トチノキの葉痕
昨日はトチノキの冬芽について書きましたが、今日は葉痕、つまり葉の落ちた跡についてです。
トチノキは対生の大きな複葉をつけます(こちら)。 トチノキの1枚の掌状複葉は、長い葉柄の先に、5~7(~9)枚の小葉をつけます。 大きな掌状複葉は小さな掌状複葉よりも多くの小葉を持っています。
昨日、トチノキは、込み入った枝で限られたスペースにできるだけたくさんの葉をつけようとするのではなく、とにかく先へ先へと伸びようとしている木だと書きましたが、その込み入った枝の代役として機能しているのが、大きな掌状複葉だと考えることができます。 つまり、複葉の葉柄が枝の代わりをしており、その先に葉として機能する複数の小葉をつけていると考えられます。
トチノキの葉痕(葉の落ちた跡)を見ると、5~7(~9)の維管束痕(いかんそくこん)がU字型に配列しています。
この維管束痕は、掌状複葉の小葉の数と一致しているのではないでしょうか。
小葉を葉的機能を持つ場所、複葉の葉柄を枝的機能を持つ場所と考えると、葉柄は複数の維管束を束ね、小葉と接続させているということになるのでしょうか。
維管束は長い葉柄内ではどのように存在しているのか、また小葉とどのような関係になっているのか、興味はあるのですが、特定の維管束をトレースする方法が思いあたりません。
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コメント
「トチノキ」と名札の付いた木に出合って
見上げると、ナルホド天を突き刺すように
枝が伸びていました。
冬芽を触ると少しネバネバしてました。
上の先っちょの方はもっとネバネバしてるんでしょうね。
それで、肝心のトチノキの葉の落ちた跡を確認するというのには気がつきませんでした。ザンネン・・・
投稿: わんちゃん | 2011年3月 6日 (日) 16時25分
大きな葉(複葉であることが多い)をつける木の葉痕は、それぞれ“個性”があって、なかなかおもしろいものですよ。
投稿: そよかぜ | 2011年3月 6日 (日) 22時39分