リョウメンシダ
上の写真、一見シダの葉の裏を見ているようなシダ、それがリョウメンシダです。 リョウメンシダは乾燥しにくい場所の、肥えた土の斜面など土の面が裸出しているような所でよく見られます。
上は9月上旬に撮ったものですが、左下から右上に伸びているのが葉の裏です。 リョウメンシダでは胞子のう群(=ソーラス)は葉面の中心部の中部以下につく性質があり、右上の部分は胞子のう群がついていません。 そして左上に写っているのは葉の表です。
はじめにも書いたように、リョウメンシダは、胞子のうがついていない葉の部分では、表と裏とで、凹凸の様子、色合い、光沢の様子などがよく似ています。 そこで、表と裏の両面がよく似ているところから「両面シダ」というわけです。
リョウメンシダの胞子のう群は、上の写真のように、胞子が成熟するまでは円腎形の包膜に覆われています。 下は包膜に覆われた胞子のう群の拡大です。
このようにリョウメンシダでは夏の終わりから胞子形成が始まり、そして冬に胞子散布の準備を始めます。 下の写真は2月6日の撮影ですが、胞子のう群を覆って保護していた包膜が縮れて、胞子のう群が現れています。
下は胞子のう群の拡大ですが、胞子のうの環帯(ノキシノブの記事を参照してください)は紅色で、なかなか美しいものです。
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コメント
>胞子のう群の拡大
キレイなぁと思うと同時に
キモイなぁとも思ってしまいます。
投稿: わんちゃん | 2011年2月18日 (金) 22時08分
泣きと笑い、キレイとキモイは紙一重、たぶん脳の似た場所が働いているのだと思います。
投稿: そよかぜ | 2011年2月19日 (土) 07時03分