コシダ
'11年1月28日にウラジロを取り上げましたが、ウラジロは私の住む大阪付近では正月飾りに使うなど、シダの代表的存在です。 そもそも「シダ」という言葉は、ウラジロの羽片が枝垂(しだ)れる様子から、つまり古くは「シダ」はウラジロのことであったとも言われています。
コシダはウラジロ科に分類されており、遠目にはウラジロを小さくしたようなシダです。 つまり、小さな「ウラジロ=シダ」というわけです。
上で「遠目には」ウラジロを小さくしたようなシダだと書きましたが、よく見ると葉の分岐のしかたは、ウラジロよりはかなり複雑です。 下はコシダを上から見たところですが、二股分岐を繰り返しています。
コシダはウラジロ同様、数年かけて1枚の葉を展開する(「ウラジロの芽」を参照してください)のですが、ここで問題です。 上の写真のような状態になるのに、何年かかっているのでしょうか。 「正解」はこちらです。
この状態で、翌年展開する芽は下の赤い円の中心にあります。 つまり赤い円から左右に伸びているのが羽片の主枝で、このそれぞれの羽片がさらに二股分岐を繰り返しています。 さらに、この羽片の主枝の付け根には無柄の副枝がついています。
この春、上の赤い円の中央にある芽が伸びるとどうなるか、その時の姿が予想できるでしょうか。
下の写真は、下方手前に延びてきているのが副枝、左右に羽片の主枝が伸びていて、中央にはそれから1年遅れて伸びだした中軸が写っています。 ただしこの羽片は二股分岐がうまくできていません。 こんな状態を見て、この葉がどのようにして展開してきたのか、考えてみても頭が混乱するばかりです。 やはり芽がどのように展開するのかを調べる必要があります。 上に書いた「正解」を見ると、すっきりするでしょう。
◎ こちらでは堺市のコシダと沖縄県・西表島のコシダを比較しています。
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コメント
そよかぜさん、こんばんは
前にコシダの芽がくるくる一つしかないのに、
どうして二又二又に別れるんだろう?
と、不思議に思いました。
ウラジロの所で二又分岐はわかりました。
そして、今日の記事を見てコシダの仕組みもなんとなく理解できました。
でも、上の赤い円の中央にある芽が伸びるとどうなるか、
その時の姿が予想できません…
もう一度コシダのつくりをみてみなくては…(~_~;A
楽しい内容をいつもありがとうございます。
投稿: panda | 2011年2月 6日 (日) 06時39分
実際にコシダの芽が伸びる様子を観察するのが、いちばん理解の近道でしょうね。
でも、ウラジロのように単純ではないですし、伸びだすと変化は速いですから、連続して観察する必要があるでしょう。
土日しか休みが取れない私の今の状況で、それがネックになっていますが、今年はどうにかがんばって写真に残したいと思っています。
投稿: そよかぜ | 2011年2月 6日 (日) 08時08分
山道歩いてていろんなシダに出合ってます
いろんなシダと言うことだけで
それ以上前に進みません、のです・・・
いつも、み~んな同じに見えてしまうのです
でも、こうしてジックリ観ると違うのですねぇ。
投稿: わんちゃん | 2011年2月 6日 (日) 22時18分
この冬はもう少しシダも取り上げていこうと思っています。
しかし、シダも胞子のうの様子がよく分かる時を狙う必要があり、この時期がシダの種類によって違いますので、いちどにまとめて、というわけにはいきません。
投稿: そよかぜ | 2011年2月 6日 (日) 22時53分