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2011年4月 9日 (土)

心材、辺材

 木材の断面で、中心部と周辺部で材の色が違っている場合、中心部を「心材」、周辺部を「辺材」と呼んでいます。

 突然ですが、動物は餌を求めて行動しなければなりませんから、痛んだ細胞や古い細胞は新しい細胞に置き換え、いつも体の各部が機能するように維持していこうとします。
 ところが、光合成で自ら食べ物を作る植物は、動く必要がありません。 ですから、エネルギーを使って古い細胞を分解し運び出すことは無駄で、古い細胞は放置し、どこかで新しい元気な細胞を作り続けようとします。
 樹木の幹の場合は、この新しい細胞を作り続けている場所は「形成層」だということを、樹皮のところで書きました。
 形成層で作られた中心部に近い細胞のほとんどはすぐに死んでしまい、木部として水の通り道になります。 もっと中心部に近い細胞は、その水を運ぶという役割も担う必要も無く、ただ太陽の光を求めて上に伸びる元気な細胞を支えるだけの役割となります。 そしてその役割を担うためには、死んだ細胞の中身を硬く腐りにくい物質で埋めるほうが良いということになります。 こうして幹の中心部は特定の物質で埋められ、周辺部とは色が違ってきます。
 樹種によって、心材と辺材の色がはっきり違う木も、区分できない木もあります。 また心材の色も、黒い色であったり、赤い色であったり、樹種によって様々です。 いずれにしても、木材として利用する場合には、心材の方が耐久性が高いことは、上に書いたことで理解していただけると思います。

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コメント

大好きなバームクーヘンをいただく時
ちょこっと違った気分でいただきまぁ~~す。

投稿: わんちゃん | 2011年4月 9日 (土) 23時46分

こんにちは。
とてもわかり易い説明でした。
いつも勉強させていただいています。

投稿: 多摩NTの住人 | 2011年4月10日 (日) 16時39分

わんちゃんへ
バウムクーヘン、ドイツ語で Baum は「木」で Kuchen は「ケーキ」、中心部が洞になった切り株ですね。

多摩NTの住人さんへ
お褒めいただき恐縮です。
でも、分かりやすい記述=大胆な記述、という面もあることはご了承くださいね。

投稿: そよかぜ | 2011年4月10日 (日) 23時27分

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