« ニッポンオナガコバチ(メス) | トップページ | キジバト »

2011年2月19日 (土)

アラカシの芽

Arakasi110129_5

 アラカシの芽も心持か膨らんできたようです。 このアラカシの芽、日当たりなど条件によって色は様々ですが、いずれの芽も真上から見ると、きれいな5角形をしています。

Arakasi110213_1

 以前、アラカシの葉の付き方には規則があって、2/5葉序であることを書きました。 この、芽が5角形をしていることと、葉が2/5回転しながらついていることとは、関係があるのでしょうか。
 アラカシの芽の表面は、小さな葉のようなもので覆われています。 これを芽鱗とよんでいますが、このアラカシの芽鱗の起源は、葉ではなく、托葉が変化したものです(詳しくはこちら)。
 托葉は葉の左右についているものです。 芽の5角形と、2/5葉序である葉の付き方と、その托葉と、この3者の関係はどのようになっているのでしょうか。
 これらの関係を見るために、芽の断面を作ってみました(下の写真)。

Arakasi110129_2

Arakasi110129_4

 上で赤い曲線で囲った内側と外側とで、明らかに様子が違いますが、芽鱗に保護され、新しい葉があるのは、赤い曲線の内側です。
 上の水色の線あたりで横に切った断面が下の写真です。 楕円形のように見えるのが新しい葉で、それをつなぐ線状のものは新しい葉の托葉です。

Arakasi110129_1

 新しい葉と、托葉からなる芽鱗、ずいぶんと様子が違います。 芽の5角形に関係しているのは托葉起源の芽鱗の配列なんですね。 葉と芽の5角形との関係については、托葉が2/5葉序の葉の左右にあるという点では関係があるのですが、新しい葉そのものは芽の中央に押し込められていて、5角形には直接的にはあまり関係していないようです。 それにしても、新しい葉は、かなりの厚さの芽鱗に守られているのですね。

|

« ニッポンオナガコバチ(メス) | トップページ | キジバト »

木1 常緑樹」カテゴリの記事

コメント

2枚目の写真の下の4行目
>アラカシの目の表面は・・・・・

そんなことにばっかり目がいってしまって、ほかのことはサッパリ。
ただ、芽鱗は解りました
良く見ると寄木細工の宝石箱にこんな模様があったような??

投稿: わんちゃん | 2011年2月19日 (土) 20時56分

アラカシの芽、きちんと見たことがなかったです。勉強になりました。

葉序の話も興味深いですね。あのフィボナッチ数列だとは。この世界の設計図は数学で記述されているのでしょうか?

投稿: hatthin | 2011年2月20日 (日) 00時07分

わんちゃんへ
目立ちがり屋の漢字の「目」に「メッ」としかったら、
「目」曰く、「迷惑をかけました。」
ということで、さっそく訂正しておきます。

hatthin さんへ
これまでにも、いくつかの植物の芽について書いてきましたが、植物の芽も、それぞれいろんな特徴があって、なかなかおもしろいものですね。

投稿: そよかぜ | 2011年2月20日 (日) 08時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アラカシの芽:

« ニッポンオナガコバチ(メス) | トップページ | キジバト »