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2011年3月15日 (火)

マンゴーの花

 京都府立植物園の温室でマンゴーの花が咲いていました。 花序は、枝の先端近くに小さな花をたくさんつける、大きな複総状花序です。 しかし、樹高が40m以上にも達する大きな木ですし、マンゴーの果実の大きさからすると、1つひとつの花は、想像できないくらい小さなものです(下の写真)。 花には腐敗臭がありますので、この花の大きさは、ハエを受粉昆虫に選んだ結果だと考えられます。

Mango880813_1    '88年8月13日 スマトラにて撮影

Mango110305_1    '11年3月5日 京都府立植物園にて撮影

 花を拡大すると、花盤が発達していて蜜を出しているようですが、オシベが1本しかありません。 上の写真で、右奥の花は、花弁で子房が隠れていますが、紅色の葯が見えていますし、左手前の花の葯は白い花粉を出して黒っぽくなっています。 ただし、左手前の花の花盤の上に赤い点が見えますので、これが退化したオシベなのかもしれません。
 マンゴーはウルシ科の植物です。 ウルシ科の花は小さな花がたくさん集まっているのが普通で、通常は雌雄異花ですので、上の花は雌花もしくは両性花で、もしかしたら雄花をつける雄株が別にあるのかもしれません。
 上でマンゴーはウルシ科の植物だと書きましたが、果実には少ないものの、やはりマンゴールというウルシオールに似たかぶれの原因となる物質を含んでいますので、時にはマンゴーを食べて、かぶれが起こることもあります。 場合によっては食べてから数日経って発症することもあり、口の周囲に水泡ができるヘルペスなどと誤診されることもあるようです。が、特に完熟したマンゴーは、とてもおいしい果物です。

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コメント

>特に完熟したマンゴーは、とてもおいしい果物です。

いただきもののマンゴーを食した時のあの旨味は忘れられません
”かぶれ”はありませんでした。

スマトラでの完熟マンゴーのお味はいかがでしたか?

アラアラお花をそっちのけにしてはいけませんね。

投稿: わんちゃん | 2011年3月16日 (水) 14時41分

やはり同じ完熟マンゴーでも、おいしいのは、とても丁寧に育てられた国内産ですね。
値段も高いけど・・・。

投稿: そよかぜ | 2011年3月17日 (木) 07時29分

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