ツルアジサイの種子散布
雪の金剛山を歩いていると、ツルアジサイ( 花はこちら )の果序が落ちていました。 最初は、種子を飛ばし終えて枯れた果序が、風に吹かれたか、くっついた雪の重みで折れたのだろうくらいに思っていました。
ところが、歩いて行くと、次から次へと同じような果序が見つかります。
みんなほぼ同じような所で折れています。 果序の一部が落ちていることは殆どありません。
これはおかしいと思い、果序を拾い上げてみると、蒴果はほとんど開いておらず、種子は中に残っています(下の写真)。 つまり、樹上で散布される種子もあったのでしょうが、これから散布される種子もあるようです。
それにもう1つ、気になったことがあります。 花序の周囲に配置されていた装飾花が、もちろん枯れてはいますが、頑丈さを保っています。
たぶんツルアジサイは、高い所から種子を入れたカプセルとして果序を落下させるのでしょう。 風に乗ってクルクル回りながら落ちてくる果序の姿が目に浮かびます。 地面に落ちた果序は、特に裸地に近いところに落ちた果序は、少しの風でも転がって移動することでしょう。 枯れた装飾花は風を受け、落下時に親株から離れるように、また地面を転がる時にも有効に機能するに違いありません。 果序に残っている種子は、“カプセル”に入ったまま、発芽に適した場所に運ばれるのでしょう。
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コメント
初冬の北海道(大沼公園)で大木に絡み付いてるツルアジサイに出合ったことがありました。
あのツルアジサイもこのツルアジサイのようになってるんでしょうか?
金剛山と北海道ではちょっこっと事情が違うかな?
投稿: わんちゃん | 2011年3月 3日 (木) 16時42分
種子散布の方法などは植物の生き方の根本に関わることですから、地域で大きな変化は無いはずです。
たぶん同じだと思いますよ。
投稿: そよかぜ | 2011年3月 3日 (木) 21時34分