 秋にはおいしい果実ができるアケビの花です。

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 以前、ミツバアケビについて記事にしました。 アケビの花はミツバアケビの花に少し遅れて咲きます。 ミツバアケビとアケビでは、果実はよく似ていますが、花の色は異なり、ミツバアケビの濃紫色の花に対し、アケビの花は淡紫色です。 花の大きさもミツバアケビより大きな花です。

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 ミツバアケビの緩やかな鋸歯を持つ3小葉に対し、アケビは全縁の5小葉です。 ミツバアケビに対し、時々アケビにゴヨウアケビという名が付けられていることがありますが、本来のゴヨウアケビという名は、アケビとミツバアケビとの雑種(これもよく見られます)に付けられた名前です。 本来のゴヨウアケビは緩やかな鋸歯を持つ5小葉で、花の色はミツバアケビの花に近い色です。

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