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2011年1月 3日 (月)

マンリョウ(1)

 センリョウの実のおもしろい特徴については以前書いていますので、お正月らしく、今日の記事はマンリョウにします。 といっても、このブログらしく、庭のマンリョウではなく、林床に自生しているマンリョウです。 写真は近くの雑木林の林床で撮ったものです。

Manryou101211_1

 もっとも、庭に植えられているマンリョウは、自生地のものより実が少し大きいなど、園芸的に選択されている点もありますが、林床に自生しているマンリョウと庭に植えられているマンリョウとは同種の植物であり、本質的な違いはありません。 写真のマンリョウも、庭に植えられていたマンリョウの実を食べた鳥が糞と一緒に林に落とし、“里帰り”したマンリョウかもしれません。

Manryou101211_2

 マンリョウはヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木で、東アジアからインドにかけての温暖な場所に広く分布し、日本では、関東地方以西から四国・九州・沖縄の林床に自生しています。
 美しい赤い実をつけるのですが、この実はあまり鳥などには食べられず、かなり遅くまでよく残っています。 しかし、液果は鳥などに食べられて種子散布してもらうことに意義があるわけで、毒などで食べられることを防御していたのでは意味がありません。 実が残る理由として考えられるのは、実を好む鳥は主に木の高い所で生活し、危険の多い(?)林床にはあまり降りて来たがらないようですし、マンリョウを上から見ると葉ばかりであまり実は見えません。 また、林床にいる鳥は落ち葉の裏に隠れている虫などを食べている動物食性の鳥が多い、ということかもしれません。 それとも単純に、マンリョウの実は鳥にとってあまり美味しくないのかな? ちなみに私が食べてみたところでは、青ぐさみが強く後味も悪く、人にとってはとても美味しいと言える実ではありませんが、とても食べられないといった実でもありませんでした。
(どこかでマンリョウの実を食べた記事を見たことがあると探したところ、夕菅さんが試食しておられました。)
 日本でも鳥に食べられにくいマンリョウの実が、自生地以外の、その土地の鳥にとって未知の実となるケースではどうなるか。 アメリカのフロリダでは、マンリョウにとって環境が良かったのでしょう、日本から持ち込まれたと思われるマンリョウが二次林に広がり、林床のほとんどをびっしりと覆ってしまっている所もあるようで、帰化有害植物に指定されているようです。
(ここで書いた鳥とマンリョウの実との関係は、そよかぜの仮説にすぎません。)

 赤い実をつける植物は多いのですが、マンリョウはすぐ見分けられます。 その特徴は、上の葉の層の下に果実の層があり、その下は枝の無い幹だけの特徴的な姿もそうですが、葉も特徴的です。 明日はこの葉(と花)の(私にとっての)不思議に迫ります。

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木1 常緑樹」カテゴリの記事

コメント

明けましておめでとうございます。
そよかぜさんもマンリョウの実を試食をなさったのですね。
それも庭のマンリョウではなく、林床に自生しているマンリョウ。
「逆“里帰り”」は面白いですね。
確かにマンリョウの実は上から見ると立派な葉で隠れます。ただし庭のマンリョウではセンリョウを越えて樹高1.3mになっているのもあります。
訪れるのは主にヒヨドリ。ホバリングが得意ですから、マンリョウが好物だったらあっという間に食べてしまいそうです。
一方マンリョウは果皮の直下に堅い大きな種子があって廃棄率高く、味も悪いので敬遠されるのではと私は思っています。
でも春になるまでにはいつの間にか無くなります。お腹がすけば何でも食べてしまうのでしょうね。

葉(と花)の不思議も楽しみです。
私の方こそ、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: 夕菅 | 2011年1月 4日 (火) 10時47分

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

動植物の色々な不思議を解明するそよかぜ仮説がとても楽しみです。
あ、仮説というより実証ですね。
日本の万両のお里は林床なのですね。
じゃあ石蕗のお里は?
わたしにとっては、元々はどこに住んでいたのと聞きたくなる植物が多いです。

投稿: ひとえ | 2011年1月 4日 (火) 11時54分

♪センリョウ、マンリョウ、アリドオシ♪

アリドオシの実の実物を見たことは無いのですが
マンリョウが庭でか細い枝をヒョロッと・・・
どこからか鳥さんが運んでくれたんですね。
数少ない赤い実がいつの間にか無くなってます
また、どこかに運ばれていくんですね。

鳥さんたちが美味しいと思う実は人がかじっても100%美味しいんでしょうか?
人が「こりゃ、不味い」と思った実は鳥にとっては?
鳥の味覚(まずい、旨い)って?どんな具合なんでしょうか?

お花のしくみより食べることの方へ・・・

投稿: わんちゃん | 2011年1月 4日 (火) 13時16分

夕菅さんとわんちゃん、お二人とも鳥の味覚を問題にしておられますが、鳥はどれくらい味を分かっているのでしょうね。
というのは、鳥は、大きな柿などを小さな鳥がつつくような場合は別として、ほとんど果実を丸飲みにしています。歯があって口の中で噛み砕いているわけではありません。ゴンズイなどは全く美味しい部分は無いのですが、それでも鳥に食べられ、子孫を増やしています(詳しくはこちら)。
(念のために「鳥」と「味覚」で検索してみたら、焼き鳥屋さんがズラ~ッと出てきました。)
果実は哺乳類にも食べられますから、植物は果実の味については哺乳類を“意識している”のかもしれませんね。

ひとえさん、石蕗(ツワブキ)の自生地は主に海岸の崖などです。フキなどと比較して、光沢があり厚い葉は、乾燥に耐えやすいつくりです。(こちらの記事も参考にしてください。)

投稿: そよかぜ | 2011年1月 4日 (火) 16時13分

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