マミジロハエトリ
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (0)
オオジュリンは、夏季に北海道や東北地方で繁殖し、冬季には本州以南で越冬するホオジロ科の鳥で、ヨシ原や草原などで暮らしています。 オスの夏羽は頭と喉が黒くて分かりやすい(こちら)のですが、メスや冬羽のオスは、他のホオジロ科の鳥たちに似たものが多く、注意して見分ける必要があります。
食性は雑食で、地上を跳ね歩きながら採餌することもありますが、下の写真は、ヨシの茎に止まって葉の鞘を剥がし、中にいるビワコカタカイガラモドキなどの虫を捕食しているのでしょう。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
2011年1月20日に、Millet.K さんの観察による越冬中のアシダカグモの様子を記事にし、また、その後の様子を2月21日に記事にしました。 越冬中のアシダカグモを目にする機会はほとんど無く、貴重な興味ある記録です。
そのMillet.K さんから、またアシダカグモの写真を送っていただきました。 Millet.K さんの家は千葉県にあり、計画停電で困っておられるものの、東日本巨大地震での建物自体の被害は無く、越冬中のメスのアシダカも無事だったようです。
暖かかった2月24日の夜から25日の朝にかけては、最低気温が12度で、ひと晩中活発に動いていましたが、気温が下がってきた時点で、定位置へ逃げ込んでいたということです。 どこかで適当に休むのではなく、アシダカグモは越冬の場所を「記憶」しているようです。
3月12日の地震の後、数日暖かい日が続きました。 3月14日の夕方、アシダカグモが越冬している窓を開けていたところ、“彼女”がいなくなりました。 外に出たらしく、「これでお別れか」と思っていたところ、真夜中に窓の外に貼り付いていたとのことです(下の写真:屋外から撮影)。
窓を開けてやると、定位置に戻ったとのことです。 気象庁の観測データを調べると、14日の昼は18℃で、夜になってもそんなに冷え込まず、15日朝にかけての最低気温は11℃ありました。
3月19日は、昼間は17℃もあったのですが、夜の最低気温は7℃でした。 この日は越冬場所から動かなかったようです(下の写真)。
昼間暖かいと体温が上昇し、動き出す、ということではなさそうです。 夜行性であるアシダカグモの場合は夜間の温度が大切なようです。 なお、アシダカグモ(メス)は、その後もまた動いたらしく、現在は所在不明とのことです。
ところで、この冬に2頭のオスの死が確認されています。 オスは平均寿命もメスより短いのですが・・・。
下は在りし日の姿。 2010年10月22日の撮影です。 オスは、頭胸部に濃色の模様の出ることが多く、メスに比べると腹部の小さいのが特徴です。
| 固定リンク
| コメント (14)
| トラックバック (0)
鳥は、縄張りを誇示したり、番の相手を引きつけたりするために囀ります。 この点はヒバリも同じで、特に囀りだした初期の頃は、まだ確定していない縄張りを争い、地上でも空でもよく囀り、オス同士の争いもよく見られます。
縄張りが定まってくると、、空高く舞い上がって囀る方が、広範囲に縄張りを主張できるのでしょうが、囀りの初期は地上と低空のオス同士の囀りあいも見られます。 昨日記事にした囀りも、そのような状況で、低空で囀っているヒバリを撮ったものです。
オス同士の争いは、低空で追いかけあいをしたり、地上でも起こります。 下はそのような状況を撮ったものです。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
下は'11年3月5日に京都府立植物園で撮ったイカルです。 木の高い所で長い間さえずりっていましたが、他に仲間は見当たらず、遠くに飛び去って行きました。
そして下は'09年2月21日に大阪の北部で撮ったイカルで、この時は数十羽の群でいました。
その他の記録を拾い出してみると、'10年2月7日には単独のイカルを観察していますし、'09年1月24日には数羽のイカルの群を見ています。
上記のように、ほぼ同じ時期に単独でいるイカルと集団で暮らすイカルがいるということは、どのように理解すればいいのでしょうか。 孤独を好む個体と集団生活を好む個体がいるなどという擬人的な理解では不十分な気がします。
イカルは雌雄の区別がつきにくい鳥です。 また、幼鳥は嘴の根元や目先が黒く、全体的な体色も、成鳥の灰色味を帯びた部分が幼鳥では黄色味を帯びた茶色だと言われていますが、この違いは、いつ頃まで続くのでしょうか。 少なくとも上の2枚の写真には違いが見当たりません。
単独で生活しているイカルと群で生活しているイカルに、何か質的な違いがあるのでしょうか。 それとも同じ個体が集団に入ったり単独生活をしたりしているのでしょうか。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
京都府立植物園の温室でマンゴーの花が咲いていました。 花序は、枝の先端近くに小さな花をたくさんつける、大きな複総状花序です。 しかし、樹高が40m以上にも達する大きな木ですし、マンゴーの果実の大きさからすると、1つひとつの花は、想像できないくらい小さなものです(下の写真)。 花には腐敗臭がありますので、この花の大きさは、ハエを受粉昆虫に選んだ結果だと考えられます。
'88年8月13日 スマトラにて撮影
'11年3月5日 京都府立植物園にて撮影
花を拡大すると、花盤が発達していて蜜を出しているようですが、オシベが1本しかありません。 上の写真で、右奥の花は、花弁で子房が隠れていますが、紅色の葯が見えていますし、左手前の花の葯は白い花粉を出して黒っぽくなっています。 ただし、左手前の花の花盤の上に赤い点が見えますので、これが退化したオシベなのかもしれません。
マンゴーはウルシ科の植物です。 ウルシ科の花は小さな花がたくさん集まっているのが普通で、通常は雌雄異花ですので、上の花は雌花もしくは両性花で、もしかしたら雄花をつける雄株が別にあるのかもしれません。
上でマンゴーはウルシ科の植物だと書きましたが、果実には少ないものの、やはりマンゴールというウルシオールに似たかぶれの原因となる物質を含んでいますので、時にはマンゴーを食べて、かぶれが起こることもあります。 場合によっては食べてから数日経って発症することもあり、口の周囲に水泡ができるヘルペスなどと誤診されることもあるようです。が、特に完熟したマンゴーは、とてもおいしい果物です。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
東日本巨大地震の被災者の方の救助・支援・復興はかなりの長丁場になるでしょう。 気を取り直してブログを続けます。
今日取り上げるのは、京都府立植物園の温室で撮ったサラカ タイピンゲンシス( Saraca thaipingensis )です。
この木は仏教三大霊樹の1つであるムユウジュ(無憂樹:S. asoca )の仲間で、花のつくりはよく似ていて、時には無憂樹として扱われたりもするようです。
ちなみに、仏教三大聖樹とは、ムユウジュ、インドボダイジュ、双樹のサラノキで、釈迦はムユウジュの下で生まれ、インドボダイジュの下で悟りを開き、双樹のサラノキの下で亡くなったとされています。
サラカ タイピンゲンシスはタイ、マレーシア原産のマメ科の高木です。 花は1月~4月頃で、英名で Yellow saraca と呼ばれているように黄色い花ですが、これはガクの色です。 あちこちのブログやHPで、花弁は無く、ガクの付け根付近は赤い色をしていると書かれていますが、この赤い部分が退化した花弁ではないでしょうか。
花はたくさん集まる円錐状の散房花序ですし、花弁も無く、マメ科らしくない花ですが、長く伸びたメシベの根元にある子房は、ちゃんとマメの形をしています。
釈尊に関係ある木を前に、仏様に東日本巨大地震について救済をお願いしたいと思います。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
3月11日午後2時46分頃に三陸沖を震源に発生した発生した東北地方太平洋沖地震は、国内観測史上最大のM9.0(当初のM8.8を13日に訂正)で、津波などで広範囲に甚大な被害がでています。
1日経った12日の夜現在でも、被害状況も亡くなられた人の数も把握できない状況ですが、この地震の影響で福島第1原発で炉心溶融が起こり、また大きな余震が続くなど、まだまだ被害が拡大する恐れがあります。
このブログを見ていただいている方の中にも、被災された方もたくさんおられることと思います。
今日はテレビの前で一人でも多くの人の無事を願うばかりの1日で、このブログにいつものような内容の記事を載せることはできませんでした。
大阪の近くでは、平成7年(1995年)1月17日に6,400名あまりの死者を出した阪神・淡路大震災があり、この時は自宅も大きく揺れ、兵庫県南部に住む知人も多く、心配しました。
現在まだ阪神・淡路大震災の影響を受けている人たちがいることを思うと、今回これだけの広範囲の被害が出ている東北地方太平洋沖地震に対してたいへん心が痛みますし、菅直人首相の「未曽有の国難というべき事態」(3月12日の会見にて)の発言にもあるように、日本の将来も心配になります。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
アオサギが抱卵しているような姿勢で休息していました。 アオサギの休息は1本足で立って行うものだと思っていましたので、載せておきます。
このアオサギは病気ということではなさそうです。 20分後にはカルガモの争いを尻目に餌を狙っていました(下の写真)。
このアオサギは、足と嘴がピンク色です。 婚姻色が出はじめているのでしょうか。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
写真は京都府立植物園で撮ったノシランです。 この時期の種子は、最も美しい時期を過ぎ、表面には皺が目立っていますが、まだ美しい青紫色が残っています。 かなり鳥に食べられて少なくなってしまっていますが、写真は葉に隠れていた部分を少し持ち上げて撮ったものです。
ノシランは本州の紀伊半島以西から、四国、九州、沖縄の、海岸近くの林内に生える多年草です。 花期は7~9月で、下は上と同じ株のノシランで、6月中旬の花の咲き始めです。
ところで、上で、青紫色のものは「果実」ではなく「種子」だと書いたことに気づいていただいたでしょうか。 ノシランは、植物の大きさはかなり違いますが、分類的にはユリ科( 最近のAPG植物分類体系では、スズラン科になっています )のジャノヒゲ属で、花のつくりや、種子の様子は、ジャノヒゲとたいへんよく似ています。 1つの花には1本のメシベがあるのですが、花が終わり、子房が膨らみはじめると、すぐに子房壁が破れ、中にあった複数の種子が露出し、種皮が青紫色になってきます。
1枚目の写真と2枚目の写真で、最初の写真のどの部分が1つの花に由来しているのかを比較してみてください。
下は1枚目の写真の一部を切り取ったものですが、赤い円で囲った部分が1つの花に由来することが分かっていただけると思います。 長い花柄(=果柄)の先に(6枚の)花被片が残存しており、その花被片に抱かれるように(1つの果実に相当する)数個の青紫色の種子がついています。
※ ジャノヒゲの種子の様子はこちらに載せています。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
京都府立植物園に行った目的の1つはオニシバリの花を見たかったから。
オニシバリは本州の福島県以西から、四国、九州の中部以北に分布する、ジンチョウゲと同じ属に分類される落葉小低木です。
ジンチョウゲの樹皮も丈夫ですが、オニシバリの樹皮も丈夫で、鬼も縛れるというのでこの名がついたと言われています。
通常日本に自生している落葉樹といえば冬に寒さ対策として葉を落とすのですが、このオニシバリは夏に落葉します。 夏の葉の無い姿から、ナツボウズという別名がついています。 なお、新しい葉は秋に出ます。
オニシバリは雌雄異株で、2~4月に葉腋に黄緑色の花を付けます。 写真は雄株の花でしょう。 花弁のように見えるのは、ジンチョウゲと同じく、がく筒が4裂したものです。
果実は液果で、夏に赤く熟します。 少し辛みがあるようです。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
早春の花を求めて京都府立植物園に行ってきました。 植物園では2月18日から3月21日まで「“香りいっぱい 京(みやこ)の花小路”『花の回廊-第6回早春の草花展-』」が開催されています。 期間中は延べ約150種400品種が展示されるとのこと。 春を感じさせてくれてウキウキした気分にはしてくれるのですが、殆どの花は、新品種はあっても、見慣れた植物でした。
その中にあって、おもしろいと感じさせてくれたのが、下の花でした。(写真はクリックで 1024×738 にまで拡大します。)
花弁らしきものは4枚、はじめは何の仲間か分かりませんでした。 でも、ラベルを見て納得、スキゾペタロンという植物で、アブラナ科です。 オシベ6本が見えていれば、アブラナ科と見当がついたかもしれませんが、この花のオシベは花の奥にしまわれていました。
スキゾペタロンとはこの植物の学名( Schizopetalon walkeri )の属名をそのままカタカナで書いたもので、属名を英語読みしてシゾペタロンとも呼ばれています。 南米チリ原産の一年草で、花弁の外側は黄緑色、咲くと雪の結晶を思わせる白い花弁の内側を見せてくれます。
ただしこの花、日中気温が高いと、花びらは閉じてしまうようです。 花は夕方から開き、アーモンドのようないい香りがするようです(花を撮っている時には気付かなかった・・・)。
夜の暗闇で目立つ白い色の花で花弁は深く切れ込み、香りで花粉を運んでくれる虫を呼び、メシベやオシベは花の奥にある、とくれば、花の大きさは違いますが、カラスウリの花を連想してしまいます。 花弁の切れ込みには、何か生態的な共通点があるのでしょうか。
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (0)
ハギマシコは、夏季には北海道や東北の高山帯でしか見ることはできませんが、冬季には群でほぼ日本全土に渡来します。 ただし西日本には少ないのですが、今年は大阪府の北(箕面)にも南(和泉葛城山)にも来ているというので、見に行ってきました。
ハギマシコの夏羽は全身ほぼ褐色で嘴も黒い色をしていますが、冬羽は、特にオスは複雑な色彩をしていて、嘴は黄色で先端は少し黒っぽく、頭部と喉部は黒っぽく、腹面には白や赤紫色の斑紋があり、和名はこの斑紋がハギの花のようだというのが由来になっているようです。 メスも腹面に赤紫色の斑紋がありますが、全体に褐色みが強くなります。
帰って写真の整理をしていると、どうもオスのみを熱心に撮っていたようで、メスの写真が殆どありません。 下の写真は手前に3羽、奥に1羽写っていますが、手前の3羽のうちの中央がメスです。 かなりブレた写真ですが・・・。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
雪の金剛山を歩いていると、ツルアジサイ( 花はこちら )の果序が落ちていました。 最初は、種子を飛ばし終えて枯れた果序が、風に吹かれたか、くっついた雪の重みで折れたのだろうくらいに思っていました。
ところが、歩いて行くと、次から次へと同じような果序が見つかります。
みんなほぼ同じような所で折れています。 果序の一部が落ちていることは殆どありません。
これはおかしいと思い、果序を拾い上げてみると、蒴果はほとんど開いておらず、種子は中に残っています(下の写真)。 つまり、樹上で散布される種子もあったのでしょうが、これから散布される種子もあるようです。
それにもう1つ、気になったことがあります。 花序の周囲に配置されていた装飾花が、もちろん枯れてはいますが、頑丈さを保っています。
たぶんツルアジサイは、高い所から種子を入れたカプセルとして果序を落下させるのでしょう。 風に乗ってクルクル回りながら落ちてくる果序の姿が目に浮かびます。 地面に落ちた果序は、特に裸地に近いところに落ちた果序は、少しの風でも転がって移動することでしょう。 枯れた装飾花は風を受け、落下時に親株から離れるように、また地面を転がる時にも有効に機能するに違いありません。 果序に残っている種子は、“カプセル”に入ったまま、発芽に適した場所に運ばれるのでしょう。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
昨日はトチノキの冬芽について書きましたが、今日は葉痕、つまり葉の落ちた跡についてです。
トチノキは対生の大きな複葉をつけます(こちら)。 トチノキの1枚の掌状複葉は、長い葉柄の先に、5~7(~9)枚の小葉をつけます。 大きな掌状複葉は小さな掌状複葉よりも多くの小葉を持っています。
昨日、トチノキは、込み入った枝で限られたスペースにできるだけたくさんの葉をつけようとするのではなく、とにかく先へ先へと伸びようとしている木だと書きましたが、その込み入った枝の代役として機能しているのが、大きな掌状複葉だと考えることができます。 つまり、複葉の葉柄が枝の代わりをしており、その先に葉として機能する複数の小葉をつけていると考えられます。
トチノキの葉痕(葉の落ちた跡)を見ると、5~7(~9)の維管束痕(いかんそくこん)がU字型に配列しています。
この維管束痕は、掌状複葉の小葉の数と一致しているのではないでしょうか。
小葉を葉的機能を持つ場所、複葉の葉柄を枝的機能を持つ場所と考えると、葉柄は複数の維管束を束ね、小葉と接続させているということになるのでしょうか。
維管束は長い葉柄内ではどのように存在しているのか、また小葉とどのような関係になっているのか、興味はあるのですが、特定の維管束をトレースする方法が思いあたりません。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント